皮肉
思えば、芯が強そうでありながら時折そんな弱さも見せるクスナにぐっと来たものだった――。
――ずるい男だ。
そう思いながらも嫌いになれない感情もあった。
そういえば、最近のクスナは環境維持ロボに抱きつかなくなった。
やはり、クスナは最高位が環境維持ロボを操ってることに気づているのかもしれない。
その時、ケイとシームァは一体の環境維持ロボとすれ違った。
「やっぱり、ミニファッティだわ」
シームァはそんな風につぶやく。
「兄が見たら、この地のロボ、全部分解しちゃいそう」
「それは困る」
――機械の目と手の妹と、やたらロボットの改造が好きな兄か。
ケイは皮肉なものを感じていた。
歩きながら、シームァはだんだん通行する人が減って来てるのに気づいた。
中央の方は人が多いらしいが、ルウの地の外れの方に来れば人は減って来る。
その少ない人でも、やはりケイのつけているピエロのお面は奇妙に見えるようで、途中、すれ違う人がじろじろこちらを見ていた。
ケイのつけているピエロのお面は想像以上に一目を引くようだ。
「そのお面ってどうしてもつけなきゃいけないの?」
シームァはそんな疑問を口にしていた。
「うん、まあ」
ケイは事情を話そうにもどう話したものか、思案する。
本当であれば、環境維持ロボを操ってこの地に来ようとしたわけだが、いかんせんケイのロボは壊れてしまった。
「まさか、この地で指名手配されてるとか?」
「ははっ、面白い発想だね。ところで怪しい人物はいなかった?」
「今のところは、まだ……」
そうこうしてるうちに、ある一軒の家の前でケイは立ち止まった。
キョウの家だ。
「ここが、ルウの地で一番外れにあるおうちだよ」
ケイの説明に、シームァは意外そうな顔をした。
「向こうに、二軒のおうちがあるわ」
シームァが指さした方向は、リゾとレンの家だった。
ケイは感心した。




