第四章 3
翌日から数日間、京介は色々な海辺の夕陽を見て歩いた
だが写真と同じような景色は見つからなかった
『手がかりが無さ過ぎるな・・ 』
その日は体調が悪く薬を多めに常用していた・・
フラッシュバックを抑える薬だが京介はお構いなしに飲んでいた。
ホテルに戻ると目眩がしてきた
『少し歩きすぎたかもな・・』
ベットに横になった頭の奥からチリチリするような痛みを感じた
次第に痛みは激しくなり耐え切れないほど痛みになってきた
『あかん・・薬を・・』
意識が遠のいていった・・・
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浜辺に立つ京介・・。
「ねぇ、京ちゃん、何でこんな所まで来たの?」
「ちぃを知るためさ」
「そう・・何か分かった?」
「いや・・まだだ・・、ちぃ・・教えてくれあの夕陽は・・」
「・・・いいよ・・教えてあげる」
穏やかな笑みでちぃは答えた
「あの写真はね・・・・」
ちぃの口元は動いているのだが声が聞こえなかった
「ちぃ!なんて言っているんだ!聞こえない!聞こえないんだ!」
千佳の姿は次第に薄くなり消えていった・・・
意識がゆっくり戻り始めた・・・
ベットに寄りかかるように座った
『ちぃ・・・ 探せと言う事か・・・』
海辺での千佳はとても優しい顔をしていた
そしてとても寂しげだった・・・
『薬・・は・・辞めておくか・・・夕陽を見つける前に、こっちがくたばるかも知れんしな・・・』
タバコに火を点けた
窓辺に立ち繁華街を眺めた
スーツのポケットに手を入れると先日行った、例の飲み屋
「わらいや」の名刺が入っていた・・・
「・・・行ってみるか・・・気晴らしになるかもな・・・」
ホテルを出て繁華街へ店の前に着いた
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ゆっくりドアを開けるとママの陽気な声が聞こえてきた
『いらっしゃいませー。あっ!待ってわよ!』
『・・・』
『この間、お釣り渡して無かったから』
『ええのに・・』
『良くないわよ(笑) あとさ、ごめんカウンターでいい?』
ママはそう言い、ペロッと舌を出して愛らしい表情を見せた
そのママの表情に何か懐かしい物を感じた・・
「なんだ・・・この感覚は・・」
『まずはビールでいい?』
『あぁ 頼む・・』
『ところでさ あなた・・お名前は?』
『俺か?俺の名は・・・』
『私、「マコ」、聞く前に言うべきよね(笑)』
『俺の名は「哀川 京介」や・・・。』
『京介さんね、今うちの娘も来るからゆっくりしていってね』
『あぁ』
『ねぇ、そう言えば見つかった?』
『いや・・・まだだ 』
京介は夕陽の写真を出した
『もう・・あまり日にちがないんや・・・』
『そうなの?いつまでに?』
『8月7日なんや・・・』
『あまり無いわね・・』
マコは写真を手に取り眺めて何かを考えているように見えた
『ねぇ、こう言う夕陽なんて呼ばれているか知ってる?』
『アコウ・・』
『そう。アコウクロって言うのよ』
『それはここの方言なんか?』
『違うわ、沖縄よ』
『おき・・なわ・・ 考えもつかんかった・・そうか・・・』
「カラン・・」
『おはようございます(*'▽')ノ』
娘が店に到着した。
京介は扉の方へ目を向けた・・
言葉を失った・・
目の前には「ちぃ」が居た・・
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