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妖の料理番 〜いただきますで始まり、ごちそうさまで終わる、妖たちの食卓譚~  作者: 奇理可羅
東の国

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山姥と山菜パーティ

「エイタさん、明日は山菜狩りに行くのです!」

「山菜狩りって……あれか? 山とかに生えてる、あの食べられる草のことか?」

 ヨウコが、当然のようにそんなことを言い出した。


 なんでも、この屋敷の隣に住んでいる“ヤマネさん”という方が、山菜に詳しいらしい。ヨウコは毎年この時期になると、そのヤマネさんと一緒に山へ入るのが恒例行事になっているのだという。


「時間はどれくらいまでやる予定なんだ?」

「ええとですね、朝ごはんを食べたら出発して、お昼までには戻ってくるのです!」


 なるほど。山菜採りは朝が勝負とはよく聞く話だ。


 現在の時刻は夜の8時。出発は明日。ならば今日のうちに準備をしておくのが賢明だろう。

 山菜か……正直、嫌いじゃない。あの独特の苦味と香り、天ぷらにしたときの破壊力は侮れない。

 よし、明日は気合を入れていくか。



 朝食はご飯、大根の味噌汁、だし巻き卵、きゅうりとワカメの酢の物、ナスの漬物。


 「む、山菜狩りに行くのか」

 「ああ、昼前までには帰ってくるよ」

 「……山菜は美味い、カナメは好き」

 「ヤマネさんは山菜狩りの達者なのです」

 

 どうやら同行者であるヤマネさんは、かなりの“山菜のプロ”らしい。


 俺も多少の知識はあるが、所詮は素人レベルだ。間違って毒草でも掴んだ日には洒落にならない。


 朝食を終え、食後のお茶を飲んでいると、屋敷の戸を叩く音が聞こえた。


 「ヨウコちゃん、おるかえ」

 「あ、ヤマネさんが来たのです」


 外へ出ると、そこに立っていたのは――


 眉の上から小さな角を生やした白髪の老婆。


 背には大きな竹籠。右手には使い込まれた鉈。


 にこりと笑っているのに、なぜか背筋が寒くなる圧倒的存在感。


 ……いや、怖ぇよ。完全に山姥だろこれ。

 

 「おや、ヨウコちゃん、そちらの方は?」

 「今日、一緒に山菜狩りを手伝ってくれるエイタさんなのです」

 「今日はよろしくお願いします」


 こうして、俺たちは山へ向かうことになった。


 村から歩いて30分ほどの山道。

 ヨウコとヤマネさんは慣れた様子で軽やかに進んでいくが、現代文明にどっぷり浸かった俺にはなかなかの難所だ。


(くそっ……電車か車が欲しい……いや、そもそもこの道じゃ無理か……)


 そんなことを考えながら、必死についていく。

 しばらく進んだところで、ヤマネさんが足を止めた。


 「おやおや、早速見つけたよ、ほら、ご覧」


 「おお……」


 そこに生えていたのは、立派なタラの芽だった。

 これぞ春の味覚。天ぷらにしたら間違いなく優勝するやつだ。


 「似たものでヤマウルシがあるから気を付けんしゃい。触るとかぶれるからねぇ」


 なるほど、ヤマウルシっていうのは似た毒草か。気を付けないとな。

 俺はタラの芽を採取し背中の竹籠に入れていく。


 ……おや、あれは俺も知っているぞ。


 「ヤマネさん、あれってフキノトウじゃないですか!?」

 「どれどれ……、ああ、そうだね、こいつはフキノトウさね」


 フキノトウは、昔ばあちゃんが天ぷらにしてくれたやつだ。あのほろ苦さ、春って感じで最高なんだよな。

 テンションが上がった俺は、迷わずフキノトウも採取していく。 


 今日の昼飯、かなり期待できるぞ……!


 俺たちは山道を進み、やがて川の流れが見えてきた。

 どうやらこの川は水車小屋のある川へと繋がっているらしく、ヤマネさんが慣れた様子で道沿いに進んでいく。

 

 「このあたりだと、セリが取れるはずさね。ほら、これだよ」


 おお、セリだ。こいつは混ぜご飯にすると美味いんだよな。

 ただし、似たもので“毒セリ”というトラップもある。名前からしてもう怖い。


 みんなで手分けしてセリを採取していく。ヤマネさんの説明を聞きながら、見分け方も頭に叩き込む。


 しばらく採取したところで、次のエリアへ移動することになった。


 「へえ、エイタさんは料理番でいろんな料理を知っているんだねぇ」

 「はい、まあ、こことはちょっと違う場所から来まして、そこではいろんな料理があるんですよ」

 「私もいろんな料理を教えてもらったのです」


 雑談をしながら山道を進む。


 正直、険しいはずの山道なのに、不思議と気分は悪くない。むしろちょっとした冒険イベントだ。

 

 「ほら、見て、これも食べられる山菜なんだよ」


 幼木の先端に花のつぼみの様に葉っぱが付いている。

 これは見たことないな、この異世界特有の物かな?


 「これはコシアブラっていう山菜だね」

 「茹でて醤油をかけて食べると美味しいのです。カナメちゃんが好きなのです」


 何か聞いたことがあるような無いような。

 でも、山菜っておひたしとかで素材の味を楽しむのがいいよな。

 お、よく見るとタラの芽も混じってる。ここはボーナスステージか?

 結構生えてるもんだな……。


 気づけば道から外れ、シダ植物が生い茂るエリアに入り込んでいた。

 ここ、普通に迷ったらアウトだろ。


 しっかり2人についていく。

 足元はかなり悪いが、2人はまるで平地を歩くかのように進んでいる。


 「2人ともすごいな、結構歩きづらいのに難なく進んでいる」

 「まあまあ、私はもう山菜取りは慣れているからねぇ、ヨウコちゃんも北の山国出身だから、日常が山道みたいなもんだからねぇ」

 「はわわわ、私なんてヤマネさんに比べればまだまだなのです」

 「北の山国って村から見えるあの山か?」


 北の山国……?

 村から見える、あの遠くの山の方角か。

 今は春とはいえ、まだ山頂には雪が残っている。

 あんな場所から来たのか、ヨウコは。

 ……いや、まあ俺もある意味、かなり遠い場所から来てるけどな。


 「あったあった、ここには赤こごみが生えているんだよ」


 ん、アカコゴミ、赤こごみか? 

 また知らない山菜が増えたな。

 ゼンマイっぽい見た目だが、微妙に違う。


 「赤こごみと青こごみっていうのがあるんだけどね、赤こごみは今の時期に、青こごみはもう少ししたら採れるようになるよ」

  

 結構種類が増えてきたぞ、これは楽しみだな。

 山菜にまで季節限定バリエーションがあるとは、侮れない世界だ。

 これは食卓が楽しみになってきたな。

 ……山菜おこわとか良さそうだが、残念ながらもち米がない。


 なら炊き込みご飯一択か。

 そんなことを考えながら竹籠を見ていた時だった。

 

 「そういえば、たけのこご飯食ってないな」

 「たけのこ、竹を食べるのですか?」


 え? 竹を使っててたけのこを知らないのか。

 まあ、たけのこは取る時間帯も処理も手間がかかるからな。


 そうだ、明日はたけのこ掘りに行くか。


 「たけのこはその名の通り竹の子供みたいなものだよ。青い竹になる前に採取するんだけどさ、朝早くに取らないとえぐみが強くなっちゃうんだよ。なんなら、明日の朝取りに行ってみるか?」

 「あら、私も知らない山菜があるなんて興味深いわね。私もご一緒してもいいかしら?」

 「ぜひとも行くのです」


 明日の朝の予定は決まったな。

 ヤマネさん曰く、村からそう離れていない場所に竹林があるらしい。


 たけのこも色々使えるが、やっぱりたけのこご飯が代表格だよな。


 俺たちは山道に戻り、少し進むと、俺でも見慣れた野草を見つけた。


 「おお、こいつは知っているぞ。ヨモギだ!」

 「これはかぶれやお薬に使えるのです。いっぱい採っていくのです」


 俺はヨモギといえばヨモギ団子を思い出すな。

 よし、おやつはヨモギ餅を作ってあげるのもいいな。


 ヨモギを拾いつつ、山道を移動していくと開けた場所に到着したのだが……。


 「これは菜の花か」

 「あら、結構知っているじゃない、これも食べられるんだよ」


 現実世界でもおなじみの花、菜の花だ。

 もう少しすると黄色い花を咲かせ、その種から取れるのが俺たちが料理でお世話になっているなたね油だ。


 似た植物にセイヨウカラシナもあり、こちらも山菜として食用になる。さらに種はマスタードの原料にもなるのだから侮れない。


 「これは茹でてお浸しにすると美味いんだよな。あとはからし和えとか」


 からし菜から種子が採れるのはまだ先だが、めんつゆをかけて食うだけでも美味いぞ。

 とりあえず、山菜狩りのルートはここで終わりだそうだ。


 帰り道は下りで楽なはずだったが、想像以上に足に疲労が来ていた。


 (やっぱり現代の生活に慣れすぎてるな……)


 そんな自嘲を浮かべつつ、なんとか村へと戻る。


 そして成果の確認が始まった。

 

 「菜の花、赤こごみ、フキノトウ、タラの芽、コシアブラ、セリ、ヨモギ」

 「大収穫なのです」

 「あらあら、いっぱい採れたわね」


 そろそろお昼の時間だな。よし、今日はこの山菜を使って豪華な昼食にするぞ。


 「おう、帰ってきたのか。エイタ、そろそろ飯の時間じゃ、ヤマネの分も作るのじゃぞ」

 「ははは、もちろんそのつもりだよ」

 「あらあら、それじゃあ、ごちそうになろうかしらね」


 さあ、今日のメインはもちろん山菜の炊き込みご飯だ。


 入れる山菜はゼンマイに似ている赤こごみ、香りが良く風味豊かなセリ、コシアブラも入れてみるか。そうだな、旨味を足すために干し椎茸も追加しよう。


 米を研いで普通に炊飯できる準備を整えたら切った山菜を入れて、醤油、酒、砂糖、塩を入れて炊飯するだけ。

 やはり炊飯が時間がかかるからな、こいつは最初にやらなくてはな。


 隣でヨウコに天ぷらに挑戦してもらおう。揚げる山菜はやはり山の王道、タラの芽だ。

 さらにフキノトウは味噌汁へ回す予定だが、少しだけ衣をまとわせて揚げてもらうのも悪くない。


 俺はその間に湯を沸かし、菜の花の下処理へと取りかかる。

 茎の部分から先に鍋へ沈め、火を通しすぎないよう慎重に時間を測る。

 柔らかくなりすぎれば風味が死ぬ。歯ごたえが残る、その一歩手前が理想だ。


 茹で上がった菜の花は冷水で一気に締め、水気を絞って3、4㎝ほどに切る。あとはめんつゆを軽く絡めれば、それだけで立派な一品になる。


 次はみそ汁の準備、こちらの具材はフキノトウだ。昆布と鰹節で出汁を取りフキノトウを入れ、沸騰したら火を止め味噌を入れる。


 漬物は昨日漬け置きしておいた、朝の残りのナスの漬物だ。


 ヨウコの方も天ぷらが揚がったようだ。


 「よし、完成だ」

 

 本日の昼食

 山菜ごはん、フキノトウのみそ汁、タラの芽とフキノトウの天ぷら、菜の花のお浸し、ナスの漬物


 「そうじゃヤマネ、妾たちの屋敷では飯を食うときに、手を合わせて『いただきます』と言う決まりごとがあるんじゃ」

 「あら、そうなのかえ」

 「食べ物に感謝をするということなのです」

 「ふふ、確かに山の恵みばかりだからねぇ、食材と山の恵に感謝をしないとねぇ」

 「それじゃあ、山の恵みに感謝して――」



 「「「「「いただきます」」」」」


 山菜ご飯か、都会にいた頃は、あまり食う機会が無かったからな、久しぶりだぜ。


「……うまうま」

「山菜ご飯はおかわりあるからな」

「うむ、美味いぞ、おかわりじゃ」

「いや、早えよ!」


 俺はオウカから渡された茶碗に山菜ご飯を盛ってやる。


「仕方がないじゃろう、この山菜ご飯が美味いから、止まらんのじゃ」


 まったく、そう言われると悪い気はしない。そう思いながら自分も箸を進めていると、カナメが空の茶碗を手に、そそくさとお櫃の前へと歩み寄った。

 そして当然のように、山盛りにして戻ってくる。


 おいおい、人気だな山菜ご飯。


「わ、私もいただくのです」

「はいよ、ヤマネさんもいかがですか?」


 見るとヤマネさんの茶碗も空だった。ヤマネさんは恥ずかしそうに茶碗を渡してくれた。


「あらあら、それじゃいただこうかしらね」


 ヨウコとヤマネさんの茶碗に山菜ご飯を盛ってあげ、ついでに俺も自分の茶碗に盛る。

 もう1杯食うぞ。久々の山菜ご飯なんだ。

 

「山菜にこんな食べ方があるなんて驚きだわ。いえ、それよりもお米ね、どうしたらこんなにふっくらできるのかしら、それに、このお味噌汁もとても美味しい」


 思わず頷く。俺もこの世界に来たばかりの頃は、初めて口にした食事に、別の意味で驚かされたものだ。

 俺はヤマネさんに、米の炊き方や味噌汁の出汁の取り方を簡単に教えてやった。


「あと、昨日ヨウコが料理をまとめた本を広報に出しました。今日にでも村の掲示板に貼り出されているんじゃないでしょうか」

「あら、それは是非とも見に行かないとね」


 掲示板に貼り出されることで、この村にどんな変化が起こるのかは、まだ分からない。

 だが――悪い方向には転ばないだろうという確信だけはあった。

 何せ、この村には良い妖怪が多すぎる。


「「「「「ごちそうさまでした」」」」」


 ごちそうさまも教えたら、やってくれた。今日は山の恵に感謝。




 昼食を終え、俺はあるものに目が止まった。


「そういえば……ヨモギも採ってきてたんだよな」


 採ったはいいが、結局どう使うか決めていなかった。いや、ヨウコが「薬の材料になる」とは言っていたが……調子に乗って採りすぎた気もする。どうしたものかと考え――そして、ひらめいた。


「なあ、ヨウコ、ヤマネさんの家って何人家族だ?」

「ええと、ヤマネさんと、息子さんとお嫁さんとお孫さんが2人です」

「5人か……よし、ヨモギ、少し使わせてもらうぞ」


 皆のおやつついでにあれを作ろう。そう、ヨモギ餅だ。


 まずはヨモギを軽く水で洗い、余分な茎を取り除く。新芽ならアクも少ない。沸騰した湯に塩をひとつまみ入れ、さっと茹でてから冷水へ。20~30分も置けば十分だ。


 その間にヨウコには小豆を煮てもらおう。俺は包む餅を作るぞ。


 アク抜きしたヨモギを、ペースト状になるまで刻み、潰し、擦る。ああ、ブレンダーかミキサーがほしいがここにはない。

 うおおお……唸れ、俺の右腕。


 なんとかペースト状にしたヨモギに水を入れ、米粉と片栗粉を入れ、調整しながら混ぜていく。耳たぶくらいがちょうどいい柔らかさだ。

 1つ分を丸めて、蒸し器に入れ15分ほど蒸す。中まで火が通ったら粗熱を取った後に、片栗粉を敷いたまな板の上へ乗せる。

 平たく伸ばしていく。この中に餡を包んでいくのだが、難しい場合は2つ折りにしてもいいぞ。


 「よし、完成だ」


 ヨモギ餅5つを乾燥した竹の葉っぱに包んで紐でまとめる。

 竹の葉っぱはこの世界で食材を巻くときに使われ、肉なんか買った時にもこれに包まれて渡される。


 残りの個数は……、6個か、うん、食べてから渡しに行こう。


 「む、何じゃこれは、草と同じ色をしておるのう」

 「こいつはヨモギ餅さ、生地にヨモギを混ぜ込んでいるから香りがいいんだ」

 「……6個ある、誰が2個食べるの?」


 やはりそう来たか、まあ、大体決まっていると思うが……。

 

 「わ、私は1個でいいのです。オウカ様、食べてください」

 「俺も1個でいいよ。カナメ、食うか?」

 「もちろんじゃ、もう1個食うぞ」

 「……もちもち、おいしい」


 さて、俺は1個食ったし、こいつをヤマネさんの家に届けに行くか。


 俺はヨモギ餅を入れた包みを持ち、お隣のヤマネさんの家へ向かおうと立ち上がった。


 「あ、エイタさん、こちらをヤマネさんにお願いします」

 「これは、ヨモギ餅の作り方か」

 

 ヨウコはこの短時間にヨモギ餅の作り方を書き起こしていたのだ。


 なるほど、ヤマネさんがお孫さんの為におやつを作ってあげられるようにか。

 もし、ヤマネさんが料理本を持っていたとしても、こいつは料理本にまだ載っていないからな。


 「ありがとうヨウコ、ヤマネさん喜ぶぞ」

 

 俺はお隣さんの家へと向かった。


 ――さて、例のお隣さん宅だが。


 庭では小さな妖怪の男の子が2人、元気いっぱいに遊んでいる。

 その様子を、縁側に座ったヤマネさんがのんびりと眺めていた。


 「こんにちはヤマネさん、今日はいろいろありがとうございました」

 「いえいえ、私こそ、ごちそうになっちゃってありがとうございます。そういえば、お料理の本、見させていただきましたよ。家に戻ったら、息子の嫁が嬉しそうに見せてくれてねぇ」


 おお、昨日渡したというのに、もう印刷されて出回っているのか。

 さすがクダンさん。現実世界だったら、間違いなくエリートサラリーマンだろ。あの妖怪。


 まあ、それはそれとして。


 俺は持ってきた竹の包みと、ヨウコから渡されたメモをヤマネさんに差し出した。


 「あら、これは?」

 「今日、採取したヨモギを使ったお菓子、ヨモギ餅です。ご家族で召し上がってください」

 

 ヤマネさんが包みを開けると、遊んでいた子供たちがヤマネさんの近くへ寄ってきて覗き込んだ。


 「おばあちゃん、なにそれ?」

 「これはね、ヨモギ餅って言うお菓子なんだって、食べる?」

 「お菓子!? 食べる!!」

 「ふふ、それじゃあ、ちゃんと手を洗いましょうね」

 

 ヤマネさんの孫たちは家の中に戻ると手を洗いに行ったのか、奥へと走っていった。


 「あと、その紙はヨモギ餅の作り方が書かれている紙です。今日の料理本にはまだ書かれていないやつですよ。あとでお孫さんに作ってあげてください」

 「あらあら、こんなものまで、ありがとうございます、エイタさん。きっと孫たちも喜びます」


 ヤマネさんは深々と頭を下げると、家の中へ戻っていった。


 ……さて。


 俺もそろそろ屋敷に戻るか。夕飯の準備もしないといけないしな。


ヨモギ餅(草餅)(約8〜10個分)

材料


生地

ヨモギ(新芽)…… 50g前後(茹でて刻むとかなり減る)

上新粉(米粉でも可)…… 150g

片栗粉…… 30g

砂糖…… 20〜30g(甘さ控えめなら20g)

塩…… ひとつまみ

熱湯…… 約150〜180ml(調整用)


中身

あんこ(粒あん or こしあん)…… 200g前後


仕上げ用

片栗粉(打ち粉)…… 適量

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