第二章 11
ひとみの部屋に着いた
部屋に着くと京介は部屋の中をくるっと眺めた
『なぁに(笑)懐かしい?』
『・・あぁ・・ここも変わりの無い場所なのかもな・・』
『少しくらいは変わったわよ、部屋も・・私も・・』
『そうか・・』
『休んだら?』
『なんかな・・ここに着たら少し落ち着いてきたわ・・少し話をしようや』
ひとみはニコッと笑い、冷蔵庫からお茶を出した。
『・・聞いてもらいたい話があるんでしょう?』
『・・今は・・まだ話したくないんや』
『そう・・なら聞かない(笑)』
二人は他愛も無い話をした・・
『なぁ・・俺がお前の前からいなくなった時・・辛かったか・・』
『うん・・死にたいくらいに辛かった・・でも、その反面・・あぁ・・やっぱりいっちゃうんだ・・そう思ったかな・・』
『何故 止めなかった・・』
『言って聞くような人じゃなかったわ・・あなたは・・』
『そうか・・確かに当時の俺はそうだったかもしれないな・・』
『もう、いいじゃない(笑)終わったのよ私達は・・そして・・もう始まらないの・・』
『あぁ・・』
『あのな・・・俺は人を殺してもうたんや・・・とても・・大事な大事な人を・・・』
ひとみは言葉を返せなかった・・
何かに苦しんでいる・・そう感じた
『・・・』
『俺は関東に出てからもしがらみから抜けきれず取り込まれた・・だが、そう世界の居心地がとても良くてそこに留まった・・・そんな中、一つのプランを動かしているうちに・・・』
『・・・そう・・』
『事件になったの?』
『いや・・事件にはなってない・・・やらなければ成らない事があるんや・・それを終えたら報いは受けるつもりや・・』
『まだ・・そんな事してたったんだね・・』
『お前は俺と離れて正解やったな、一緒に居たらお前が犠牲者だったかもしれん・・』
『きっと、同じ事になったかもね』
『俺は・・・そいつの事がとても大事で・・・愛していた・・』
『写真は無いの?』
『ある・・・』
ひとみにウエディングドレスの千佳の写真を差し出した
『・・羨ましい・・ とても幸せそう・・』
『あぁ・・』
『こんなに幸せそうなのに・・なんで・・』
京介は答えれなかった・・
言葉にするのには難しい気持ち
いきさつ・・
胸が締め付けられるようになり苦しかった・・
『色々あるんだね・・いいよ、無理に言わなくても』
『殺したくなかったんや・・・ほんまに殺したくなかったんや・・・』
大粒の涙を流しながら声を震わせた
ひとみは京介の表情を見て、色々考えた・・
『彼女が・・望んだの・・?』
『あぁ・・俺が悪いんや・・全て・・・』
『きっと・・彼女も辛かったのよ・・あなた以上にね・・』
『ちぃぃ・・・ちぃぃ・・・ ちぃぃぃぃ』
『京介ちゃん・・あなたは死んだらダメよ・・絶対に・・絶対に・・』
『俺なんて 生きる価値なんてないんや・・毎日見えるんや・・ちぃが俺を恨んでいる・・死ねばいいと思っている・・』
『違う・・きっと 違うよ・・』
『お前に何が分かるんや!!・・・・ちぃはもうどこにもいないんや・・・』
『居るわ!京介ちゃんの中にいるでしょう!だから苦しいんじゃない・・ だから生きなきゃダメなんじゃない』
『ちぃぃ・・・許してくれ・・・ちぃ・・』
ひとみは京介を抱きしめた
震えながら悲しみのどん底に落ち込む強い男を・・・
『あなたは諸刃の剣ね・・・ 弱い自分に気づいちゃったんだね・・』
京介はひとみの胸の中で泣いた
『私が京介ちゃんに出来ることは、こんな事しかないけど・・最後まで頑張って・・ねっ。』
『ちぃぃ・・・』
京介はそのまま眠りに付いてしまった
ひとみは京介を横にさせタオルケットを掛けた
テーブルに置かれた写真を手に取った
ウエディングドレスの写真
二人で映る写真
彼女だけの写真
夕陽の写真
写真の中の彼女はとても甘えん坊で幸せそうだった
京介もそれを満足そうにしている・・
「私といたときにはこんな笑顔見たこと無かったな・・」
夕陽の写真を手にした
「これは・・アコウクロウ・・・ここに行きたいのかな・・」
京介の顔を見た
ひとみは写真の意味に付いて少し考えた・・
「なんで・・・この写真なんだろう・・」
窓の外を見ると外は朝日がうっすらとし、一日の始まりを知らせようとしていた・・
ひとみは京介の隣に寄り添い
頭を撫でながら眠りついた・・




