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【第2章開始】「お前を愛することはない」と言われたので、労働対価に食事を要求します(連載版)  作者: うり北 うりこ@8/1ざまされコミカライズ①発売
家族を得た私、領地のために頑張ります

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家族を得た私、旦那様と一緒にいます②


 ***


 お茶を飲み終え、押し問答の末、旦那様を私のベッドへと連れ込んだ。


「旦那様はいい子だね〜♪ おやすみよ〜♫」


 旦那様の横に転がり、ぽんぽんと寝かしつける。

 が、旦那様が寝てくれない。


「おやすみころりん〜♫ すっとんっとんっ♫」

「──ぶふっ」

「寝てください。もう三十分は経ってます」


 ぽん、ぽん……。

 震える旦那様の胸を、手を休めることなく、ぽんぽんする。


「いや、だってな……」

「だってじゃないです。ねんねですよ。ねんね!」


 何て、寝つきの悪い!

 これは、世にいう不眠というヤツでは!?


「こんなに凝視されてたら寝れないって」

「……? 私、寝れますよ?」

「コレッティーナだからな……」


 ん? どういうこと?


「ふぁぁぁぁ……。私の方が眠くなってきちゃいました。私が寝ちゃう前に、頑張って寝てください」


 ぽんぽんしている手を止めて、その手で旦那様の目を(おお)う。


「目、開けてたら寝れません」

「そうだな」


 何だろう。

 そのちょっと諦めました。みたいな声は……。


「なぁ、コレッティーナ。話があるんだ」

「お昼寝が終わったら聞きます」

「……話さないと、眠れない」


 ──っ!

 そうか、悩みか!!


「聞きます!!」


 しっかり解決したら、安心して寝れるはず。

 と思ったんだけど……。


「悩みって、それですか?」

「悩みなんて言ってない。それに、大事な話だ」


 うーん。大事ねぇ……。

 ラビソン家(生家)のことは、もう私の中では終わった話なんだよなぁ。


「あの人たちがどうなろうと、どうでもいいと言いますか……」


 ラビソン家(生家)は没落。

 父は処刑。

 義母と義妹は不正に直接は関与していなかったので、貴族籍を剥奪(はくだつ)して、修道院に送る。

 と聞いても、そうなんだぁ……以外の感想はない。


「でも、旦那様の寝れない理由が生家だと思うと、憎いです」

「は?」

「だって、こんなに旦那様が寝れないんですよ!!」


 くそぅ……。忌々(いまいま)しい。

 こんなことなら、夜会で義母と義妹を毒殺しておけば良かった。

 根っこを使わなかったことが、悔やまれる。


「それと──」

「あの人たち、まだ何かしたんですか!?」

「いや、別件だ」


 むむむ。悩みの種が他にもあると……。


「ドーザー子爵家なのだが──」

「ドーザー? ……あぁ! ドリルですね」

「ん゛っ……、そう……だな。ドリルの家もこれから取り潰しとなる。もう二度と会うことはないから、安心しろ」


 へぇ。ドリル家も潰れるのか。


「手間暇かかりそうですね……。根っこ、使います? キノコもありかと」

「殺さないからな!!」

「大丈夫ですよ。私がやります」


 おや。旦那様、黙っちゃった。


「心配は無用です。遺書もしっかり作成しますから!」

「するなっ!」


 旦那様の目を覆っていた手がどけられる。


「法に(のっと)って、正式な手段で裁く。これは、決定事項だ」

「分かりました。寝てください」


 起き上がった旦那様の体を押す。

 やれやれ、これだから仕事人間は……。


「旦那様は、休むことを覚えた方がいいですよ。それで、悩みはまだありますか?」

「そもそも悩みじゃなくて、報告だ。コレッティーナも関係者だろ」

「そうですね。じゃ、何もなければ今度こそ、おやすみなさい。歌が駄目なら、本でも読みますか?」


 ん? 何で半目なの?


「仕方ありませんね。特別に、昔ばなしをしてあげます。むかーしむかし、あるところに──」

「なぁ、何で川に洗濯に行くんだ? 井戸の水を()めばいいだろ。それに、ご高齢の夫人が川に入るのは危険だ」

「……昔ばなしは、逆効果なのでやめます」


 まさかツッコミを入れられるとは、予想外だ。

 あと、寝るのに効果がありそうなものは……。


「ちょっとホットタオル作ってきます」

「ホットタオル?」

「はい。リラックスできますよ。絶対に起き上がったら、駄目ですからね」


 急いで部屋を出て、タオルをもらいに行く。

 ついでにマッサージもありかもしれない。

 旦那様の首とか肩、ガチガチそうだもんなぁ。


「旦那様、お待たせしまし……た?」


 ホットタオルを持って、ベッドへと戻れば、旦那様が寝息を立てている。


「えっと……、起こすといけないし、ホットタオルは私が使おうかな」


 これは、もしかして、もしかするかもしれない。

 旦那様、誰かと寝れないタイプの人なんじゃ!?


 そうか……。盲点だった。

 ということは、もう一緒に寝れない?

 いや、待てよ。お昼寝で慣らしていけば、どうにか……。

 それまでは、旦那様が寝たあとに忍び込めばいいかな。


 旦那様の隣に寝転んで、目を閉じる。

 気が付いたら、もうお昼ごはんの時間だった。




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