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第五章 4

看護婦が来た



千佳は現状を把握できていなく戸惑っている顔をしていた



『今から先生と看護婦さんから治療と説明があると思うよ、何も怖くない安心してていい、それと俺がこれからは守っていってあげるから。』



千佳は不安げな目で「コクリ」と頷いた。



担当医と看護婦は千佳の今の状態を調べていた 


看護婦は病院でのこれからの生活に付いて話をした。



『あの・・』



担当医は京介の所に来た



『意識はハッキリしてますね、恐らく体の方も差ほど問題は無いと思いますが・・・』


『先生・・・。』


『言いにくいですが・・・多量の薬の接種があった時の後遺症か、それとも何か大きな精神的なショックがあったのかですが・・・記憶の方が・・・』



『ちぃが、生きていてくれればそれで・・・』



『ずっとこうなのか、記憶が戻るのかは分かりませんがこちらでは最善を尽くします。』



『はい、よろしくお願いします・・・』




担当医は千佳の体の説明をし始めた。



千佳は不安げな顔で何度も京介を見ながら話を聞いた




「ごめんなさい・・・分からないの・・・か・・・」




こちらを見る度、京介は千佳にほほ笑んだ 



その反面、心の奥底に潜むかもしれない人格


何も知らなく、何も分かれない千佳を愛しくも可哀そうにも見えた




『ちぃ。すぐ戻る、電話してくるからね』


『えっ・・・』


『大丈夫。すぐ戻るから待ってて』


『うん・・・。』




病院の屋上に行った



「プルルル・・・」


『はい』


『ちひろちゃん?』


『うん』



『ちぃ・・・ようやく目を覚ましたよ・・・』


『本当!!良かったぁ・・本当に良かったぁ・・・』



電話越しに泣いているのが分かった



『言いづらいが・・・まだ目覚めたばかりと言うのもあるかもしれないが・・・記憶が・・・』



『えっ・・・どういう事?』



『記憶喪失の可能性があると・・医者から聞いている・・』



『京ちゃんの事は・・・』


『分からなかったよ・・・』



『そんなぁ・・・どうして・・どうして こうなるの・・・』



『ずっとこのままでは無いさっ・・・頑張るよ、時間をかけて・・・』



『そ・・そうだよね。きっと大丈夫だよね・・・』




泣きじゃくりながら、ちひろは言った


『心配無い、また連絡するよマコさんにもよろしく言っておいてくれ・・・』



『うん・・・京ちゃん・・・頑張ってね』



『あぁ、俺の責任や自分の命に代えてでも、ちぃを守るよ・・・』



『私も近いうちにそっち行くから』



『自分が双子と知るのも必要かもしれないしな、ただ もう少し待ってくれ、今は時間が必要だ、彼女の時計は止まっていたんだ、俺がゆっくり取り戻すから・・』



『頼んだわよ京ちゃん・・・』



『あぁ・・・』



電話を切り病室へ戻った。




どんな形でもあれ・・・


ちぃが目を覚ました事がとても嬉しく感じた



これから、千佳の身の回りの世話をしながら過ごす・・・


その中で見極めが必要になってくるだろうと感じた


千佳の中にいる、人格達の目覚めが無いとは言い切れない・・・



「自我」「サタン」の人格でちひろに会わせる訳にはいかない・・・



その時は白にするしかない・・・そう考えた・・・



「希望を捨てないで・・・」



千佳の言った言葉を何度も自分に言い聞かせた



「きっと 大丈夫だ・・・」



病室に戻ると千佳の顔が少し笑顔になった



『ちぃ、少し休みな俺はずっと傍にいるから』


『うん』



千佳は沢山の事と向き合わなければならない現実に戸惑うだろう



「出来る事をする」そう誓った。



医者が聞いてきた



『千佳さんは自分の名前は覚えていたみたいですね・・・』


『・・・教えたんです・・・』


『そうでしたか・・・』


『心中察しますが・・根気良く頑張りましょう。それが大事です』


『・・・はい』




担当医と看護婦は病室を出て行った。



その後、千佳はいつの間にか眠りに着いていた




「記憶は・・・戻らない方が良いのかも知れない・・・」


「新しい始まり・・・」



「ちぃにはちぃの時間・・・」




本気で、千佳の記憶が戻らない方が幸せなのかもしれない・・



そう感じた。



辛い事・・


悲しい事・・



嬉しくて悲しい物語だった・・・


敢えて知る必要は無い・・・



深く大きな ため息をついた



ベットの横にあるテーブルにうつ伏せになり 


じっとちぃを眺めている間に京介も眠りについてしまった



深夜・・・二時過ぎ


千佳はふと目を覚ました



ベットの横でうつ伏せになり眠る京介をとても不思議そうに見ていた



私の事を知ってる


私の名前を知っている


私の名前を教えてくれた


身内なのだろうか・・・


ただ、今、分かっている事はこの人は 


「優しくしてくれる」 そう思った




ベットを降りふらつく足で京介へ近寄りタオルケットを肩に掛けた



そして、窓を開けて空を眺めた




「星・・・奇麗・・・なんか懐かしい気持ち・・・」


「もっと・・・近くで・・・見たいな・・・」







そう呟いた・・・。































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