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【第2章開始】「お前を愛することはない」と言われたので、労働対価に食事を要求します(連載版)  作者: うり北 うりこ@8/1ざまされコミカライズ①発売
家族を得た私、領地のために頑張ります

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家族を得た私、森へ行きます③


 おかしい。

 森に行ったのに、何も思い付かなかった。


 前に思い付いたジャム、ジュース、コンポート。それからドライフルーツに、ゼリー、フルーツティー。

 これが限界なのかな。


 いや、きっとまだあるはず!


「明日も森に行きます!!」


 そう宣言して、早一週間。毎日、森通いを続けたのに成果なし。


「今日は雨かぁ」


 さすがに雨の中、アンネとギーツを連れて行くわけには行かない。


「はぁぁぁぁ……」


 ミカナ先生、あなたの生徒として立派な淑女になると誓ったのに、リラックス方法がわかりません……。

 もう今日はグダグダ過ごしちゃおうかな。

 いやいや、淑女はグダグダしない!


 雨なのだから、今日は淑女を極めよう。

 淑女といったら、お茶会……。それと、夜会?

 そういえば、第二王子からもらったワイン、まだ飲んでなかったなぁ。


 って、まだ十八歳だからお酒は駄目か。

 でもなぁ、この国の成人は十八歳だし、お酒も解禁なんだよね。

 …………旦那様に聞いてみよう。旦那様がいいと言ったら、いいのだ。だって、この屋敷の法律は旦那様だ。


 王家所有のワイン。

 きっと、すさまじく魅惑の味なんだろうなぁ。


「ワインかぁ……。ん? ワイン?」


 あれ? この世界のお酒って、何があったっけ。


「ちょっ! 奥様、どこに行くんですか?」

「厨房です!!」

「はぁ!? いきなり行ったら、迷惑ですって──」

「大丈夫です。少しですから!」


 タッタカタッタカ走って行けば、もう隣をギーツが並走している。

 これは、ギーツで行った方が速いな。


「ギーツ、私の前を走ってください」

「え? どういうこと──」

「とりゃぁぁぁ!」

「うぉっ!!」


 ギーツの背中に飛び乗り成功!


「さぁ、ギーツ! 目指すは厨房です!」

「俺、馬じゃありませんからね!?」

「知ってます。ほら、もっと速く走ってください」


 おぉ、速い!!

 これからは、何かあった時はギーツに乗ろう。


「って、そっちは厨房じゃありませんよ」

「当たり前です。何をしでかすか分からない時は、旦那様です」


 ギーツタクシーに目的地を無断変更されたので、降りようとしているのに、足をガッチリ掴まれてて降りられない。


「んぎぎぎぎぎ……」

「諦めて連行されてください」


 あぁぁぁぁ……。厨房が遠ざかって行く。

 気分は市場へと売られていく子牛のまま、旦那様のいる執務室へとついた。



「旦那様! ギーツです。奥様を連れてきました」


 両手がふさがっているからか、ギーツは扉の前で大声を出す。

 すると、すぐにザールが扉を開けてくれる。


「何があったんです!?」

「分からんから、連れてきました」


 ギョッとした表情をしているザールの前を、私をおんぶしたままギーツは通り過ぎた。


「旦那様、お届けものです」

「荷物みたいに言わないでください! ──っ!?」

「あまりベタベタ触るなよ」


 ヒョイッと旦那様が私をギーツの背中から降ろしてくれ……たのではなく、抱っこされる。


「すみません。因みに、どう運べば?」

「……こうかな」


 軽々と位置を変えられ、小脇に抱えられた。


「で、何で運び込まれたんだ?」

「降ろしてください」


 無言のまま、旦那様が見下ろしてくる。


「降ろしてくださいっ!」

「……わかった」


 渋々といった感じに旦那様が私を降ろす。

 うむ。地面最高!


「何があった?」

「厨房に行こうとギーツに飛び乗ったら、ここに運ばれました!」

「何で飛び乗った?」

「ギーツの方が速いからです」


 ん? 何で、そんな残念なものを見る目をしてるの?


「いいか。人に飛び乗ってはいけない。まして、乗り物にしては駄目だ」

「速いのにですか?」

「そうだ」


 たしかに、ギーツに失礼だったかもしれない。


「ギーツ、ごめんなさい」

「あ、いえ。そんな……」

「脇に抱えてもらって、私が荷物になるならいいですか?」

「……それって、どうなんだ?」


 旦那様の眉間にグッとシワが寄る。


「人のことを乗り物扱いは駄目でも、自分のことを荷物にするならいいかなって思います」

「たしかに……」

「いやいやいや! ご婦人が脇に抱えられて運ばれるのが問題ですからね!?」

「「あぁ!!」」


 ギーツの言葉に、旦那様と声が重なった。


 仕方ない。自分で走るか。

 にしても、これから厨房かぁ。旦那様に聞いたほうが早いかな。


「旦那様、ワイン以外のお酒って何がありますか?」

「ん? あぁ、ウイスキーとビールがあるぞ」

「他は、何ありますか?」

「他? 酒といったら、ワインの赤と白。ウイスキー、ビールだろ」


 ほほぅ。つまり、甘いお酒はないと。

 これはチャンス……なんだけど、私がお酒を飲めるか問題があるな。

 試食、試飲のできないものは、ちょっとね。


「旦那様! 私、お酒飲めますか!?」

「……まだ早いんじゃないか?」


 頭の先から爪先まで見て、旦那様が言った。



 

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