第二章 2
京介は新幹線の中、写真を見ていた。
日付と名前・・これが何か意味があるような気がしていた。
ちぃと出会う前の過去。
自分の知りえる、ちぃは昔とはかけ離れていたであろう・・
コントロールの為、本来の性格に大きな負担を掛け
消し去ろうとした制でちぃの本当の本質を完全に知ってるとは思っていなかった。
部屋に貼られていた写真はほぼ京介の写真だった。
その中でこの夕陽の写真が一枚。
知り合ってから貼ったのであれば本体の人格が貼ったとしか考えれなかった。
自我・本体と呼ばれる人格の共通点は京介
それ以外・・
「ちぃは星が好きだった・・」
何か特別な思い入れがあるのかもしれない・・
それはちぃの本質・・が行動したのだろう・・
ちぃの事をあまり知らない自分を悔やんだ。
数ヶ月前・・・
『京介君、紹介するわ、うちの秘書の綾瀬 千佳さんよ。』
「㈱ MIO」の社長の「竹内 美央」に紹介された
『初めまして。(*´∀`*)よろしくお願いします。』
「なんか・・恐そうな人ぉ・・嫌だなぁ・・」
ちぃは京介の第一印象をそう思っていた。
日に日に、マメに営業に来る京介に対し
見た目と違い紳士的な対話に興味が湧いてきた。
純粋に 「この人って 魅力的だ・・」そう感じていた。
京介は美央社長と仲が良い自分なんて相手にされるはずがない。
そう思っていた。
そんな中、京介の策略にはまり言いなりとなってしまった。
最初は屈辱的な事を餌に脅迫をされ恐いだけだった。
再三に渡る、屈辱的行為の快楽の罠の深みにはまったのだった。
尚も必要以上なコントロールを虐げられ、薬の投与、催眠
傀儡製造の中でも最も危険な手段を取られてたのだ。
消えていく 自分・・
言うことを利くために作られた新しい人格
どんどん自分の心が奥底へ沈められた
完全に消されなかったのは記憶が欲しいゆえ
自我と呼ばれる記憶が本質を残した。
自我として動いている時の自分は眠りに着く様な感覚だった。
昼の仕事中も 一日の流れをDLされ
一度、教えたらそのまま 奥底へ・・
そんな感じにも似た感覚があった。
採算に渡る投薬により薬の効き目も徐々に薄れ始めた・・
だが京介はその事に気づいたのは随分後の事になってからだった。
「ねぇ 私 それじゃ京介さん 喜ばないよ」
「だいじ。どうして」
「ほら、京介さん、いつも朝、起きたら コーヒー飲むでしょう?」
「うん」
「ブラック。ちぃは飲めないけど、朝は苦いのいいみたいだよ」
「苦い 嫌い」
「うん。でも、京介さんは?」
「苦い 好き(*´∀`*)」
「うん。じゃ コーヒー作ろうか」
「うん 教えて」
「うん じゃあ・・・」
最初・・自我と本体はとても上手くやっていた・・・。
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