第四章 2
『特別な夕陽・・?』
『あぁ・・その場所を探してるんや・・』
『難しそうね・・』
『そうだな・・』
他愛もない話をしている内に時間は23時を過ぎようとしていた
客足の方もじわじわと増えてきた
一人でこなすのは大変だろうと思いは帰る事にした
『・・御愛想』
『何?もう帰るの?行くところ無いんでしょう?もう少しゆっくりしてってよ、今娘も来るから』
『一人じゃ大変やもんな・・』
カウンターに少し多めにお金を置いて席を立った。
『ママ、また寄らせて貰うわ会計は置いといたで』
『ごめんねー!必ずまた寄ってね!!』
軽く会釈だけをして 店を出た。
『今日はこの辺にするか・・・』
繁華街に近い場所でホテルを探すことにした
ホテルを探しながら歩いていると、電話をしながら走ってくる女とすれ違った
京介は下を俯き・・・
女は先を見ていた・・・
「ん・・・?」
すれ違いざま、千佳が使っていた香水と同じ香りがした
『懐かしい香りやな・・』
その後、京介はホテルを決めチェックインした。
『人懐っこいママやったな・・ また寄ってみるか・・』
アコウクロの写真を出した、写真の裏に書かれていた日付を眺めた
『この日・・ここに行けば何か分かるかも知れんな・・』
千佳の生れた場所
知らないものばかりだが少し千佳を知れたような気がしていた。
不思議と九州に入ってからはフラッシュバックや頭痛が起こる気がしなかった・・。
『アイツ・・心配してるしてるかもな・・』
ひとみに電話をいれた。
「プルルル・・・」
『もしもし』
『無事、九州に着いてたで』
『・・そう・・。心配してたった・・ご飯とかちゃんと食べてるの?』
『適当にな・・』
『何か・・手掛かりとかは掴めた?』
『いや全然や写真と同じような風景の夕陽を探すよ』
『・・見つかるといいね・・』
『あぁ・・』
『電話・・無いと思っていた・・』
『気が向いたらすると言ったやろ』
『そうね(笑) ありがとう。』
『なぁ、ひとみ、ちぃは俺に同じ景色を見せてくれるだろうか・・・』
『その為に行ったんでしょう・・諦めたの? きっとちぃさんが導いてくれるわ』
『そうだな・・』
『体調とか幻覚とか大丈夫?』
『それが不思議と全く無いんや予兆すら無い』
『良い事じゃない』
『それはそうだが・・・ちぃが自分の中から消えてしまうような気がしてな・・』
『でも苦痛も伴うんでしょう・・』
『あぁ・・・だが自分への戒めとして受けていたい・・どんな形でもちぃと接したいんや・・』
『・・・そっか・・』
京介は電話をしながら夕陽の写真の裏を見た
『この8月7日までには必ず見つけ出す・・』
『ちぃさんが 羨ましい・・・。京介ちゃん・・死なないでね・・』
『・・・。死ねないな・・ここに行くまでは・・』
『約束よ、絶対に死んじゃだめよ・・』
『でもな・・俺はちぃを・・・』
『それでも死んだらダメよ・・そんなのちぃさん喜ばない・・』
『・・・もう 居ないんだよ・・ちぃは・・』
電話を切った
『ちぃ・・俺はお前に何をしてやり、何を伝えたんかな・・ お前は俺と出会わなければ良かったのかも知れないな・・・』
ウエディングドレスの写真のちぃは満面の笑みで京介を見つめていた・・
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