表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月色の砂漠~コーヒー売りはチート嬢~  作者: チク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/60

黒くて透明


――弟か。

 クラルは思う。

 シームァの弟ということはかなり若いな、下手したら子ども……。

――ないな。

 男好きなクラルではあるが、ショタの趣味はなかった。



「僕の魔力は見えるかな?」

 クラルことケイは、魔力を発揮させる。

 この部屋自体に結界を張っている。

 近くに魔法を使える者がいても、ケイの魔力に気づかれることはない。


 シームァは半信半疑ではあったが、じっとケイを見ていた。


「さっきのミン君が緑なら僕はどんな光かな」

 というのは、単なる好奇心。

 自分の魔力がどんな色でもシームァの目を、今、治す。ケイはそう決意していた。


「黒? でも透明でどこまで透き通った……?」

 シームァの説明を聞いても、それがどんな色かケイは想像できなかった。


「ま、色はいいよ。今度は僕の目を見て」

「……うん」

 シームァは若干の照れがあるようだが、ケイの目を見た。



 さっき、ミンに『目を見て』なんて言われた時はドキドキしたが、ケイに言われてもさほどの感情の高ぶりはなかった。

 やっぱり自分はそっちなんだ、と思いながらシームァは眠っていた。




     * * *


 ミンに後をつけるように言われてた兵士は、宿屋の前にいた。


「尾行するなら、尾行されないようにな」

 と肩を叩かれた。

 四番隊隊長であり行商でもあるパース・ソナリアだ。


 尾行してると指摘されて、そうだと肯定する訳にも行かず、兵士はどう返事したものか思案していた。

 するとパースは語り出す。


「まあ、俺もあの二人が気になってたんだ。ありゃ、どっかいいとこのボンボンだろう。道ならぬ恋ってヤツだよ」

 言いながら、パースはうんうん頷いている。


「それは確かな情報なのか?」

「あぁ、間違いない。あの見事なバイオリンといい、顔を隠してるのといい、許されざる恋の逃避行に違いない」

「つまり、不確かな情報なんだな」

「おいおい、俺の話聞いてたか?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ