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#24 八つ当たり/協力者

Side:Aruto


 クソが。

 クソクソクソクソ。

 世の中クソ過ぎる。

 なんで僕がこんな思いをしなけりゃならないんだ。

 夜の街を、僕は宛もなく歩いていた。

 昨日僕は緻密な作戦を立て、赤女…真辺穂香を追い詰めた。

 奴を倒して、徹底的に心を折り、僕の下に置く筈だったんだ。

 だが真辺の奴は折れることはなかった。

 どれだけ痛めつけても、あの憎たらしい目で僕を睨んでくる。

 真辺だけじゃない。

 予想外だったのは、姫路さんだ。

 姫路さんの心は折れていた。

 だから参戦してくることはないと思っていた。

 実際途中まで変身できてなかったし。

 だが、姫路さんは何故か急に調子を持ち直した。

 しかも変身したら、メチャクチャ強くなっていて…。

 そして真辺と一緒になって、給水機と泥田坊を倒された。

 何なんだよあれ。

 友情ごっこで大逆転ってか。

 くだらないんだよ全部。

 だがムカつくことに、奴らは強い。

 だから僕なりに対策を立てて、今回の戦いに望んだ。

 けど何なんだよ。姫路さんのあの力。

 こっちはわざわざ雨の日を選んだのに、無理矢理晴れにするって…。

 何でもありかよ。なんだよこのクソゲー。

「おいおい。随分傷心してるじゃねェかァ」

 僕の影から、ムシバミが煽るよう言ってくる。

 街中だからなのか、奴は口だけ覗かせている。

 まるで僕の影に口が付いているみたいだ。

「学校までサボってよォ」

「行けるわけねェだろ…」

「お母さん泣いてたぜェ?クソババアは無いだろぅ?クソババアはァ〜」

「黙れよ!」

 今日僕は学校を休んだ。

 独断だし、誰にも言ってないから、当然学校から親に連絡が行く。

 それ含め、さっき外に出る際にも声を掛けられた。

 あまりにもしつこかったから、つい僕もキレちまった。

 まったく。人権ってものを知らないのかな。

 学校に行くも行かないも、僕の勝手だろ。

「は〜あ。なんで世の中、馬鹿が上手くいくようにできてるんだか」

 前方から、大学生っぽい奴等が3人、アホ面で談笑しながら歩いてくる。

 全員一丁前に髪を染めていて、ピアスまで付けてる。

 一言で言い表わすなら、チャラい。

 どう見ても馬鹿そうだ。

 どうせどっかで迷惑行為でもしてるんだろ。

 ファミレスとかの通路で変なダンス動画撮ってそう。

 僕はすれ違いざまに、そいつらのうち1人の足を蹴飛ばした。

「痛っ!」

 そいつは大袈裟に声を上げる。

 無駄に声がデカい。

 そんな痛くないだろに。

 僕はこのまま立ち去ろうとする。

「おい待てよ」

 そいつは僕の腕を掴んで止めた。

「人を蹴っといて謝罪も無しかよ」

 なんだよこれくらいで。

 馬鹿な奴って心が狭いなぁ。

 まぁでも、丁度いいや。

「バ〜〜カ!」

 僕は無理矢理手を振り解いて、駆け出した。

 そのまま近くの路地裏へ入る。

「あっ!おい待て!」

「あのガキヤバすぎだろ」

「ムカついてきたわ」

 奴らは馬鹿正直に追いかけてきた。

 路地裏の先は行き止まり。

 当然逃げられない。

 僕はそいつらを待っていた。

「何なんだよお前」

「てかこの時間にガキが何してんだ?警察行くか?」

 奴等なりに脅迫してるつもりなんだろうが、追い詰めてるのは僕の方なんだよなぁ。

 建物の上で、影が傾く。

 その影は、アホ大学生達の元へと落ちた。




 数秒後、アホ共はヴォルフによって制圧された。

 コイツは見えないところで、僕を見守っている。

 それで僕に危害を加えようとした奴を、こうやってボコってくれるんだ。

 アホ共は地面に横になって、呻き声を出している。

 無様だなぁ。

 ダメだよ。喧嘩売る相手は選ばなきゃ。

 よく見たら、腕が折れてる奴が居るなぁ。

 僕はそいつの腕を、グリグリと踏む。

「ぎゃぁああああああああアアアアア___!!!!」

 そいつは馬鹿でかい悲鳴を上げた。

「うるさっ」

 仕方ないから、僕は足をどかしてやる。

 大袈裟だなぁ。

 これなら姫路さんの方がまだ落ち着きあるな。

 もっと痛めつけてみたいけど、あんまりやったらあのガキ共が来るからなぁ。

 ポイントもそれなりに稼げたし、そろそろずらかるか。

 その前に、僕はそいつらをのポケットを探る。

 やっぱ財布入ってるよな。

 しかも3人揃ってズボンの尻ポケットに入れてやがんの。

 やっぱり馬鹿の思考って似るんだな。

「とりあえずこれで許してやるよ。まっ、人生の勉強代ってことでw」

 僕は財布3つをポケットに仕舞った。

 どうせコイツらの金の使い道なんて、くだらないだろう。

 僕が有効に使ってやるよ。

 そうして僕は立ち去ろうとした。

「……あ?」

 このまま路地裏を出る筈だった。

 だが目の前に、1人の女子が立っていた。

 おそらく同年代だろう。

 短めのツインテールで、髪の毛の先端が白っぽい。

 ツートンカラーってやつか。

 ピンクを基調とした地雷系のファッションに、缶バッジやアクセサリーまみれのリュックを背負っている。

 そんな奴の目は何故か潤んでいて、頬は紅潮していた。

「やばぁ…。これ、推せる…!」

 そいつは搾り出すように言った。

 推せる…?

 コイツ、何が言いたいんだ。

「何だよお前?」

 僕は奴にそう問う。

 するとそいつはパタパタと走り、一気に距離を詰めてきた。

 顔が近過ぎる…。

 こうして見ると顔は悪くないが、興奮しているのか、鼻息が凄い。

「何なんだよお前!?」

 僕はつい怒鳴ってしまう。

 するとそいつは、ぶりっ子丸出しのテンションで答えた。

「はじめましてぇ!影内かげうち希羽琉のわると申します!ノワルを仲間に入れてください!」




 僕は家に帰らず、アジトへ戻った。

 夜に来るのは初めてだけど、暗いな。

 そりゃそうか。照明なんて無いんだから。

 僕はスマホの照明機能を点けて、テーブルに置いた。

 すると、同じく光を放つスマホがもう1つ置かれる。

 それを置いたのは、ここまで付いてきた地雷系女だ。

 影内…ノワルといったか…。

 ノワル…。

 本名なのか?

 漢字でどう書くんだ?

 ていうか、メチャクチャキラキラネームだな。

 コイツの親馬鹿なんだろうなぁ。

「まぁいいや。座れよ」

「はぁ〜〜い」

 スマホの光の明度なんてたかが知れてる。

 だが、顔を合わせて話すくらいの明かりはある。

 とりあえず僕は、影内をソファに座らせた。

 僕も隣に座る。

 向かい側、机の向こうには、ヴォルフが無言で立つ。

 その視線は、影内へ向けられていた。

 突然距離を詰めてきたこの地雷女に、ヴォルフも警戒しているのだろう。

 とにかく尋問だ。

 コイツの思惑を確かめる必要がある。

 何にしても、さっきの場面を見られたなら、放置しておく訳にはいかない。

「お前、影内って言ったな」

「は〜い!影内希羽琉で〜す!影内は可愛くないから〜、ノワルって呼んで欲しいな〜」

「……影内、お前は___」

「ノ・ワ・ル〜〜〜!」

 やり辛いなコイツ…。

「……ノワル、お前は何者だ?」

「何者って〜?ノワルはノワルだけど〜?」

「素性を言え。素性を」

「素性〜〜?」

 ノワルはわざとらしく考えるような仕草を見せ、そして早口で捲し立てた。

「影内希羽琉14歳!松原中学2年生!ちなみに不登校!好きな食べ物は金平糖!嫌いな食べ物は魚!好きなものは〜、幸せそうな奴等が崩壊する光景!現在毒親と喧嘩して家出中で〜す!」

 ノワルは最後に軽い敬礼みたいなポーズで、ビシッと決めた。

 訊いた手前だが、これはこれで意味が解らない。

 何なんだよコイツは…。

 不登校…。崩壊…。家出…。

 メチャクチャ面倒くさいじゃないか。

「……僕の仲間に入れてほしいと言ったな。何が目的だ?」

「……さっきも言ったけど〜、ノワル、幸せそうな奴等が崩壊するところを見るの、好きなんだよね〜」

 ノワルは急に悪辣な笑みを浮かべる。

「あなたも好きでしょ〜?」

「お前と一緒にするな。僕は馬鹿が嫌いなだけだ」

「それそれぇ」

 ノワルは僕を茶化すように、両手の人差し指で僕を付いた。

「ノワルもね、馬鹿で軽率でぇ、好き放題する奴が嫌いなの〜。そういう奴等って〜、謎にノワル達より幸せそうじゃん。おかしいよね〜、そんなの。そういう奴等、皆滅べばいいんだよ」

 また早口で捲し立てる。

 コイツ、見た目は馬鹿っぽいのに、とても馬鹿には見えない。

 腹の中に、底知れない狂気のようなものを感じる。

 だが、馬鹿は幸せそう。

 そこに関しては共感できた。

「……言いたいことは解った。で?お前何ができるの?」

「う〜〜ん。そう言われると難しいなぁ。そこの狼さんを操れるような力があればいいんだけど〜…」

 ノワルはチラッと僕の方を見た。

 なるほど。

 役に立ってみせるから、戦える力をくれってか。

 仮に何か特別な個性を持っていたとして、所詮は一般人。

 神のから授かったコンパクトで変身するあいつらには対抗できない。

「お前にやれる力なんて無い。僕の力だって貰い物だ」

「そうなの?」

「この街の守り神の宝石に、悪神の闇の力をミックスして、このスマホに流し込んだ。それで『トコヤミ』っていうアプリ型の力を手に入れた。力が欲しけりゃムシバミに言ってみろ」

「むしばみ…?」

「呼んだかァ?」

 ソファの後ろから、ムシバミが顔を出した。

 奴はそのまま大入道のように伸び、上からノワルを見下ろした。

 最もコイツの顔に、目なんて確認できないんだが

「きゃっ!!何これ!?」

「神であるこの俺を“これ”呼ばわりか。肝が据わったガキだなァ」

 ムシバミはケラケラと面白そうに笑う。

 コイツ、神感無いんだよな。

 どちらかというと妖怪だろ“これ”。

「力が欲しいって話だったなァ。やなこった。俺はコイツの成り上がりを見てェ。お前には興味ねェ」

 ムシバミは僕を指差し、ノワルの願いを跳ね除けた。

「そんなァ!そこをなんとか〜〜〜!」

「欲しけりゃ奪っちまえばいいだろォ?なァ?」

「……そうだな」

 奪う…か。

 あいつらが変身時に使うコンパクト。

 それでコイツも変身できるなら、利用価値はある。

「奪う?どういうこと?」

 何も解っていないノワルに、僕は一から説明してやった。

 面倒くさかったが、奴は僕が置かれてる状況をどうにか理解した。

「へぇ〜。そんな偽善者の集まりみたいなのが居るんだ。良い子ちゃん気取り?キモ〜い」

「腹立たしいが、奴らは強い。どうにかして戦力を削りたいところだが、何をするにもポイントが要る」

「そのポイントって何なの?」

「僕が『トコヤミ』を使うために必要な力みたいなものだ。このヴォルフみたいな眷属を作るにもポイントが要る。高レベルの奴程、必要ポイント数が高くなる。まぁ、今のところLv.10までしか作れないんだけどな」

 だがLv.10の眷属でも、奴らは突破してしまう。

 だからLv.10より上の眷属を作ろうとしているのだが、機能の問題なのか、作れない。

 10より上を作ろうとすると、『これより上のレベルの眷属は作れません』と表示される。

 何なら眷属にできるものにも限りがあるんだよな。

 その辺を歩いてるアリやダンゴムシを眷属にしようとしてみたけど、無理だったし。

 マジでLv.10までなのか?

 そいつらで軍団作って、数で押すしかないのか?

 そう思っていると、ノワルが口を開いた。

「ねぇ、その『トコヤミ』って、眷属を作ることしかできないの?」

「は?いや、『強化』と『融合』っていうのがある。『強化』は僕自身を強くするもので、『融合』は眷属同士を掛け合わせてより強い眷属を作れる」

 そう説明したものの、僕はこの2つの機能を使ったことがない。

 『強化』は使う意味が無いと思っていた。

 僕のレベルが上がるより、強い眷属を作った方が安く済むと思ったから。

 『融合』は試す前に眷属が倒されるから、未だに使えてない。

 使ったところで意味が無いと思っていた機能。

 だが、ノワルがそのうちの1つ『強化』に興味を持った。

「ねぇ、その『強化』っていうの、やってみない〜?」

「そうは言うけど、結構ポイント使うんだぞ?Lv.2になるのに100pも要るし、それだけあればLv.10の眷属作った方が有意義だ」

「でもその眷属ってぇ、Lv.10までしか作れないんでしょう〜?」

「さっきそう言っただろ。ちゃんと聞いとけよ」

「それって…え〜っと、あなた名前なんだっけ?」

 どこで訊いてんだよ。

 確かにまだ名乗ってないけど。

「或斗だ。黒部或斗」

「或斗!?カッコいい!オシャレ〜!」

「そっ…そうか?」

 ノワルの奴、大袈裟に褒めてくる。

 まぁ、悪い気はしないが。

「ねぇねぇ、“あるピ”って呼んでいい?」

「何だよそれ!?『ピ』ってなんだよ『ピ』って!」

「いいじゃん可愛いし。これからそう呼んでくね」

「ダメだ」

「やだっ!呼ぶ〜!」

 否定したが、何故かノワルは譲らない。

 さっき僕の名前をカッコいいって言ってたのに、可愛くするってどういうことだよ。

 コイツはこれっぽっちも譲る気は無いらしい。

 まぁいいや。ひとまず放置だ。

 話が進まない。

「…おい、話が脱線してるぞ」

「あっ、そうだった〜。なんだっけ?」

「僕がLv.10までの眷属しか作れないって話だ。それに対して何かあるんだろ?」

「そうだ!それそれ〜!その話!」

 お前から言い出したんだろうが。

 脳みそニワトリかよ。

「10レベしか作れないのって〜、あるピのレベルが足りないからじゃない??」

「は?」

 何が言いたいんだコイツ。

「僕が弱いとでも言いたいのか?」

「いやいや!あるピは凄いよ?こんな強い狼さんを従えてるんだから!でもさぁ、まだ1回も強化してないんでしょう?伸びしろしかないのに、もったいなくな〜い??」

「むっ…!」

 コイツ、地味に正論言いやがって。

「ノワルの想像なんだけど〜、眷属のレベルの上限って、あるピのレベルと関係あるんじゃない?あるピがレベルアップしたら上限も増えるみたいな〜?だって眷属よりもポイント必要なの不自然じゃん。ゲームでもそういうのあるよ〜?」

「………!」

 まさか、そういうことなのか?

 使う意味が無いと思っていた『強化』。

 実はこれが一番重要だったということか。

 そういうことだったら…。

「ムシバミ!!」

 コイツを問いただす必要がある。

「どうした或斗ォ?そんなにブチギレてよォ。カルシウム不足かァ?」

「僕のレベルが上がったら、作る眷属のレベルの上限も上がるのか!?」

「その通り。や〜っと気づいたァ。ノワルに感謝だなァ」

 ムシバミは僕を馬鹿にするように鼻で笑った。

 コイツの鼻なんて見当たらないが…。

「それを早く言えよ!」

「怒るなよォ。天才で有能で聡明なお前だったらすぐ気づくと思ったんだがなァ。まぁ気づかなくても、もう少ししたら教えてやろうと思ってたんだぜェ?」

 コイツ…。

 悪びれもなく抜け抜けと…。

「ほら〜!ムシムシもそう言ってることだし〜、レベルアップしちゃおうよ〜!」

「はぁ……。そうだな」

 ノワルに言われ、僕は『トコヤミ』を起動させる。

 ていうかコイツ、神にもあだ名付けるか。

 無駄に肝据わってるな。

 まぁいい。とにかくレベルアップだ。

 現在のポイントは650。

 僕は100pを支払い、『強化する』をタップした。

「ッ!?」

 すると、僕の周りに黒い煙が現れた。

 煙は僕を中心に回ると、ブワッと音を立てて霧散した。

 すると、スマホから場違いなファンファーレが流れる。

 画面には、『強化完了 Lv.1→Lv.2』というメッセージと共に、『身体能力アップ』『眷属作成レベル上限アップ Lv.10→Lv.11』『ダークボール習得』の3つが表示されていた。

「すご〜〜!何今の煙!ホントに強くなっちゃった!?」

「ちょっと黙れ」

 実感湧かないが、これで僕はLv.2か。

 眷属作成のレベルの上限も、1つ上がっただけ。

 思ったより上がらないな…。

 それより、気になる表示がある。

 『身体能力アップ』。

 これ、僕自身の戦闘力も上がるってことか。

 そんなに強くなった感じはしないが、もっとレベルが上がれば、僕自身があいつらとやり合えるようになるってことか。

 そして、『ダークボール』。

 何だこれは…。

「ッ…!?」

 そう思った瞬間、何かが脳内に流れ出てきた。

 黒色の禍々しい球を、手から放つイメージ。

 もしかして、これがダークボールか。

 なるほど。そうやるのか。

 僕は何もない方向に、右掌を翳す。

 すると、手の中心に真っ黒の球が現れる。

 これがダークボールか。

 ボールは2秒くらいかけて大きくなる。

 そしてサッカーボールくらいのサイズになったところで、一気に放った。

 もの凄い勢いで、ダークボールが飛んでいく。

 そして奥の壁にぶち当たり、爆発を起こした。

「……」

 自分でやっといてなんだが、僕は呆気に取られる。

 凄いな。

 これだけでも十分戦えるんじゃないのか。

「すご〜〜い!あるピカッコいい〜!」

 ノワルが能天気に喜びながら、抱きついてきた。

 僕は奴を振り払う。

 まさかこんな力が手に入るとは…。

 どうしてここまで試さずにいたんだ。

 こんな凄い力が手に入るんだったら、もっとレベルを上げるべきだ。

 僕は再び『強化』を開いた。

 『自身を強化しますか?』という質問文に、『Lv.2→Lv.3』の表記と、『強化する』のボタン。

 だが、『強化する』の下に表示されていたのは、『200p使用』の文字。

 なるほどな。

 レベルアップする度に要求されるポイントも増えるのか。

 単純に考えて100ずつ増えるのか。

 だとしたら、今のポイント数では最大でLv.4までか。

 技や能力、戦闘方法の相性もあるだろうが、あいつらにはもうLv.10の眷属では勝てない。

 僕がLv.4になれば、眷属作成で作れるのはLv.13まで。

 それで互角っていったところか。

 いや、互角じゃダメだ。確実に勝てるようにならないと。

 僕が思考を巡らせていると、ノワルがまた絡んできた。

「ねぇなに悩んでるの〜?もっと強くなろうよ〜」

「うるさいな。何をするにもポイントが必要なんだよ。それが無きゃ強くもなれないし、眷属も作れない」

「なんかお金みたい。ていうかポイントって〜、どうやって稼ぐの?」

「馬鹿共を恐怖のどん底に落としてやればいい。奴らをボコす程ポイントが溜まっていく」

「へぇ〜〜。そういう感じか〜〜〜」

 ノワルはそう呟きつつ、天井を見上げる。

 すると何かを思いついたのか、目が輝いた。

「いいこと考えた〜!」

「は?」

 ノワルは僕に顔を近づけてきた。

 こうして見ると、コイツ顔は悪くないな。

 姫路さんには劣るけど。

「思いついちゃった〜。簡単にポイントをいっぱい稼げる方法〜」

「なんだよそれ」

 ノワルはその方法を、僕に伝えた。

 それを聞いた途端、思わず口角が上がった。

 コイツ、天才だ。

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