学校
シームァは結界を物ともせず、その向こうが見えている。
機械の目の威力だろうか。
「色々事情があって、見えないフリしてくれるとありがたいな」
「……?」
「僕の家もそうだけど、普通はあの家は見えないはずなんだ」
普通は結界で遮られてみえないはず。
普通であれば、結界の威力で砂漠に見えてるはずなのだが?
「逆に言えば、きみには結界が見えないの?」
「結界?」
最高位同士であればオーロラのようにもカーテンのようにも見える結界。それがシームァには見えてないらしい。
「やっぱり、きみって面白いね」
面白いと言われて、シームァは複雑な顔になった。
ケイは、キョウの家をノックするのだった。
* * *
ケイがノックすると、子どもが出て来た。
「あ! ピエロだ」
と、一人の子が言うと、続々子どもたちが出て来た。
「子沢山のおうちね」
シームァがそんなことを言う。
「ここで子どもたちに勉強教えてるんだ」
言いながら、ケイはしまったと思った。
キョウという人物は定期的にご近所の子どもたちに勉強を教えたりいるらしい。そんな家にピエロのお面つけた自分が行ったら、こうなることは予想できた。
「ここって、学校なのね」
シームァは妙に関心したように言う。
「いや……」
ケイが何か言いかけた時に、不思議そうな顔の灰色の髪の男が出て来た。
言うまでもなく、キョウだ。
ケイは自分に騒ぐ子どもたちをよそに、キョウの腕をつかみ外へと引っ張り出した。
「どちら様?」と、キョウ。
「その、お姉ちゃんに遊んでもらいな」
と、ケイはシームァを家の中に押しやり、やや強引にドアを閉めた。




