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【第2章開始】「お前を愛することはない」と言われたので、労働対価に食事を要求します(連載版)  作者: うり北 うりこ@8/1ざまされコミカライズ①発売
家族を得た私、領地のために頑張ります

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後始末〜カリウスside〜


 その日の夕方、王城へと来た。

 勘付かれると困るので、ギーツは一度ドーザー子爵家へと帰している。

 ここで変な動きをすれば、ギーツも罪に問うつもりだ。


「カリウス、申し訳なかった」

「殿下!?」


 応接間に入り、人払いを済ませたかと思えば、第二王子殿下が頭を下げた。


「頭を上げてください。もう謝罪はいただいております。捜査もご協力いただきましたし」

「そんなの当然のことだよ。王城で誘拐だなんて、王家の責任だ。本当に悪かった」

「もとはと言えば、コレッティーナを護衛が追いきれなかったことが原因ですから……」

「は?」


 意味が分からないという視線を向けられる。


「えっとですね──」


 コレッティーナが王城についてから屋敷に帰ってくるまでのことを詳細に伝えれば、殿下は頭を抱えた。


「カリウスの奥方は、どうしてこんなにも面倒事を釣り上げるのがうまいんだよ……」

「ラビソン家に関しては、コレッティーナのせいではありません。今回も巻き込まれた形ですから」

「そうなんだけど、たったの一週間だよ!? これじゃ、仕事がまわらないって」


 と言われても、ギーツの件もある。今回のことも殿下に処理してもらった方が都合がいい。

 今まで散々働かされたんだ。

 殿下にも頑張ってもらわないとな。


「ギーツが、ドーザー家の内情を話してくれました」


 ギーツの妹だけじゃない。

 あちこちに貸しを作って、金銭を返せなければ年頃の女性を貴族の愛人として売り払っていたらしい。

 ここ数年でドーザー子爵家は、急激に羽振りが良くなったと聞いていたが、これといった事業の展開は見えていない。

 おそらく、その資金は……。  


「人身売買に関わっている可能性があります」

「──っ! 早急にドーザー子爵家へ調査に行く」



 ***



 それから二時間後。

  騎士団を率いてドーザー子爵家へと向かい、子爵と夫人、娘のリーヌ嬢をその場で捕縛した。


「わ、わしは何もやってない! そそのかされたんだ!!」

「へぇ? でも、関わったんだから、死罪は免れないよね。人身売買は大罪だよ?」


 小さく首を傾げ、第二王子殿下が言う。

 ドーザー子爵は顔色を悪くさせ、(すが)るような視線を殿下へと向ける。


「し、知らない! わしは言われた通りにしただけだ」

「うん。そうだね。関わった人、全員教えてくれたら、特別に子爵の罪だけ軽くできないか、働きかけてもいいよ?」

「──! 話す、話すから、助けてくれ」


 王城へ連行後、驚くほどあっさりとドーザー子爵は人身売買について話した。

 そこからは更に忙しくなり、屋敷に帰れない。


  ***


「殿下、今日こそは帰らせてもらいます!」

「ごめんね。そうしてあげたいんだけど、無理かな」

「殿下ー!!」


 もう一週間、帰れていない。

 きっとコレッティーナ専用のキッチンは完成しただろう。

 庭に、コレッティーナの木も植わったかもしれない。


「ねぇ、ギーツってよく働くよね。オレにくれない?」

「あげません! ギーツはコレッティーナの護衛です!!」


 ギーツも、今は証人として俺と一緒に王城で働かされている。

 ……コレッティーナは、屋敷から出ていないだろうか。

 アンネが全力で阻止していると思うが、少しでも早く自由に外出できるよう護衛(ギーツ)をつけなければ。


「あ、そうそう。ナビレート家の使用人が来たって」

「いつですか?」

「今かな」

「早く言ってください!」


 急いで行けば、デザーがいて、バスケットと手紙を渡してくれる。


『キッチンが完成しました。

 いつ帰ってきますか?』


 たった二行。

 コレッティーナらしくて、口元がゆるむのを感じる。

 だが──。


「しばらく帰れそうにないと伝えてくれ。コレッティーナは元気そうか?」

「はい。今日もキッチンで……っと、これは内緒でした。では、失礼いたします」

「え、おい! デザー!!」


 何なんだ?

 また何か根っこでも炒めてるのか?



 その日から、毎日必ず昼前にデザーがサンドイッチの入ったバスケットと手紙を持ってきてくれるようになった。


『昨日の夕食はステーキ様でした。

 まだ帰れなそうですか?』


『ちゃんと寝れてますか?

 ブラック企業過ぎるので、訴えますか?』


 時々、分からない言葉が混じる。

 だが、心配してくれているのが伝わってくる。


「帰りたい……」


 俺が屋敷に帰れたのは、それから更に二週間後だった。

❁今後の更新につきまして❁

しばらくは、毎週水曜日、日曜日の週2回更新を予定しております。

よろしくお願いいたします。

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