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第五章 3

病室に入ると呼吸器を付け 


点滴をしている千佳がいた・・・


心電図の音が室内に鳴り響いていた





京介が茫然としていると主治医が現れた



『貴方は?』



『哀川です』



『あぁ、ジャニスさんから伺っています』



『先生・・・。どんな状況なんですか?』



『現段階では何とも言いがた部分があります・・・。意識が戻ってみないと分からないのが本音ですね・・・』



『そうですか・・・』



『大分、薬を投薬された様ですね・・・現在は薬の効果も切れ回復へ向かっているのは事実ですが・・・』



『私が悪いんです・・・』



『命あっての事ですから・・最善を尽くします』



『よろしくお願いします』




医者は心電図を眺め点滴を交換し部屋を出て行った。




眠り続ける千佳の顔を眺めた



顔色も良く呼吸をしている事に安堵した




『ただいま・・・ちぃ、一人にしててごめんな・・・ちぃの生れた場所に行って来たよ。お母さんと 妹さんにも会ってきた』





眠る、千佳の手を触りながら語りかけた



千佳の手は暖かく・・「生きてる」


絶望の淵から生還したんだ・・・


本当に心から嬉しく感じていた




それからの毎日の千佳の病室を足を運んだ



目覚めない、千佳の着替えをさせたり 


体を拭いたり、今、出来る事に尽くした



数日後・・・


携帯に着信があった


電話の相手は 「ちひろ」 であった。


「・・・」


直ぐに折り返した



『京ちゃん!どう、ちぃちゃんは?』



『今はまだ・・・昏睡状態やな・・・』



『そう・・・でも・・きっと、そろそろよ・・』



『分かるのか?』



『夢を見たの』



『夢?』



『ちぃちゃんが夕陽(アコウクロ)見ていたの・・・』



『そうか・・・双子の何か通づる部分なんかもな・・・』



『意識が戻ったら連絡してね』



『あぁ 分かった』





それから数日間は千佳の様態は変わりはなかった



一ヶ月が経とうとしていた時、千佳に変化が起きた





京介は花の水を交換しに戻った



「カチャ」



そこにはベットから起き上がり窓の外を見ている、千佳がいた・・・






『ち・・・ちぃ。意識が戻ったんか?』




千佳は振り向いた




嬉しさと驚きのあまり直ぐに駆け寄った





千佳の表情はとても静寂だった





『私・・・大分・・眠ってたみたい・・・』





『あぁ、そうや・・意識が戻って良かった・・・』





京介は思い出したかのようにナースコールを押した




『今、先生来るからな、無理せんと横になっていればいい』





『あっ・・・はい。』





どこか他人行儀な感じな千佳・・・



人格・・・どの、千佳が残ったのだろう・・・




白では無さそうだ・・・そう感じた・・・。





『ちぃ・・・俺の事が分かるか?』




『ちぃ・・・私の事・・・?』




『自分の名前・・・覚えてないのか?』




『分からない・・・ 自分の名前・・・分からない・・・』




『君の名前は「綾瀬 千佳」って言うんだ・・・暫く昏睡状態だったんだ。少しずつ思い出せばいいよ』



『・・・はい・・・』



千佳の顔は少し青ざめ脅えるような目つきだった。





『なぁ、もう一度だけ聞いていいか? 俺の事は・・・』




『ごめんなさい・・・』





記憶が消えている・・・





いや目覚めたばかりだからだろうか・・・





沢山の事が脳裏を過ぎった・・・
































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