虹色
パースは色々話したそうだった。
が、尾行してるのがバレた以上、あまりここに長居しないほうがいい。
兵士は立ち去ることにした。
「お? 行くのか? きっと、あの二人、今ごろベッドでハードなことしてるぞ……」
パースの言葉に、兵士は呆れた。
とても聞いてられる内容ではなさそうだったので、さっさと立ち去るのだった。
* * *
パースの言葉は当たらずとも遠からずで……
夢心地なシームァは、なかなかハードな気分を味わっていた。
左目にケイの魔力が流れ込んで来るのを感じていた。
それは左目だけに留まらず、頭全体が激流に揺さぶられてるような感覚だった。
いつしか、左肩が熱くなってるのを感じた。
熱があるわけではない。
そこに巣くうもう一つの存在が、ケイの魔力を喜んでいるようだった。
それとシームァは一心同体のようなもの。
シームァも嬉しくなった。
そこで、ぼんやりとシームァはケイの魔力を見た。
透明な光が、まるで……
*
「……虹みたい」
シームァはそんなことを言っていた。
夢でも見てるのか。
夢の中で虹が見えてるのなら、希望があるように思える。
ケイは、シームァの左肩に巣くう存在が気にもなっていた。
眠ってるシームァとは別に、それは起きていた。
ケイを警戒してるのか、じっと観察されてるのは感じた。
だが、今はシームァの左目の回復に全力を尽くそう。
――少しは手伝えよ。
そんな思いもあった。
* * *
兵士からの報告を聞いたミンは、イライラしていた。
例の二人は、今、宿屋にいるとのこと。
バイオリンを弾いていたクラルという男はどこかのいいとこの生まれらしい、という何とも曖昧な情報だった。
ミンが知りたいのはそっちてはなく、一緒にいた女について知りたかったのだ。
また八つ当たりしそうになる。
そうなる前に、兵士に下がるように言った。
「ご苦労さま」
兵士は一礼して下がった。




