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元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
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マリーと実技試験

「最後に、今回向かうダンジョンですが、試験の為に貸し切ったりはしておりません。他の冒険者の方々もおられます。問題を起こしたりすれば試験結果にも影響がありますので、ご注意ください」


 試験官の説明が終わるのとほぼ同時にダンジョンへ到着!

 この人……到着時間まで計算して説明してるのかな……プロだ!


 これから実技試験が始まる!

 マリーは時間を示すような道具は何も持っていないから、ダンジョンに入ってからは自分の体感で時間を把握をしなきゃいけない。


「それでは実技試験を開始します。名前を呼ばれた方は速やかにダンジョンへ入ってください。他の方は呼ばれるまで休憩して頂いていて結構です。では、モーティマさん。ダンジョンへ」


 筋肉ダルマのモーティマが最初だ。筆記試験の点数順なら、確かに頭悪そうだし……納得。

 次の人が入るまでは一時間あけるらしい。

 待っている間には冒険者ギルドが用意してくれた軽食や水が配られる。

 マリーはのんびりしながら軽食を頬張ってる。

 お嬢様っぽいカティナって人は、全身鎧のお付きの人と何か話しあってる。

 忍者っぽい人は、冒険者ギルドから配られた軽食を断って、静かに無言で佇んでいる。

 僕が周りを観察してたら一時間経ったらしい。


「では、次にミゲルさん。ダンジョンへ」


 全身鎧の人が立ち上がった。あの人がミゲルって名前なんだね。


「カティナ様、先に行きます」


「えぇ」


 ミゲルはカティナに頭を下げてから、ダンジョンへ入って行った。

 それからまた一時間。


「イゾウさん。ダンジョンへ」


 今度は忍者みたいな人だ。

 試験官へ頷いてからイゾウはダンジョンへ。未だに一言もしゃべらない。変な人。


 更に一時間。


「次にカティナさん。ダンジョンへ」


「えっ! 私ですの!? この獣人ではなくて?」


「はい、カティナさんです」


 なんと、筆記試験はマリーが一番点数良かったみたい。

 カティナがマリーを睨みつけている。

 自分が一番じゃなかったことに納得がいかないみたい。


「こんな獣人なんかに……ありえないですわ……」


 ブツブツと言いながらダンジョンへ入っていくカティナ。

 獣人なんかって言われていてもマリーは気にした素振りもない。

 そのまま時間がくるまでのんびり過ごす。

 そしてやっとマリーの番。


「最後にマリーさん。出発してください」


「はい!」


 緊張しているのか、マリーの表情が硬い。それでもダンジョンへと足を進める。

 他の人はどうなのか知らないけど、マリーにはダンジョンの情報が全くない。

 合格する為には、下層へ向かって行って強いモンスターを倒さなきゃいけないけど、道もわからない。

 僕に協力できることってどんなことがあるのかな。

 僕にできることがあれば頑張るぞー!



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