表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/43

黒馬は走る

 最初の一撃を交わし損ねたのは、絶対に黒馬に気を取られていたせいだ。

 かわし損ねて私が生きているのは、馬が間抜けでは無かったからであろう。


 悪魔の馬は黒い疾風のような動きを見せ、なんと、私を確実に殺せそうな男を頭突きで跳ね飛ばしてしまったのである。


 跳ね飛ばされた男はその瞬間に蛙が潰れたような音を出しただけで、手近な木の幹にぶつかったまま動かなくなった。


「ありがとう。靴下丸。ミリア、あなたは靴下丸に乗ってしまって。乗れるでしょう。あなたならば。」


「あなたこそ乗れるでしょう。一緒に乗って、一緒に逃げましょうよ。」


「あら、そうね。それが一番だわ。」


 剣を鞘に戻すと、自分の腰帯に差して片付けた。

 それからミリアに向かい合うと、ミリアはにっこりと笑って返し、私達はお互いの両手をパチンと打ち合わせると、二人仲良く間抜けな馬の背にしがみついた。


 大柄な馬なため小柄な私達ではは登ることに手間取るかと思ったが、馬が私達の服を咥えては自分の鞍へと持ち上げてくれたので、意外とすんなりと上に乗ることができた。

 そして、私達を襲いに来た次なる敵は遅すぎた。

 現れたのは完全に馬に乗り上げたところで、その二人は手綱を持ったミリアによって馬に蹴とばされることを察知したか、悲鳴を上げるや飛び上がり、道から外れた森の中へと逃げ出すしかなかったのである。


「さぁ、逃げ切りましょう、王都まで。」


「この馬ならば、半日で王都ですね。」


「ふふ、そうね。飛ばすから、しっかり私に掴まっていてね。エンバーン。」


「あら。鞍に女座りしていないあなたが、馬を飛ばさないわけ無いでしょう。わかっているわよ。」


 女だてらに股を割って馬にまたがる私達は、男の様にワハハと声をあげると、手下となった間抜けな馬を駆って戦場から一目散に逃げだした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ