アコウクロ 第五章
翌日・・
京介は早々に関東に戻る事にした
現在昏睡状態だとしても・・・
どんな人格で目覚めたとしても・・・
「ちぃが生きている」
その事実が少しの希望を感じていた
『ちぃ、今帰るからな・・・』
福岡は駅に着いた
足早に改札へ向かおうとしていると
『京ちゃん!』
ちひろの声がした
何処なく・・・いつか同じような風景で見たよな気がした・・
旅発つ時に 見かけた「ちぃ」に似たように見えた女の事を思い出した
「あの時の女の人はちひろだったのかもしれないな・・・」
そう感じたが聞きはしなかった・・
『どうしたん?』
『見送りに来たよ!絶対、何も言わないで行くと思った(笑)』
『・・・ありがとな・・』
『これ』
ちひろは小さな小瓶を渡してきた
『なんや?これ』
『アコウクロを見た所の砂』
『・・・あぁ・・ありがとう・・ちぃも喜ぶかもしれないな』
『どうかな(笑)あの子ヤキモチやきだから(笑)』
『・・そう・・なの・・か・・』
『そうよ(笑) ねぇまだ時間ある?』
『あぁ、一時間くらいはあるかな』
二人は駅内でお茶をする事にした
『ちひろちゃん。ほんまにありがとうな・・・君に会わなければ何も分からないまま時間が過ぎていた・・・』
『ちぃちゃんの想いが私達を出会わせたんだね、きっと』
『ちひろちゃん。実はちぃは今、意識不明なんや・・・生死の狭間から生還はしたが意識が戻った時に記憶があるかどうか分からない・・・と医者から言われてる・・・』
『そうなんだ・・・きっと大丈夫だよ!(*´∀`*)自信もって!私達の出会いにも意味がある事なんだからきっと大丈夫よ』
『あぁ・・・ そやな・・・ 大丈夫やんな・・・』
少しの沈黙があった・・・
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『じゃあ そろそろ 行くわ』
『うん。』
京介は改札を通る前に振り向いた・・・
『ちひろちゃん・・・別に変な意味でもなねんけど・・一つお願いがあるんや・・・』
『何・・私に出来る事?』
『あぁ・・。1回だけでいいから抱き締めさせてくれないか・・・』
ちひろの顔は真っ赤になった
『・・・うん、いいよ・・・』
ちひろは両手を広げた
京介は感謝の意味で「ちひろ」に「ちぃ」を重ねた・・・
これからどんな結末が迎えようとも・・・
自分の心が折れないようにするためにも・・・
ちひろを抱きしめた・・・
『ありがとう・・・これで俺も頑張れるよ』
『うん、なんか気持ち分からないでもないから・・・それとこれ、私の番号、ちぃちゃんの事で何かあったり・・・寂し時でも(笑)電話して』
『必ず連絡入れる』
改札を抜け京介の姿が見えなくなるまでちひろは手を振っていた
『きっと・・・きっと・・ 大丈夫。』
新幹線が出るまで10分程時間があった
京介は携帯を取り出した
「プルルル・・・」
『はい。』
『ひとみ、ワシや今から東京に戻る』
『そう・・。見つかったんね・・・もう・・・関東を離れたら・・・』
『帰らなあかんねん』
『・・・』
『ちぃは死んで無かったんや!意識は戻って無いが生きているんや』
『えっ・・・本当なの?』
『そう言う訳や時間ないから、また連絡するわ』
『必ず、必ずね』
『あぁ』
ひとみは電話を切った後、京介の精神面を心配した
今までのフラッシュバックの影響による
幻聴や幻覚なのではないか・・・
「自分の弱い心が生み出した、もう一つの答えじゃないよね・・」
「しっかりね・・・京介ちゃん・・・」
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