表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/83

アコウクロ  第四章

京介はいつの間にか寝てしまっていた



服を着たまま、滞在先のホテルに居た




『シャワーでも浴びるか・・・』




風呂場にある鏡をふと見た、目が真っ赤になっていた





『何処までが夢なのか・・・フラッシュバックなのか』





鏡をボーっと見ていると、自分の後ろに人の影が見えた




振り返るとウエディングドレスの千佳が立っていた




手を伸ばし触れようとすると・・ 


すり抜けるようにして消えた・・・



『・・・』





その途端、激しい頭痛に襲われた




その場でうずくまる様に身動きが出来なくなった・・





そのまま、数分間黙っていると部屋の方から携帯の鳴る音が聞こえた・・・





それで、意識が徐々に戻り始めた・・





シャワーを上がり、携帯を見ると着信は「佐々木 ひとみ」からのものであった





電話を掛ける前に薬を飲んだ・・・



『プルルル・・』



『もしもし・・』



『ワシや・・電話貰ってたな・・』



『大丈夫?』



『おぉ・・大丈夫やで』



『今はどこ?』



『新大阪やもう直ぐ出るとこや』



『すぐ、移動しなかったのね・・・どうしても行くの・・?』



『行かな・・・終わらせなければならないんや・・・全てを・・』




『うん・・必ず・・連絡してね』



『・・気が向いたらな・・』




ひとみは小さくため息を付いた 




『仕方ないわね・・それでもいいから約束ね・・』



『あぁ・・』





京介は電話が終えると直ぐに駅に向かった




『今日中に九州に・・』



何か焦る様な気持にかられていた



いつ何処で フラッシュバックに襲われるか分からない状況から 


無意識にそう感じさせていたのかもしれない・・



走り出す新幹線の景色を眺めていた




『ちぃも この景色を見たのだろうか・・・』




過去をいつまでも振り返っても仕方がない・・・



戻れる訳は無いのだから・・・


先を見るしかない・・


これも運命なのかもしれない・・・




流れる景色が眺めながらそんな事を考えた





『考えすぎても仕方ないか・・・』






数時間後、新幹線は九州に着いた






福岡。




京介は疲れていたせいもあり駅付近のホテルに直ぐに入った。




部屋に入ると死んだように眠りについた・・





翌日、直ぐにチェックアウトした



何か手掛かりになる様なものがないかと街を見て歩いた



流石に美央に再度連絡をして住所を聞く訳にはいかない・・そう感じていた




『あの夕陽の場所を探せば・・何かが分かるかも知れない・・』



夕方を待つ事にした



『ここは・・ちぃの生まれ故郷なのかもしれないな・・・』



そう思うと、少し許されたような気持ちになった




暫く歩くと突然、雨が降り出した





雨宿りの為に近くの公園へ走り込んだ




雨の勢いは強く何か哀しげなものを感じた・・




屋根の掛かる所のベンチに座りタバコに火を点けた









「ねぇ・・・京ちゃん ちぃもタバコすいたい」


「ええよ」


「タバコ吸う 女の人嫌い?」


「あぁ・・嫌いや」


「じゃぁ 吸わない(*´∀`*)」


「ウソやって ええで(笑)」


「もう!!(笑)」


「そんな事もあったたな。・・・」





昔の千佳との会話を思い出した





『ねぇ?そこで何してるの?』



見知らぬ女が話しかけてきた



『・・・何でもない・・』



『旅行?それとも出張?』



『どちらでもない』


その女は京介の隣に強引に座り自分もタバコ吸い始めた




『暇そうね・・こんな所で男一人(笑)待ち合わせ?』



『探し物しに来たんや・・時間もそんなに無い・・』



『ふーん・・。見つかりそう?』



『来たばっかりで何も手がかりが無いねん・・』



『じゃあ、手伝ってあげる!うちの店に今からおいでよ!』



『店?』



『そう飲み屋さん』



『・・・』



『ホラ、探すんでしょう?』





その女は強引に京介の手を引っ張り歩きだした



「地元の人間から何か情報が掴めるかもしれない・・・」



数分歩くと飲み屋街がへ着いた



『ここよ(*´∀`*)』


『・・・』


無言で店に入った




店はBOXが数個あったがカウンターがメインのようだった




『今日はこれから何か用事があるの?』



『いや・・特に・・』



『それならゆっくりして行きなさいよ、どうせ行く所ないでしょ(笑)』



『・・あるさ まだ 見つけれないだけだ・・』



『ふ~ん・・』





女は興味なさ下げに返答しながらビールを出してきた



『取り合えずこれ飲んで待ってて(笑)』





ある程度、開店準備が終わると京介と話をし始めた


『へぇ~ 東京から・・言葉は大阪弁だよね~(笑)』



『大阪弁は全国共通やから(笑)』



『確かに(笑) うちの娘も東京で働いてるんだよね』



『そうなんや・・。』





女は名刺を出してきた





『遅くなってごめん(笑) こう言うものです』



『ここは貴女の店なんやね』



『そう。ここは「わらいや」私の店よ笑顔の絶えない場所。 寂しい時でも笑えるような場所。って・・感じかな(笑)』




『素敵な場所やな・・』


『だから!元気出しなさいよ(笑) ねっ!』



『あぁ・・。』




『そういやこの辺で・・夕陽は見えるかい?』



『夕陽なんてどこでも見れるわよ東京だって見れるでしょう?』



『東京に夕陽はゴミゴミしててな・・』



『不思議ね・・・同じ太陽なのに・・見る場所によって全然違うものにみえるんだから・・・』





















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ