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激闘――揺れる空気
裂け目が、広がる。
唸るような音が境内を満たしていた。
化け物――いや、恐竜とかいう、生き物か。
新たな影が、にじみ出るように姿を現す。
鋭く巨大な牙をむき出しにし、地を震わせるような咆哮をあげた。
「下がれ!!」
沖田の鋭い声が飛んだ。
……
そのとき――
青ダルマが、腹の袋から何かを取り出した。
次の瞬間。
光が、弾けた。
暴れまわっていた化け物たちの体が、みるみるうちに縮んでいく。
巨体は歪み、
やがて、掌に乗るほどの大きさへと変わった。
静寂。
隊士も、僧侶も、誰も、動けない。
「……元に返すからね」
ダルマは、小さく微笑んだ。
だが――
空気は、まだ揺れている。
土方が、低く言う。
「……まだ終わってねぇな」
山崎が続けた。
「もしや、“時渡りの箱”とは――我々が奪い取った、あの箱のことですか」
「それです」
ダルマは即座にうなずく。
土方は視線だけで命じた。
隊士たちが、無言で動く。
――
本堂の隅。
ダルマは、“時渡りの箱”と向き合っていた。
「直せるか」
「……やってる」
焦りが、その声に滲む。
(早く――)
土方は何も言わず、ただ静かに立ち
祈るように、目を細めた。
ーそのとき、
箱が、かすかに脈打った。




