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【第2章開始】「お前を愛することはない」と言われたので、労働対価に食事を要求します(連載版)  作者: うり北 うりこ@8/1ざまされコミカライズ①発売
家族を得た私、領地のために頑張ります

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家族を得た私、森へ行きます②


 ふぉぉぉお!


 あの実は何だろう? あ、あの花、食べれるかな?

 むむっ、あとであっちの葉っぱの根っこを回収しなくては!


 おっ! きのこだ! 茶色いし、美味しそう……じゃなくて、自重だよ、自重。


「ギーツ、アンネ! とりあえず、木に登ります」


 果物加工のヒントが木の上にあるかもしれない。

 もしかしたら、見下ろした景色にあるかも!


 スルリスルリと木を登っていく。


「奥様、しっかり足場を確認して登ってくださいね」

「落ちると思ったら、絶対に言ってください。ギーツをクッションにさせますから!」

「そこは受け止めるって言ってくれませんかね!?」

「コレッティーナ様にお怪我がなければ、どちらでもいいです。ほら、コレッティーナ様から目を離さないで!」


 木登りは得意なのに、二人とも心配性だなぁ。


 ──パキッ。


「「──っ!!」」


 この枝は駄目かな。んじゃ、もう少し太い枝をっと……。


「奥様、もっと慎重に!」

「そうですよ。ゆっくり進みましょう」

「大丈夫ですよー」


 ナビレート伯爵家に住むようになってから、体重も増えた。前よりも、私を支えられる木の枝は減ったのかも。

 どの程度まで平気か見ながら進まないとだ。


「ふぃー、思ったより時間かかったなぁ」


 これ以上は、木の枝が保たないから登れないだろう。

 木の上から見える景色は、木ばっかりだ。


 もっと高い木に登れば良かった……。

 えーっと、ここらで一番高そうな木は……。


「2時の方向か」


 スルスルと木を降りると、見つけておいた木へと向かう。


「今度はあっちの木に登ります」

「まだ登るんですか?」

「はい。まだヒントが見つかってません」


 んしょ、んしょ……。


「ふぃー! うん。さっきより大きい!! けど、何もヒントが見つからないなぁ。もっと大きい木がいいのかも。えーっと、更に大きい木は……」


 うーん。けっこう遠いな……。ここから歩くと数時間はかかるかも。


「ギーツー、アンネー。数時間、歩けそうですかー?」


 木の下に向かって叫ぶ。


「どこに行く気ですー?」

「もっと高い木に行きますー」


 そう言いながら、高い木のある方を指差す。


「コレッティーナ様ー、もしかしてその木に行くには、川を渡る必要がありますか?」


 んー、どれどれ。

 ……あっ!


「細い川が見えますっ!」

「そこに行くには、馬車で半日かかりますよー」


 アンネが大きな声で伝えてくれる。

 けど、半日ってどういうこと?

 よし。とりあえず、降りよう。

 でも、その前に……。


「木の実を落とすので、ちょっと避けててください」


 ふんふんふんふんっ!

 ゆっさゆっさと木を揺らす。


「いてててててててっ! ちょっ……、奥様っ!!」


 あ、ギーツが頭抱えてる。

 アンネは、日傘指してるや。


 ひょいひょいと木を降りて、二人のところに戻る。


「すみません。傘、お借りしました」

「いいですよ。好きに使ってください」

「いえ、こちらはコレッティーナ様の日除け防止用ですから」


 とは言ってくれてるけど、私、普通に日焼け……してないな。


「お帽子、ズレてますよ」

「ありがとうございます」


 アンネがつばの長い帽子を直してくれる。


「お怪我はないですね」

「はい。大丈夫です」

「……むしろ、怪我したの俺なんですけど」


 ん? ギーツ怪我したの? 何で?


「避けなかったんですか?」

「普通、木の実が降ってくるなんて思いませんよ」


 その言葉に、アンネを見る。


「アンネは、避けてました」

「えぇ、もちろんです。コレッティーナ様の侍女ですから」


 ……じゃあ、何でギーツは…………あっ!


「木を揺すってるから、私が落ちると思ったんですか?」

「それもありますけど……」

「なるほど。私、木登り歴十二年のベテランです。安心してください」


 よし。これで、ギーツの心労問題は解決っと。

 あとは──。


「どうして、大きな木まで馬車で半日もかかるんですか? 一直線に行けば、数時間で歩けると思います」

「川を渡るために、橋へ迂回しなければならないんですよ」

「泳いで渡ればいいのでは?」


 アンネが泳ぐの苦手なら、川の手前で少し待っててもらうのも手かもしれない。


「流れが速いので、泳いで渡るのは難しいかと。それに、川の向こうは危険です」

「どうしてですか?」

「クマやイノシシが出るからです」


 おぉ! ってことは……。


「お肉が入手できるんですね。ギーツは、弓を使えますか?」

「いえ。剣や槍はできますが、弓は難しいです」

「アンネは──」

「狩りませんよ」


 いや、まだ何も言ってないよ?


「コレッティーナ様、狩りませんからね」


 アンネから圧を感じる。

 これ、絶対に駄目なやつだ。


「分かりました。じゃあ、あの木は……」

「行けません。そもそも、どうして高い木にこだわるんですか?」

「高い木に登ると、アイデアを思いつくからです!!」

「では、高い木に登りましたが、思いつきましたか?」


 ……思いついてない。


「で、でも! もっと高い木に登れば!!」


 思いつくのか?

 あれ? そもそも、なんで高い木に登れば思いつくと思ったんだっけ?


「はっ! リラックスです。高い木にリラックスは関係ありませんでした」


 食べるとリラックスするから、この実たちを拾い集めて食べよう。


「リラックスですか?」

「はい。旦那様がリラックスすると案を思いつくって言ってました!」


 

■新作短編■

『「何もするな」と言われたので、引きこもり生活を開始します』を投稿しました。

 たぶん、カリウスも初手を間違えなければ、あういう夫婦になれていたことでしょう……。

 

 夫婦ラブコメです。

 そちらもよろしくお願いいたします。


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