花祭り②
さて、腹が減っては戦が出来ぬというが、戦だけじゃなくて花祭りの準備も出来なくなってしまう。
いや、花祭りの準備が戦のように忙しいから、あながち間違いではない。
「そうだな、昼食は花祭りに出す料理の試作品ってところかな」
冷蔵庫を開け、俺はあるものを取り出した。
「それはカタオ節と昆布の出汁を取った後の残りなのです」
「そう、こいつはいわゆる“出汁ガラ”ってやつだな」
本来なら捨てられてしまう運命にあるそれだが、もちろんうちではそんな扱いはしない。漬物に混ぜたり、昆布は細く刻んで添え物にしたりと、余すところなく活用している。
そして今朝の朝食でもしっかりと出番を終えたばかりのそれを、今日は主役として使うのだ。
まず昆布の出汁ガラを細切りにして、さらに長さを2㎝幅くらいに切る。
切った昆布を鍋に入れ醤油、砂糖、酒、自作の”みりんもどき”を入れ、火にかける。
沸騰したら火を弱め、煮汁がほとんどなくなるまでじっくりと煮詰めていく。味を見ながら、水分を飛ばしつつ仕上げていくのが肝だ。
「これだけだと、とても味が濃く感じるはずだ」
「うぅ……確かに濃いのです。でも、ご飯があるとちょうどいいのです」
そう、それでいい。こいつは単体で食べるものではない。ご飯があって初めて真価を発揮する――まさに究極のご飯のお供、“昆布の佃煮”だ
「今日はこいつだけじゃない、もう一品だ」
今度は平鍋に醤油・酒・砂糖、そして自作のみりんもどきを入れ、ひと煮立ちさせる。その中へカタオ節のガラを投入し、中火で炒りつけるように煮絡めていく。
やがて汁気が完全に飛べば……。
「完成だ」
「とても早いのです!?」
こちらもまた、頼れるご飯のお供――おかかである。もしここに胡麻でもあれば香りが一段と引き立つのだが、今は贅沢は言えまい。
早速作ったご飯のお供たちを使っておにぎりを作っていこう。
と言っても、炊いたご飯を程よい大きさに握るだけなんだけどね。
「これくらいの大きさに握ったら、真ん中に具材を入れて、周りに塩を軽く振る」
塩を手に付けて握ったり、塩を入れて炊いたりする方法があるけど、当日作る時に統一した方がいいので、塩を振る作り方にしよう。
「最後にこいつを巻いて完成だ」
焼き海苔――この世界では焼きハリツキと呼ばれるそれを巻き付けると、おにぎりの完成だ。
花祭り当日は、これを大量に用意することになるだろう。
さて、次はメインの料理だ。といっても、そこまで手間のかかるものではない。
まず、味噌・砂糖・みりんをあらかじめ混ぜ合わせておく。
キャベツはざく切り、にんじんはイチョウ切り、玉ねぎは3ミリほどの薄切りに。
熱したフライパンに油をひき、そぎ切りにしたドド肉を炒める。火が通ってきたら野菜を加えた。
キャベツがしんなりしてきたら頃合いだ。そこへ合わせておいた調味料を投入し、全体に味をなじませるように炒めれば――ドド肉の味噌野菜炒めの完成である。
今日の昼食
おにぎり(おかか、昆布の佃煮)、玉ねぎとワカメのみそ汁、ドド肉の味噌野菜炒め、きゅうりの漬物
ちょうどカナメが屋敷に戻ってきたようだ。手には竿と魚籠を持っている。釣果は……。
「……トラがいっぱい釣れた」
魚籠の中には、ぎっしりと詰まったトラ。10匹はいるのではないか。
これなら明日の具材も確保できる。塩鮭ならぬ、塩トラが作れそうだ。
「飯じゃ飯じゃ」
続いてオウカも戻ってくる。ちょうど昼食時間に全員が揃ったようだ。
「「「「いただきます」」」」
「なんじゃこれは。ご飯に黒い紙のようなものが張り付いておるぞ?」
「ああ、こいつは乾燥させて焼いたハリツキを使った料理のおにぎりさ。これはこのまま食うんだ」
俺はおにぎりにかぶりつく。口の中に広がる海苔の香り。そして中からは――おっと、これは昆布の佃煮だな。焼きハリツキの風味も悪くない。
「……おにぎり美味しい」
「む、中に何か入っておるぞ?」
オウカのおにぎりの中身はおかかだったようだ。明日はこれにさらに塩トラを追加する。
さて、次はドド肉の味噌野菜炒め。野菜炒め系の調理はあまり時間をかけていると、水分が出てしまう。中華料理みたいに熱した油に潜らせる、油通しをすると良いんだけどな。
うん、味付けも丁度いい。ホント味噌って言うのはご飯泥棒だよな。
「そうじゃエイタ、クダンがお主を探しておったぞ。昼食の後、広報所に行かせるって言っておいたから、飯を食ったら向かうのじゃ」
クダンさんか、恐らく明日の花祭りに関してだな。当日は何人かに調理の手伝いをしてもらいたいからな。広報で集めてもらうとしよう。
「「「「ごちそうさまでした」」」」
***
昼食を終えて、洗い物をした俺は広報所へと向かった。
広報所前の掲示板には「明日、花祭り開催!!」と大々的に張り出されており、明日の花祭りの宣伝に力を入れているのが分かる。
広報所の扉を開けると受付にマスクみたいなものを付けた女性がおり、手にした紙をじっと見つめていた。俺に気が付いたのか顔をあげると、いきなり紙を見せつけてきて……。
「そこのあなた! この見出し、どう思う!? よくできていると思わない!?」
いきなりの圧に少し気圧されながら、俺は紙に目を通す。
そこには明日の花祭りについて、場所や時間、注意事項などが丁寧に記されていた。
「ええ、分かりやすくていいと思いますけど」
「本当に!?」
女性は身を乗り出した拍子に、つけていたマスクがずるりと落ちる。
――そして露わになる、その口。
耳元まで裂けた異様な笑み。
口裂け女だ。
いや、普通にいるのかよ……。思わず心の中でツッコミを入れる。
「でもねでもね、こんなこと口が裂けても言えないけど、実は今年から、花祭りが豪勢になるらしいのよ。なんでも、新しくこの村に来た男が料理って言うのを広めたらしくてね……」
いや、アンタ口裂けてますやん、なんてこと口が裂けても言えない。
そしてその“男”、たぶん俺のことだろう。非常に心当たりがある。
そんなことを考えていると、奥から声が飛んできた。
「ちょっとサキさん、情報を正しく伝えるのが我々広報の仕事でしょうが。隠してどうするんですか!?」
奥からクダンさんが紙の束を持って現れた。印刷用なのだろうか、まだ何も書かれていない。
「あ、エイタさん、ようこそ、ささ、どうぞこちらへ」
促されるまま奥へ進むと、そこは印刷所になっていた。
複数の妖怪たちが、墨を塗った板を手際よく彫り進めたり、刷り作業を行ったりしている。
なるほど、ここでは木版印刷が使われているのか。
「これから夕刊を刷る予定なのですが、明日の花祭りに関して、詳しくエイタさんから話をお聞きしたくてですね」
なるほど、ちょうどいい。俺もちょうど、明日は朝から調理の手を何人か借りたいと思っていたところだ。広報で募集をかければ、きっと人手も集まるだろう。
「明日は朝から花祭りで出す物の調理をするのですが、人手が足りなくてですね……」
「それでしたら、今日の夕刊で募集をかけましょう」
……おお。こちらが全部言い切る前に察しただと?
さすがは“しごでき系妖怪”クダンさんだ。仕事が早すぎる。
さらに、必要な時間や場所、内容を伝えると、クダンさんはすぐさま印刷所の妖怪たちへ指示を飛ばした。
──まさか、この短時間で夕刊の内容を差し替えるつもりか?
いきなりの変更指示に、現場は荒れるかと思いきや──
「おお、花祭りで料理が出るんか!!」
「よっしゃ、大々的に広報してやんべ!!」
「うぉおおおお!やるぞ、お前ら!!」
……むしろ異様なまでの盛り上がりを見せていた。
「いやはや、料理本の印刷が始まってからというもの、みんな凄い熱が入ってしまってですね」
そんなに凄かったのか料理本。
ヨウコが俺が教えた料理をいい感じにまとめてくれているからな。そろそろ2冊目が完成するのではないだろうか。
「安心してくださいエイタさん。我々が夕刊で募集をかけておきますので、明日は手を貸してくれる方が来ますよ」
これに関してはクダンさんに任せるしかなさそうだな。
俺はクダンさんにお礼を言うと明日の花祭りの準備のため集会場に向かう事にした。
***
「すみません、遅くなりました」
集会場にはすでに何人かの村人が集まっており、見慣れた顔と、まだ見覚えのない者たちが入り混じっていた。どこか祭り前特有の、浮き立つような空気が満ちている。
「おお、エイタさん、丁度良かった。こちらは今回の花祭りでお米を提供してくれるドロタさんじゃ」
村長がそう紹介した先に立っていたのは、全身が泥に覆われた異形の存在だった。
――泥田坊。
俺の記憶にもある妖怪だ。だが目の前のそれは、不思議なほど整っている。全身泥まみれであるにもかかわらず、着物は汚れていないし、足元の床にも一滴の泥すら落ちていない。
(……どういう理屈だ?)
違和感だけが静かに積み重なる。
「おら、この村で米作りをしとります、ドロタです」
そう言って、ドロタさんは右手を差し出してきた。
その手は当然のように泥だらけだ。だが俺は一瞬も躊躇せず、その手をしっかりと握り返す。
――べちゃり、と来るかと思いきや。
「……」
感触は確かに泥なのに、握った手は不思議と一切汚れていない。むしろ清浄さすら感じるほどだ。
(ほんと、どういう原理だよこれ……)
理解が追いつかないまま、次の紹介へと進む。
「そして、こちらが炭を提供してくれる、炭屋のエンラさんじゃ」
村長が手を向けた先には、長い髪を揺らす女性が立っていた。一見すれば人間のようにしか見えない。
だがその背後には、ゆらゆらと揺らめく煙の尾がある。
(煙の……妖怪か? 煙々羅、だったか)
視線を向けていると、彼女は軽く笑みを浮かべた。
「明日のために炭はたくさん作ったからさ、遠慮なく言ってよ」
飄々とした口調。だがどこか芯のある頼もしさがあった。
「しかし、おらの作った米があんな美味いもんになるなんて驚きだぁ。こりゃ花祭りの料理も期待すっぺよ」
「ほっほっほ、今年の花祭りは一層にぎやかなものになるじゃろうて」
村長が笑い、ドロタさんが素朴に感心し、エンラさんが楽しげに煙を揺らす。
その光景は、奇妙でありながらもどこか温かい。
(……いよいよ明日か)
花祭り本番に向けて、準備は山場を迎えていた。
当日は大釜でのけんちん汁、そして大量のおにぎりにお稲荷さん、唐揚げ、餅料理まで用意する予定だ。だが当然、調理場所を一箇所に集中させるわけにはいかない。
唐揚げはアカシさんの家、お稲荷さんはヨウコとアズキダさんの手へ、ヨモギ餅はヤマネさんの担当だ。
残るは、けんちん汁とおにぎり。そして、それに使う大量の具材。
具材は前日に仕込むとしても――問題は米だ。
おにぎり用の飯を前日に炊くわけにはいかない。かといって当日は大釜がけんちん汁で埋まる。屋敷の釜を総動員しても、時間が足りないのは目に見えていた。
(……いや、待てよ)
何度も炊くのではなく、最初から――同時に炊けばいいのではないか?
「明日の予定ですが、大量のご飯を炊く必要があります。ただ東屋の大釜はけんちん汁に使うので、各家庭の釜を使って分散して炊飯しようと考えています」
ドロタさんは少し目を丸くし、それから納得したように頷いた。
「んだな、東屋の大釜は使うって、村長から聞いてっぺ。そしたら、おらは米さ洗って、水さ浸けとくだぁ。あの料理本さ書いてあっただ、そうした方が美味く炊けるんだべ」
「そしたら、釜もいくつか必要だな。俺の所に在庫があるからよ持って行きな」
「炭も各家庭分に分けておいた方がよさそうだねぇ、任せておきな」
タタラさんが釜を提供し、エンラさんが炭を配ってくれる。ありがたい限りだ。これなら当日は、すぐに炊飯に取りかかれそうだ。
「明日必要な物はこの集会場に集めることにしておるんじゃ。ここなら花祭りの会場にも近いしのう」
見渡せば、集会場にはすでに様々な物資が集まり始めていた。酒樽に、あれは茣蓙だろうか。さらに乾物の昆布や鰹節まで並んでいる。
本来なら東屋に置いておけばよさそうだが、さすがに屋外だ。野生動物に荒らされる可能性もあるのだろう。
そんなことを考えていると、新たに一人、集会場へと入ってきた。
「お、エイタさん来てたのか。見てみな、新鮮な野菜を持ってきたぜ」
お、八百屋のカワマタさんが背中の竹籠に大量の野菜を入れてやってきた。背負った竹籠ごと、集会場の床へ降ろすと、すぐに集会場を出ていった。どうやら追加分を取りに行くようだ。
「ふむ、ある程度は揃ったようじゃが、これだけの材料を使って料理となるとさすがに大変ではないかのう」
「それなら問題ありません。広報のクダンさんに頼んで、今日の夕刊で明日の料理の手伝いを募集してもらいました」
当日どれだけ人が集まるかは分からないが、多いに越したことはない。
そんな風に明日の花祭りの準備について話し合っているうちに、気づけば日が傾いていた。
そろそろ夕食の準備の時間だ。
俺は集会場を後にし、屋敷へと戻ることにした。
「はいはい夕刊だよ! 明日は花祭りは一段とにぎやかなものになるよ!」
広報の前を通りかかると、そこには妖怪だかりができていた。どうやら目的は夕刊らしい。皆、広報担当のクダンさんが配るそれを、我先にと手に取っている。
俺は妖怪の波をかき分け、ようやく一部を受け取ると、目を通した。
――翌日の昼、我がサクラノ村にて花祭りが開催される。
今年は何と、村で流行の料理が振舞われる予定
この村に料理を流行らせてくれたエイタ氏がお手伝いを募集しています
希望の方は明日の朝、集会場に集合されたし――
へえ、ここはサクラノ村って言うんだ。
夕刊の下の欄には時間と場所が書かれた地図が描かれている。
なんかここまで大々的に書かれているとなんか恥ずかしいな、ははは。
「おお、エイタさんいらしていたんですね」
あ、クダンさんに見つかってしまった。
まずい。目立つ前に撤退しようかと思ったのだが、もう遅い。
「え~、皆さん、夕刊に書かれている通り、明日の花祭りの料理でエイタさんがお手伝いを募集しております。なにとぞご協力の方お願いいたします」
クダンさんが広報の前に集まった大衆に向かって、深々とお辞儀をする。なんか申し訳ない気がするので、俺もお辞儀をする。
「俺は手伝いに行くぜ」
「私も行くわ」
大衆の中からそんな声が聞こえてきて一安心した。
――よし、ひとまずは順調か。
これだけ大々的に告知しておいて誰も来なかったら、それこそ立場がない。ははは。
屋敷へ戻った俺は、夕食の準備に取りかかることにした。
さて、今日は新しく見つけた食材「ギャウボ」を使ってみるとしよう。
もちろん、これは明日の花祭り用とは別だ。そこはしっかり分けておく。
まずはギャウボをささがきにし、水にさらしてアクを抜く。5分ほど浸けておけば十分だ。
その間に、にんじんを千切りにしておく。
平鍋に油を熱し、ギャウボとにんじんを炒めていく。
じわりと火が入るにつれ、香ばしい匂いが立ち上ってきた。
……やはり、ここはごま油が欲しいところだな。
しんなりしてきたら、作成しためんつゆ、みりんもどきを投入。
汁気が飛ぶまでしっかり煮詰めれば――
「きんぴらギャウボ」の完成だ。
さらに今回はドドの炊き込みご飯を作る予定だ。
まずはドド肉を一口大に切り、水で戻した椎茸は千切り、にんじんはいちょう切り。
お湯で油抜きをした油揚げは1㎝角に切り、さらにギャウボもいちょう切りにする。
研いで水に浸けておいた米の水を少し捨て、代わりに出汁を入れる。
そこに、先ほど切った材料を入れ、めんつゆ、みりんもどきを入れ、炊飯するだけだ。
「よし、夕食が出来たぞ」
本日の夕食
ドドの炊き込みご飯、白菜の味噌汁、きんぴらギャウボ、大根とにんじんの漬物
「「「「いただきます」」」」
「む、今日のご飯は何かが入っておるのう」
「今日はドドの炊き込みご飯だ」
「……炊き込みご飯、美味い、おかわり」
いや、早いな、おい。
しかし、俺は山菜ごはん、たけのこご飯で学んだからな、いっぱい作ったぞ。
「このきんぴらギャウボ、シャキシャキして美味しいのです」
きんぴらごぼう、いやギャウボの切り方は色々ある。
ささがきタイプや千切りタイプ、ちょっと太めに切るタイプ。色々あるが今回はささがきタイプで作ってみた。千切りタイプだと、もっと食感が楽しめるんだよな。
どれどれ、と俺も炊き込みご飯を口に運ぶ。
米と共に椎茸と出汁の旨味が広がり、静かに舌を満たしていく。
やはり炊き込みご飯系は強い。気づけば箸が止まらなくなる類の料理だ。
「明日は花祭りじゃのう、忙しくなるぞ」
「ああ、朝食食べたら、集会場に集合予定だ」
花祭りの開催は昼。
つまり明日は、昼までにすべての準備を終えねばならない。
……だが、俺一人の力では到底足りない。
明日、どれだけの仲間が集まってくれるのか。
不安と期待が、静かに胸の奥で入り混じっていた。
「「「「ごちそうさまでした」」」」
さて、夕食が終わったら明日の花祭りの準備をしなくてはならない。
俺はカナメが釣ってきたトラを冷蔵庫から取り出し、下処理の準備をする。サイズは30㎝位、中々いい型をしたトラだ。それが軽く10尾はいる。
「よし……やるか」
まず、鱗、頭を落として、内臓を取り、3枚におろす。
平鍋に少し油を挽いて、切り身に塩を振り身の方から焼いていく。ちなみに海背川腹と言って、海の魚は背中つまり皮から、川の魚は腹、つまり身から焼くと良いという意味だ。
中火で平鍋の蓋をして片面が焼けたらもう片面を焼いていき、これを10匹分同じ作業を繰り返す。
「この作業を明日に持ち越したら、大変なことになっていたな」
「これだけでも凄い時間がかかるのです」
ヨウコと2人がかりで黙々と作業を進める。焼き上がったそばから皮と骨を丁寧に取り除き、身をほぐしていく。
へらで崩しながら味を見て、塩加減を微調整。気が付けば、そこには――鮭フレークならぬ「トラフレーク」が山のように出来上がっていた。
「こいつは明日のおにぎりの具材になる」
残りのおにぎりの具材は、明日、現地でガラが出るのでそれで作るしかない。
「俺はおにぎりと、大釜でけんちん汁を作るから、ヨウコはお稲荷さんは頼んだぞ」
「任せるのです」
ほんの少し前まではご飯すら炊けなかったのに頼もしくなったものだ。
明日も忙しいからな、湯屋に行って早めに寝よう。
おかかレシピ
材料(2〜3人分)
かつお節:10g
醤油:小さじ2
みりん:小さじ1(あれば)
昆布の佃煮レシピ
材料(作りやすい分量)
昆布:50g(乾燥昆布でも出汁を取った後の昆布でもOK)
水:100ml
醤油:大さじ2
砂糖:大さじ1〜2(甘さはお好みで調整)
みりん:大さじ1
酒:大さじ1
※お好みで
白ごま:小さじ1(風味づけ)
しょうがの千切り:少々(香りづけ)




