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【第2章開始】「お前を愛することはない」と言われたので、労働対価に食事を要求します(連載版)  作者: うり北 うりこ@8/1ざまされコミカライズ①発売
家族を得た私、領地のために頑張ります

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家族を得た私、森へ行きます④



「私、十八歳です!」

「そうだな」

「お酒飲めます!」

「でもなぁ、コレッティーナだしなぁ」


 ん? どういうこと?


「私だと駄目なんですか?」

「小さいだろ」


 ポンッと頭に手を乗せられる。


「……身長?」

「もあるが、何か嫌な予感がするんだよ。倒れそうっていうか……」

「私、元気です」


 ピシッっと手を上げて自己主張をする。


 毎日、たくさん食べて、たくさん寝ている。

 少なくとも、旦那様より健康的な生活をしてる私は、旦那様よりたくさん飲める……気がする!


「飲ませるのが嫌なのに、なんで第二王子にワインもらったんですか?」

「すぐに飲まなくてもいいし、いいワインだぞ。もらえるなら、もらうだろ?」


 たしかに!

 でも、私はお酒を飲めないといけないのだよ。


「果物のお酒をつくるのに、試飲は大事です!」

「ん? 酒をつくる?」

「はい。傷のついた果物をお酒にします」


 あれ? 旦那様、びっくりした顔してる。

 と思ったら、難しい顔しちゃった。


「それ、コレッティーナが試飲しないと駄目なのか?」

「はい」


 だって、試食も試飲もできないなんて、美味しいかわからない。

 ふんぬと鼻息荒く答えれば、旦那様は困ったように笑う。


「絶対に必要なんだな?」


 しっかりと大きく頷く。


「分かった。それじゃあ、俺の部屋に行こう。試しに一口だけ飲む……いや、舐めてみるか」

「やった!」


 そうじゃなくっちゃ。

 舐めるふりして、飲んじゃおう。

 私が飲めると証明してみせる!


「ギーツ、今日はもういいぞ。最近コレッティーナと森に行ってばかりだったろうし、少し休め」

「はい。ありがとうございます」


 旦那様の言葉に、妙にハキハキした声でギーツは答える。

 ものすごーくいい笑顔だ。


「ギーツ、普段はあんなにいい笑顔しません」

「そうだろうな」


 廊下を歩きながら思わずこぼせば、旦那様は肩を揺らして笑う。


「何でか、わかるんですか?」

「まぁな。でも、コレッティーナの気にすることじゃない。それがギーツの仕事だ」

「……そうですか」


 ギーツの仕事ということは、私の護衛関連かぁ。

 よく分からないけど、人を護るということは大変なんだろう。

 常に気を張ってると仮定すると、休みと聞いて気が抜けたり、笑顔になることも頷ける。


「私も、ギーツにお休みを言うようにします」

「出かける時は、駄目だぞ」

「大丈夫ですよ」

「駄目だ。ギーツか俺が一緒に行けない時は家だ」


 むぅ。これ、絶対に旦那様は譲らないやつだ。

 まぁ、森に行く以外お外に用事はないし、いいか。


「分かりました。雨の日をギーツの休みの日にします」

「……たまには晴れの日も休ませてやれ」


 旦那様がどこか遠い目をして言った。



 ***



 旦那様のお部屋につくと棚からワインを持って来てくれる。

 何というか、ビンからしてお高そうだ。


「ラベルもオシャレです」

「見た目も大事だからな。コレッティーナは、どんな酒をつくる予定なんだ? ブドウも取れるが、さほど量は作ってないぞ」

「あ、ブドウじゃなくても大丈夫です。甘いお酒をつくりたいので!」

「甘い酒?」


 首を傾げながら、旦那様はグラスにワインを注いでくれる。

 ワイングラスをくるくるするとか、大人って感じがする!


「旦那様、もう飲んでもいいですか?」

「駄目だ」

「え?」

「匂いをかいでからにしよう」


 おぉ! いきなり飲むんじゃなくて、匂いも楽しんでからってやつだ。

 本格的~♪


 それじゃ、くるくるしてっと……。


 ──くんくん。


「甘い匂いがします」

「そうだな」


 ちょっとアルコールくさいっていうのかな。

 あまり美味しそうな匂いではないけど、超高級ワイン! 美味しいはず!

 よし。もっと匂いを吸って……。


「んぁ? ふわふわします。ふふふふ…………」

「おい、コレッティーナ?」

「人のこと「おい」って言っちゃ駄目なんですよ? 知らないんですかー? あははははは」


 あー、楽しい。

 ふわふわとっても、気持ちいい。


「あ! 私のワイン! 返してください!」

「没収だ」

「どうしてですか? 旦那様ひどい……」

「匂いで酔うやつ、はじめて見たぞ……」


 呆れたように言われ、ぐさりと言葉が刺さった。


「酔ってなんか、ないのに……」


 うぅぅ……。急に悲しくなってきた。


「え゛⁉ な、泣いてるのか?」

「だって、ワイン……」

「いや、無理だって。あ、そうだ。飴なめるか?」


 上着の内ポケットから出して、ペロペロキャンディを渡してくれる。


「飴だけですか?」

「チョコもある! チョコもあるぞ!」

「あとは?」

「クッキーとケーキも用意させよう。な、だから泣くな」


 旦那様がわたわたしてる。

 ふふっ。変なの……。


「旦那様、可愛いです」

「可愛い?」

「はい。慌ててるの可愛いです」


 んー、頭がふらふらする。

 ソファにポテンと横になると、旦那様の方へとぐにぐに寄っていく。


「膝枕ー! かたいです」

「勝手に枕にして文句言うな!」

「ふふっ、怒ってる。旦那様、怒りんぼ…………」


 あ、瞼(まぶた)重い……。


「ちょっ! このまま寝るのか? コレッティーナ⁉」


 あったかくて、気持ちいい。

 あ、ワイン飲んでない…………や。


 

※日本では、20歳未満の飲酒が固く禁じられています。

※18歳から飲酒が可能なのは物語上の設定です。

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