#20 雨天/晴天
Side:Yuki
私が駆けつけた頃には、穂香ちゃんはボロボロだった。
ずぶ濡れで、泥だらけで、何箇所も殴られた痕がある。
相手は黒部君と、強そうな怪人が3人。
穂香ちゃんは学校の皆を守るために、たった1人で戦ったんだ。
「由希!来ちゃダメ!逃げて!」
穂香ちゃんが鬼気迫る表情で叫ぶ。
あんなに傷ついているのに、私の心配なんて…。
だけど、このままじゃ穂香ちゃんが…。
逃げる訳にはいかない。
「誰かと思えば姫路さんか〜。よくここに来れたね。褒めてあげるよ」
余裕に満ちた雰囲気で、黒部君がこっちに近付いてくる。
「ッ…!」
体にサーッと悪寒が走った。
思わず後ろに下がろうとしてしまう。
だけど、ギリギリで踏ん張った。
急に汗が流れてきて、心臓の鼓動が速くなっているのが解る。
気づいたら、黒部君が目の前まで来ていた。
「ほら、どうしたの姫路さん?僕は目の前に居るよ。倒すチャンスだよ〜?」
黒部君が挑発してくる。
私の体が、小刻みに震え始めた。
少し、目眩に近いような感覚に陥る。
怖い。
私はやっぱり、黒部君が怖いんだ。
「くっ!」
ダメだ。戦わなきゃ。
穂香ちゃんを助けなきゃ。
私は震える手でコンパクトを取り出す。
そして、中のムーンストーンに触れた。
これで変身できる。戦える。
……筈だった。
「……えっ?」
ムーンストーンに触れれば白い光に包まれて、あの姿に変身できる。
変身できる筈…。
なのに、光も何も出ない。
何も起こらなかった。
「えっ!?なんで!?なんで変身できないの!?」
私は何度もムーンストーンに手を当てる。
だけど、何も変わらない。
なんで?どうして?
「ハハハハハ!何やってんの姫路さん!?わざわざ駆けつけてきて変身できないとか、ホント何しに来たの!?」
私の必死な姿を見て、黒部君が笑う。
「……もしかしてきみ達さぁ、僕にビビってたら変身できないとか?」
「ッ!!」
黒部君に言われて、私はルルちゃんに言われたことを思い出した。
私達が変身した姿は、神様に作られたもの。
その原動力は、気持ちの強さ。
気持ちを強く持たないと、すぐに変身が解けてしまう。
黒部君を怖がってる私じゃ、そもそも変身すらできないってこと…?
「変身できないんじゃ…どうやって………」
変身できなきゃ、まともに戦えない。
お願い。力を貸して。
だけどムーンストーンは、何も応えてくれない。
この時私は、コンパクト以外何も見えなくなっていた。
「ねぇ、なに僕を無視してんの?」
黒部君が不機嫌そうに呟く。
私は顔を上げる。
そのタイミングで、お腹に衝撃が走った。
「うあ”っ!」
黒部君にお腹を蹴られた。
私は後ろに倒れ込む。
コンパクトが、手から零れ落ちた。
「あっ____!」
これが無いと戦えない。
拾わなきゃ。
私は急いで手を伸ばす。
だけどその手を、黒部君に踏んづけられた。
「う”っ…あ”ぁ”あ”あ”!!!」
「ホント、無様だねぇ。人気者で皆の中心に居るきみがビクビク震えて。ネズミみたいだ」
ねっとりした声で、黒部君が私を小馬鹿にする。
そしてコンパクトを、先に拾われてしまった。
「返して!」
「そう言われて返すと思ってるの?本当馬鹿だねw僕に懲りずに挑んできて、結局変身できないとかwマジで何がしたいの?」
黒部君はコンパクトを見せびらかすように振る。
私は必死に手を伸ばす。
だけどその隙に、黒部君に蹴り飛ばされてしまった。
私は渡り廊下から投げ出され、地面を転がる。
「あぐっ!ゲホッゲホッ!」
咳き込む私の体に、容赦なく雨が降り注ぐ。
こんなので音を上げてられない。
私は震えながらも、立ち上がろうとする。
その時、私に影が覆い被さる。
もう黒部君が、目の前に近づいていた。
私の顔目掛けて、黒部君の靴先が迫る。
「ヒッ!!」
私は両目を瞑り、短い悲鳴を上げる。
蹴られる。
…そう思ったのに、いつまでも何も起こらない。
私は恐る恐る目を開けた。
“ドッ_______!!”
その瞬間、私の顔に靴先がぶつかった。
「がっ___!!」
一瞬だけ、火花のようなものが見えた。
私は仰向けに転がる。
そうしたら今度は、胸を思いっ切り踏まれた。
「ガハァ________!!!」
呼吸が一瞬止まる。
胸の辺りから、“ミシッ”っと、嫌な音が鳴る。
「ヒヒッwホント弱いね姫路さんw頭が弱くて雑魚なのに、僕に喧嘩売りに来たんだ〜」
黒部君が足をグリグリと動かす。
動かされる度に、胸が鈍く痛む。
痛い。
このまま潰れちゃいそう。
「黒部ぇえええええエエエエエエエエエエ!!!!!」
その時、穂香ちゃんの怒号が響いた。
怒りに満ちた表情で、黒部君に襲い掛かる。
だけど、その前に怪人達が立ち塞がった。
狼の怪人が、穂香ちゃんの顔面を蹴る。
「ィギッ!!」
穂香ちゃんが地面を転がった。
それでも諦めずに、起き上がろうとする。
だけどその上に、給水機の怪人が跳んできた。
そしてその勢いのまま、お尻で穂香ちゃんの背中に着地する。
「うっ…あぁああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
穂香ちゃんが血を吐きながら、悲痛の叫びを上げる。
私でも解る。今の、ダメだ。
あんなの、背中の骨が折れてたっておかしくない。
給水機の怪人が、穂香ちゃんから離れる。
すると今度は、泥の怪人が穂香ちゃんに近づく。
ぐったりしている穂香ちゃんを無理矢理立たせて、身体に纏わりつく。
泥に縛られた穂香ちゃんは、目を見開いて、呼吸を荒げていた。
咳き込みながら、血を吐き続けている。
ダメだ。これ以上はダメ。
穂香ちゃんが死んじゃう…。
「ほんと馬鹿ばっかだな〜。女子って皆こうなの?」
黒部君が呆れたように言う。
「ていうかお前と姫路さんってどういう関係?お前姫路さんのこと嫌いなんじゃないの?なんでそんなキレてんだよ?まぁ確かに姫路さんってお気楽で馬鹿なところあるけど____」
「うるさい!!」
その時、穂香ちゃんが黒部君の話を遮った。
相当無理したみたいで、激しく咳き込んだ。
とても苦しい筈。
それでも、穂香ちゃんは喋り続ける。
「ゲホッゴホッ…!……嫌いな訳、ない。由希は、明るくて…友達思いで……こんな最低な私にも、未だに話しかけてくれる…。優しい子なんだ…。由希のこと何も解ってないくせに、馬鹿にすんな!!」
ズタボロの身体で、そう吐き出す。
穂香ちゃんが、怒ってる。
私の、ために……。
「おい、なに話遮ってんだよ」
黒部君が声を低くする。
話を遮られたのが、気に入らなかったみたい…。
「人の話は最後まで聞けって親に教わらなかったか?僕は無礼な奴は嫌いなんだよ。思い知らせてやる。ヴォルフ、ズタズタに引き裂いてやれ!」
黒部君が命令すると、狼の怪人が穂香ちゃんの前に立つ。
狼怪人の爪が伸びてくる。
穂香ちゃんの目に、緊張の色が浮かぶ。
……私は、何やってるんだろう。
穂香ちゃんを助ける筈だったのに、何の役にも立ってない。
私が怖がってるから。
黒部君が、怖いから…。
「……怖い?」
私は無意識に、そう呟いた。
この期に及んで、私は何を怖がってるんだろう。
友達が痛めつけられてるのに、怖がってる場合じゃないでしょう。
怖いのは、穂香ちゃんも一緒だ。
それでも穂香ちゃんは、誰かのために戦ってる。
馬鹿にされた私のために、怒ってる。
私はこのままでいいの?
このまま、寝てるだけでいいの?
いや、いい訳ない。
立て。しっかりしろ、私。
恐怖なんか、吹っ飛ばしちゃえ。
「ぅ…うぅ…!」
震える体に鞭打って、私は立ち上がる。
霞む視線の先にいるのは、黒部君だ。
「うっ…あぁあああああ!!」
私は黒部君に飛び掛かった。
「んなっ!?」
不意を突かれた黒部君が、拍子の抜けた声を上げる。
私達は、すぐにもみくちゃになった。
だけど、男の子に力じゃ勝てない。
私はすぐに突き飛ばされた。
「何なんだ急に……ッ!!」
黒部君が驚きの声を上げた。
これでよかった。
私の手には、ムーンストーンのコンパクト。
最初からこれを狙ってたんだ。
「私が、穂香ちゃんを守る……」
「はっ…はは。取り返したところで、どうせ変身できないだろ!?」
「今だけでもいい。穂香ちゃんを助けられるなら、私はどうなったって構わない」
「えっ?変身できないよね……?」
「ムーンストーン……力を貸して!」
コンパクトを開いて、ムーンストーンに触れる。
その瞬間、私は白い光に包まれた。
ムーンストーンが、応えてくれた…。
光が晴れる。
白い髪に、白い衣装…。
私は変身を、成功させた。
「くっ……!」
苦虫を潰したような表情で、黒部君が後退る。
「由希……」
穂香ちゃんが息を呑む。
吹っ切れて、気を持ち直したからかな…。
なんだか、力が湧いてくる。
私の周りに、白い光の玉が現れた。
この光の玉をどうやって使うのか、どう戦えばいいのか…。
それらの方法が、自然と頭の中に入ってくる。
これが、この姿の…本当の力?
「由希!行けるル!」
「ルルちゃん?」
後ろから、ルルちゃんが飛んできた。
「危ないから待ってて」って、言っておいたのに…。
でも、来てくれてよかったかもしれない。
より心強くなった。
「由希、初めて変身した時よりも力が溢れてル!今なら神器も出せるル!」
「神器?」
「変身したら、専用の武器を出せるようになるル!それが神器だル!試しに手を翳してみるル!」
「うっ…うん」
ルルちゃんに言われた通り、私は右手を翳す。
武器とかはよく解らないけど、できるだけ強そうなのが欲しい。
すると目の前に白い光が現れて、細長い形に変わる。
そして光が晴れると、そこにあったのは1本の剣だった。
鍔に羽根が携えられた、純白の細い剣。
これが、私の神器…。
私はそれを手に取った。
軽い。
これなら私でも使えそうだ。
「……穂香ちゃん、今助けるから」
私は剣を構える。
光の玉が、周囲を漂う。
黒部君は怪人達の後ろまで下がっていた。
「おっ…お前ら!やっちまえ!」
黒部君の号令で、怪人達が攻撃の態勢に入る。
給水機怪人が前に出てきた。
噴出口を、私に向けてくる。
何か飛んできそう。
私が注目したのは、1個の光の玉。
その玉は私の思い通りに動いてくれた。
給水機怪人が、水を噴出してくる。
それに呼応して、光の玉から白くて鋭い光線が発射される。
光線は水を破って突き抜ける。
そして、給水機怪人の頭?みたいなところに命中した。
給水機怪人がたまらず尻餅を付いた。
今ので噴出口が壊れていた。
「くそっ!ヴォルフ!」
今度は狼怪人が迫ってきた。
私は残った光の玉からも、光線を発射させる。
だけど、速い…。
狼怪人は素早く動いて光線を躱していく。
「……!」
私は剣を持つ手に力を籠めた。
行くしかない。
狼怪人はもう目の前。
私も前に出た。
剣と爪。正面から斬り合う。
やっぱり速い。
私は爪で、何度も引っ掻かれる。
衣装が破れて、皮膚が裂かれていく。
焼けるような痛み…。
だけどこれくらい、穂香ちゃんが受けた痛みに比べたら……。
「はぁああああああああ______!!」
私は叫びながら、剣を振りまくる。
するとそのうちの一刀が、狼怪人に当たった。
手応えは、あった。
狼怪人が後ろに跳んで下がる。
距離ができた。だったら……。
私は光の玉を前に集める。
そして一斉に光線を放った。
「うわぁああああああああああ!!!」
黒部君が悲鳴を上げて、地面に伏せる。
狼怪人は素早い身のこなしで避けて、校舎の陰に隠れた。
「なっ…何なんだこれ〜〜〜」
穂香ちゃんが捕まってるから撃てないけど、泥怪人もパニックになっている。
当の穂香ちゃんも、唖然としていた。
結局光線が当たったのは、給水機怪人だけ。
たくさんの光線が、給水機怪人の体を削った。
“ベチャッ……”
四角い金属の体が、地面に倒れる。
するとすぐに、給水機怪人から黒い煙が湧き出てきた。
改めて見て解ったけど、給水機怪人の体が黒い煙に変わってるんだ。
それは空に向かって上がっていく。
給水機怪人の体も、だんだん無くなっていく。
そして煙が上がり切ると、給水機怪人の体はどこにも無くなっていた。
まずは1人。
私は剣を構え直した。
「くそっ!ヴォルフ、何やってんだ!やっちまえ!泥田坊も!クソ女はもういいから戦え!」
「へっ…へいぃ……」
黒部君はもう、メチャクチャになってる。
命令されてすぐに、狼怪人が校舎の陰から出てきた。
泥怪人は戸惑いながらも、穂香ちゃんを地面に落とした。
「くっ…ゲホッオエッ!」
泥水が口に入ったみたい。
穂香ちゃんが咳き込んだ。
弱々しく呼吸をしながら、私を見つめている。
こんなになってもまだ変身を保っている。心が折れてないんだ
穂香ちゃんは強いな…。
私は……ふと空を見上げた。
雨粒が私の顔に、容赦なく降り注ぐ。
ちょっと、戦いにくいな…。
ふとそんなことを思う。
せめて、雨が上がっていたら…。
いや、できる。
今の私なら、雨を止ませることができる。
何だか解らないけど、そんな確証があった。
私は頭上に光の玉を全部集める。
そして、一気に光線を発射させた。
“キィイイイイイイイイイ_________ン!!!”
細い光が束になって、一つの太い塊になる。
光線は一瞬で空まで上がって、ねずみ色の雲を貫いた。
まるで光線から逃げるかのように、雨雲が離れていく。
見えてきたのは、青い空。
隠れていた太陽が、私達を照らした。
「なん…だと……!?」
黒部君が空を見上げて、絶句している。
もう雨粒は当たらないし、明るくて見やすい。
これで戦いやすくなった。
「黒部君!もう負けないから!」
私は剣の切っ先を黒部君に向けた。
「くっそぉ…!ヴォルフ!!」
黒部君が怒鳴ると同時に、狼怪人が襲い掛かってきた。
速いけど、さっきより見やすい。
私は爪の連続攻撃を防げるようになっていた。
そして反撃に2撃目を入れる。
そうしたら、狼怪人が後ろに跳んだ。
だけどダメージを受けたら距離を取るのは、もう解ってる。
着地のタイミングを見計らって、光の玉から光線を放つ。
それが狼怪人のお腹を貫いた。
「!!」
狼怪人がよろめく。
だけど、なんとか踏ん張ってる。
この怪人…打たれ強い……。
「おっ…ぉお……。あの女子、可愛いのに強いなぁ〜〜〜〜」
泥怪人は、ただ私を見ているだけだった。
どうしたらいいのか解らないみたいで、指を咥えている。
そんな泥怪人に、影が掛かる。
「ねぇ……どこ見てるの……?」
女の子の低い声が、耳を刺激する。
泥怪人が慌てて振り返った。
「ッ…!!オメ………!!」
泥怪人が絶句する。
目の前に立っていたのは、穂香ちゃんだった。
「穂香ちゃん!」
私は思わず声を上げた。
立てるのがおかしいくらいの傷なのに…。
「大丈夫……」
だけど穂香ちゃんは、私にそう言った。
声は小さかったけど、確かにそう言ったんだ。
「おっ…オオォオオオオオオオオオ!!!!」
その時、泥怪人の体が大きくなる。
いや、体って言うより、泥の壁…?
泥が穂香ちゃんを囲い込んだ。
「…」
そんな窮地にも関わらず、穂香ちゃんは無表情でそれを見ていた。
「オオオオオオオオオオオオオオ____!!!」
泥怪人は、なんでこんなに取り乱しているんだろう。
解らないけど、取り乱している。
泥怪人は奇声を発しながら、穂香ちゃんに迫る。
そして穂香ちゃんは、泥の中に呑み込まれた。
「穂香ちゃん!…ッ!!」
助けに向かおうとしたけど、狼怪人に邪魔される。
両手の爪を振り下ろしてくる。
私は剣で受け止めた。
お互いの力が拮抗してる。
押し切ろうにも、押し切れない。
このままじゃ、穂香ちゃんが窒息死しちゃう。
だったら…。
私は腰の位置に、光の玉を集めた。
「!!」
複数の光線が放たれる。
危険を察知した狼怪人が、後ろに跳んで躱した。
「うあっ!」
狼怪人が離れたことで、私は勢い余って前に転んだ。
「____ッ!穂香ちゃん!」
私は咄嗟に起き上がって、泥の山を見る。
「……へっ?」
ありえない光景に、つい間の抜けた声が出る。
泥の山は、うねうねと波打っていた。
さらに、内側からオレンジ色の光が見え隠れしていた。
「ぅ…ううぅうううううう____!!!」
泥怪人が、苦しそうに呻き声を上げる。
私は訳も解らず、その光景を見続ける。
すると…泥の山に次々と穴が空いて、そこから火が吹き出る。
そして山のてっぺんからも、勢いよく炎が噴き出した。
「うぐぉおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオ_______!!!!!」
泥怪人が絶叫する。
その体はもう、粉々になっていた。
体を形作っていた泥が、全部黒い煙に変わっていく。
相当たくさんの泥から作られたのだろう…。
いや…。泥怪人が自分で集めたのかな…。
何にせよ、煙の量が半端なかった。
“ビュオッ____!”
その時、煙が一気に払い除けられる。
中から出てきたのは、右手に日本刀を持った穂香ちゃんだった。
「穂香ちゃん!よかった!」
私は急いで駆け寄った。
「…大丈夫って、言ったでしょ?」
穂香ちゃんはそう言って、控えめに笑った。
「ぐっ…くそ!ヴォルフ!退くぞ!」
給水機怪人と泥怪人。
2人倒されたことで、不利だと思ったみたい。
狼怪人が、黒部君を抱きかかえた。
「あっ……」
狼怪人と黒部君は、その場から去る。
穂香ちゃんも居る。私は追いかけることはできなかった。




