第五章 5
朝・・・。
「ん・・いつの間にか寝てしまったんやな・・・」
京介の肩にはタオルケットが掛けられていた
ベットの方を向くと千佳は起きた京介を見ながらニコニコしていた。
『おはよう。ちぃ』
『おはようございます(*´∀`*)』
『体長はどうや?』
『まぁまぁです(*´∀`*)』
タオルケットをたたみ立ち上がった
『花の水替えてくるな』
『はい(*´∀`*)』
花瓶の水を取り換えながらボーッと考えていた・・
昏睡状態から目覚めた千佳の体の回復には暫くかかるだろう・・・
人格的な判断は今は出来ない・・・
今のところ 変化は感じられない
今までの記憶が無い・・・
「まだ 1,2日やもんな・・・」
何か焦りのようなものを感じていた
一日中、病室に居っぱなしと言うのも
何かこう不自然であろう・・・
ここ一ヶ月の間、様子を見ながら自分の滞在時間を考えないといけない
午前中、一度 顔を出し、昼頃に出て夕方にまた顔を出すような形か見舞に来ない日も必要かもしれないと考えた。
本来であれば、ずっと一緒に居たかったのだが
完全回復に向かうのに自分が千佳に障害である可能性があるかもしれない・・・
そう感じる所もあった。
人格の覚醒の引き金に成りえる・・・
無いとは言い切れない可能性だった。
京介の行動は一ヵ月間 予定通りに進んだ。
その間、千佳の回復は著しく体力は回復していった
病院内も自分で自由に動き回れるくらいになっていた。
千佳の方も京介が来るの居るのがいつもの風景となってきていた
『あの人 そろそろ来るかな(*´ω`)』
「コンコン」
『ちぃ、体調はどうや?』
『うん(*´∀`*)もう大丈夫です!』
『そうか、もう体の方は大丈夫そうやな。ほら、おみやげ』
京介は昔、千佳がよく飲んでいた「コーヒー豆乳」を差し出した。
『わぁ(*´∀`*)これ美味しいんだよね!』
『・・・これの事を覚えているのか・・・?』
『えっ・・・。そう言えば・・』
千佳は少し戸惑った
微かだが記憶が甦っているのかもしれない・・・
精神の方も断片的に回復しているのかもしれない・・そう感じた。
『ちぃ・・・。少しずつ、ゆっくりだよ、良い事じゃないか思い出してきてるんやから・・・』
『うん・・・でも少し怖い・・・』
『大丈夫だよ』
『うん、冷蔵庫から飲みものあるよ、売店で買っておいたの(*´∀`*)飲んで』
『そうか ありがとう』
室内に備え付けの冷蔵庫を開けた。
中には「ブラックコーヒー」が数本入っていた。
『・・・ありがとな・・・でも 何故「ブラック」なんだ?』
『・・えっ・・何の疑いもの無くそれを自分で手に取っていたの・・・違ったならごめんなさい・・(>д<)』
『いや これで良いんだよ・・・』
『良かった(*´∀`*)』
千佳に取っては無意識だった・・京介が「ブラックコーヒー」を好んでいる事を覚えていたようだった。
『少し怖いけど、あなたの事は思い出したいの・・・名前もなんか途中まで出かかるけど消えてしまうの・・・』
その表情はとても寂しそうだった。




