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黒のカサブランカ ――裏切られし女勇者、闇に堕ちて魔王となる――  作者: 小鳥遊 千夜
第二章 二人目のメインターゲット 大司祭、ビション=ヴァルテス編

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第89黒 形勢逆転――檻の中のミラ

 

 ――ラグナ・セクト遺跡の深部。


「《遺跡共鳴 ルイン・レゾナンス》……ふふふ…綺麗な術式よね?」


 ヴェルミナが指をなぞる。

 空間に浮かぶ魔力の“流れ”を、触るように。


「外部回路依存、宝石による増幅……」



 ミラの表情が、僅かに揺れる。


「……は?だったら何?」


「だから――」

 ヴェルミナの瞳が、妖しく光る。


「崩しやすいの」


「《禁断術式 フォービドゥン・ライト》――起動」


「なっ……!?」


 ミラの足元の魔法陣が砕け始める、まるでガラスにヒビが入るように。


「何これ……!?」


「術式を少し“ずらした”だけ……あなた、遺跡に頼りすぎなのよ」


「ふざけないで!!」

 

 ミラが叫ぶ。


「《魔力増幅――》」


 だが、ヴェルミナの指が弾かれる。


「無駄よ?《魂縛 ソウル・バインド》――再構築」


 影が、伸びる。

 今度は――より深く。


「っ……!!」


 ミラの身体が止まる。


「さっきも言ったでしょ?この技は身体じゃない、“魂”を縛るって

 もう逃げられないわ」


「……っ、離しなさい!!」


 ミラの宝石が一斉に発光する。


「《多重封鎖 マルチ・シール》!」


「私に同じ技は通用しないわ。

 気付かなかった?その術式、三箇所ズレてるわよ」


 ヴァルミナが指を少しだけ動かすとミラの魔法陣が砕けていく。


「うそ……でしょ……?」


 ミラの声が、初めて揺れる。


「ねえ、あなた言ってたわよね?」


 ヴァルミナがにっこりと笑う。


「“強い側にいたことないでしょ?”って」


 一歩、距離を詰める。


「――今は、どっち?」


 ミラの目が見開かれる。


「っ……!!」


 言い返せない。


 その瞬間――

 

 ドォンッ!!!と音を立てて天井の一部が吹き飛ぶ。


「なっ……!?」


 ミラが顔を上げる。


 そこにいたのは――ゼルヴァ=グレゴール。


「ようやく、抜けたか。」


 瓦礫を踏み砕きながら、着地する。

「この程度の檻……退屈だったぞ」


 更にその背後で黒い炎が、ゆらりと揺れ

 カイゼル=ダークロードが腕を組みながら現れる。


「これが帝国の魔導士か?笑わせる」


 3対1となったことでミラの表情が、完全に変わる。


「……は……?」


 視線が揺れる。


「ちょ、ちょっと待って……!

 あんた達までなんで……ここに……」


 ゼルヴァが淡々と告げる。


「力で押し広げただけだ」


 ギシ、と拳を鳴らす。


「それより――」


 ミラを見下ろす。


「貴様が、術者だな?」


 カイゼルが笑い、指先に黒炎が灯る。


「貴様の魔力、実によく燃えそうだ」


「っ……!」


 ミラが身体を動かそうとするが、

 魂が縛られているため、身動き一つ出来ない。


「う、動け……ない……」


 ヴェルミナが、静かに言う。


「これで終わりね。」


 にこりと。


 ヴァルミナ、ゼルヴァ、カイゼルの前に、

 ミラの瞳は恐怖心に染まっている。


「……っ、やめ……来ないで……!」


 ヴェルミナが、優しく囁く。


「大丈夫よ。」


 その声は、救いのようで、地獄の入口。


「…すぐに終わるから」



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