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妖の料理番 〜いただきますで始まり、ごちそうさまで終わる、妖たちの食卓譚~  作者: 奇理可羅
東の国

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カナメとアラハバキのちゃんちゃん焼き

「魚が食いたい」


 ぽつりと漏れた独り言が、静かな部屋にやけに大きく響いた。


 最近の食事といえば、ドド肉か卵ばかりだ。干物はある。保存食としては優秀だし、味も悪くない。だが、今俺が食べたいのはそういうのじゃない。


 新鮮な魚。

 塩だけ振って炭火で焼いた、あの香ばしい焼き魚だ。


 そういえば、この村で生の魚を見たことがない。

 ネコタさんが売っているのも干物ばかりだった。あれだけ海産物を扱っているんだから、仕入れ先くらい聞いておけばよかったな。


 ……というか、この世界って生魚食えるのか?


 寿司、刺身、海鮮丼。

 考えただけで腹が鳴りそうになる。やっぱり日本人としては恋しくなるよな。


「……魚、食べたいの?」

「うぉおっ!?」


 突然天井の板がスライドし、カナメがひょこっと頭を出した。


 相変わらず忍者みたいな登場の仕方しやがる……。

 心臓に悪い。


「あ、いや、最近、新鮮な魚食ってないなって思ってさ。この村じゃ売っていないみたいだし」

「……魚なら、一番近いのは城下の港。ネコタさんの兄弟がそこで干物を作ってて、ネコタさんがこの村で売ってる」

「ああ、なるほど」


 だから昆布とか海産物が普通に手に入ったのか。

 というか城下町か。絶対いろいろ揃ってるよな。今度の買い出しついでに行ってみるのもありかもしれない。


「……ここから馬車で2時間くらいだからすぐだよ」


 2時間。


 ……いや、待て。

 この世界の“近い”基準を忘れてた。


 俺、まだ馬車なんて乗ったことないし、歩きだったらどれくらいかかるんだ?

 しかも帰りは荷物持ち確定である。


 現代日本のスーパー感覚で考えてたわ。

 却下だ却下。


「……別に海じゃなくても、魚はいる」

「あ、そういえば水車小屋の横は川だったな。つまり釣りに行くってことか?」

 

 すると、天井裏からロープで吊られた木箱がするすると降りてきた。

 続いて小さな巾着袋、細長い布袋。

 最後にカナメ本人まで器用に降りてくる。


「……釣りに行くならカナメの貸してあげる」

「おお、これ釣り道具か」


 まさか夕食を自給自足する流れになるとは。

 だが、これはこれで悪くない。

 釣りは嫌いじゃないどころか、むしろ結構慣れている。


 俺の伯父――親父の兄貴が大の釣り好きで、子供の頃はよく(マス)釣りに連れて行ってもらっていた。

 道具は全部借り物だったが、餌の付け方や流れの読み方くらいなら覚えている。


 俺とカナメは屋敷の倉庫から魚籠(びく)とたも網を持ち出し、釣り道具と一緒に荷車へ積み込む。

 そのまま水車小屋近くの川へ向かった。


 川辺へ着くと、澄んだ水の流れる音が耳に心地いい。

 水面は陽光を反射してきらきらと輝いていた。


 荷車を脇へ止め、俺は釣り道具を広げる。


「……エイタは釣りをしたことはある?」

「まあ、多少はな、伯父さんに釣りに連れて行ってもらったことがある」


 カナメが長い布袋から竿を取り出した。

 乾燥させた竹で作られたそれは、中央で二つに分割できるようになっており、節ごとに小さな輪が取り付けられている。

 ――ん?


「えっと、これリールだよな?」

「リール? これは糸巻き取り機だよ、私が作った」

 

 竿の持ち手に車輪のようなものが付いている。

 鱒釣りに使うフライ用のリールに近い、というかほとんど同じだ。

 なぜかリールだけ現実世界から引っ張ってきたような感じである。

 

 マジかよ。

 これ、カナメが作ったのかよ。

 ま、まあ、水車作るくらいだしな。


「……エイタなら毛鉤がいいかな。使い方は分かる?」

「あ、ああ、大体分かる……」


 俺は自分の竿を持ちながら、改めてカナメの装備を見る。


 竿自体は竹製だ。そこまではいい。

 問題は、それ以外だった。


 まずリール。

 どう見てもスピニングリールである。しかも、妙に高級感がある。


 昔、釣り好きの伯父さんが似たようなのを持っていたが、値段を聞いて小学生の俺は本気で引いた記憶がある。


 さらに針。


 異世界なら餌釣りだろうと思っていたのに、カナメの仕掛けは完全にルアーだった。


 俺の視線に気づいたのか、カナメが少しだけ得意げに胸を張る。


「……この竿は万年輝夜竹を龍の涙に3日浸けて、風雷蛙の油を塗りこんだもの。糸は魔蚕の絹糸に鬼神椿の油をしみこませたもの、これなら例えアラハバキやアラミカミが掛かっても折れない」


 ……うん、とりあえず物凄く強い釣り竿に、物凄く強い糸だから、物凄く強い魚が来ても大丈夫ってことだな。


「……水温がこれくらいで、この時間帯なら、多分、棚は胸位だよ。最初は様子見で突っつくから、上手く針を合わせないとだめ」


 ……やべえ、こいつガチ勢だ。


  俺なんて管理釣り場で数回やった程度のにわかだぞ。


「と、とりあえず、やってみようぜ」


 俺は竿を振るい、毛鉤を投げ入れる。


 よかった。

 まだ感覚は覚えているようだ。


 俺の隣でカナメのスピニングリールのカリカリと巻き取る音が響いた。

 

「……来た」

「え!?」


 カナメが竿を立てリールを巻き取る。

 竿がしなり、水面近くに銀色の魚影が浮かび上がった。


 お、なかなかいいサイズだ。


「……エイタ、たも」

「お、おう」


 慌ててたも網を差し出す。

 掬い上げられた魚は、銀色の鱗を陽光にきらめかせていた。

 見た目はニジマスに近い。

 体長は25センチ前後。十分すぎるサイズだ。



「……こいつはトラ、塩をかけて焼いて食べると美味しい」

「へえ。俺の世界のニジマスっぽいな。味は食ってみないと分からないけど」


 この川では、このトラという魚がよく釣れるらしい。


 ただし、小さい個体は逃がす決まりになっていた。


 まあ、それは当然だろう。

 食べるなら大きい方がいいし、資源保護ってやつは大事だ。


 目標は4匹。

 夕食分としては十分だ。


 できれば8匹くらい欲しいところだが――欲張るとろくなことにならない。


 俺が伯父さんに連れて行ってもらった所はお金を払って入る、言わば管理釣り場だ。

 こんな自然の中で釣りをするのは初めてなので、釣れるかどうかは分からない。


 俺は毛鉤を流しながら、じっと浮きを見つめる。

 カナメみたいにルアーを操れるほど上手くはない。

 だから、待つしかない。


 ……つん。

 浮きが小さく揺れる。


 食ってる。

 でも、まだ浅い。


 焦るな。

 もう少し――。


 つつ、っと浮きが沈み込み、完全に水中へ消えた。

 今だ!


「ああ、だめかぁ」


 少し遅かったようだが悪くない。今の感じを忘れない様にもう一度トライだ。


 

 ***




 と、頑張ってみたものの、やはり管理釣り場とは違う。

 野生の魚は警戒心が強く、なかなか食いついてくれない。


 俺はいまだ釣果ゼロ。


 その一方で、カナメはすでに3匹目を魚籠へ放り込んでいた。


 ……くそ、せめて1匹。

 せめて1匹くらいは自力で釣りたい。


「あ、反応が来た」


 浮きがつんつんと反応し始める。

 この野郎、今度は絶対に逃さねえぞ。


 俺は竿を構え、全神経を集中させる。


 まだだ。

 まだ早い。


 さっきみたいに焦って合わせたら終わる。


 浮きがさらに深く沈み込み――。


「ここだぁ!」

 

 勢いよく竿を立てる。

 次の瞬間、手元へ確かな重みが伝わってきた。


 掛かった!


 だが、ここで終わりじゃない。


 釣りってのは、魚を掛けてからが本番だ。


 ようやく戦いの舞台に立てただけ。

 ここから逃がさず引き上げて、初めて勝ちになる。


 俺は魚の動きに合わせて竿を立て、慎重に糸を巻き取る。


 そこまで大物ってほどじゃない。

 けど、油断して逃がしたら立ち直れない。


 魚を岸近くまで寄せたところで、カナメが素早くたも網で掬い上げてくれた。


「よっしゃ! 釣れた! 釣れたぞ!!」


 思わず叫んでしまった。

 釣れたのは、カナメが最初に釣ったのと同じトラだ。


 サイズは少し小さいが、食べるには十分。


 俺は慎重に針を外し、魚籠へ入れる。


 いやあ、やっぱ自分で釣った魚ってテンション上がるな。


 そう思いながらカナメを見ると、どうやら次の一投で切り上げるつもりらしい。


 カナメが静かにルアーを投げ込む。


 そして――。


「……あ、来た」


 次の瞬間、竿が今までに見たことのないほどのしなりを見せた。


 なんだなんだ、あのしなりはかなりの大物じゃないか!?


「……エイタ、多分こいつ、アラハバキ」


 アラハバキって、カナメがチラッと言っていたな。


 あれ、今、魚影が少し見えたけど、結構デカくないか?


「……カナメだけじゃ無理、エイタ、手伝って」

「お、おう!」


 俺は自分の竿を放り出し、急いでカナメの後ろへ回る。

 一緒に竿を支えた瞬間――。


「ぬおっ!?」


 重っ!?


 二人がかりなのに、腕へかかる負荷が半端じゃない。


 竿は限界寸前みたいに軋み、張り詰めたラインが水中へ引き込まれていく。


 突如、水の中にいた大物が、水中から跳ね上がる。

 まるで俺を釣り上げてみせよとでも言わんばかりの圧で、陽光に照らし出された銀色の鱗が、とても美しく神々しかった。


「で、でけえ!」

「……間違いない、アラハバキ」


 あれがアラハバキ。


 まるで現実世界の銀鮭だ。


「カナメはあいつに勝ったことない。竿と糸は勝てるけど、いつも力負けして、針を外されてしまう」


 まあ、カナメは見た目だけなら小学生高学年くらいだしな。

 妖怪だから実年齢は不明だけど。


 だが、今回は違う。


 一人じゃない。

 二人だ。


 負けてたまるか。


「……まずは泳がせて疲れさせる」

「だな。今は耐える時だ」

 

 伯父さんも言っていたな。

 大物は無理に引っ張ると切られたり外されたりする。まずは疲れさせることだ、と。

 焦らず、時間をかけて行こう。


 カナメは竿を操り魚の引く力をいなす。

 俺はその動きに合わせ、竿をあげ補助をする。


 数分の攻防の末――。


 ついに、その動きが目に見えて弱まった。

 水面下での暴れ方が小さくなり、引き込みの鋭さも消えていく。

 

「カナメ、奴の力が弱くなってきたぞ。巻き取れ」

「……今日は、負けない」


 水面下に銀色の魚影が見えた。あと少し――。


「……エイタ、たも」

「あ、ああ」


 足元を見回すが、たもがない。

 視線を走らせると、少し離れた場所――借りていた竿の傍に置きっぱなしになっていた。


 まずい、届かない。


「カナメ、5秒だけ耐えられるか? たも取ってくる」

「……頑張る!!」


 俺はカナメを支えていた竿から手を離し、全力で駆け出した。

 1秒。

 たもを掴み、踵を返す。

 2秒。

 カナメの竿は、魚に引かれてじりじりと前へ持っていかれていた。

 3秒。

 俺は地面を蹴り上げながら駆け戻る。

 4秒。

 水面下を睨み、魚影を探す。

 

「見つけた、そこだ!!」

 

 五秒。

 銀色の魚影の下へ、たもを滑り込ませた。


「――っ!!」


 それと同時に、カナメがひっくり返るように倒れ込み、水面から小さなルアーが弾かれるように飛び出した。


「そ、そんな……外された!?」


 後少し早ければ、間に合ったのに、これは悔やんでも悔やみきれない……、ん?

 たもの先端が急にバシャバシャと音をたて暴れ出す。


「うお、入っているぞ!!」


 俺とカナメは慌ててたもを引き寄せ、そのまま力いっぱい陸へ引き上げた。


「で、でかっ……!」


 横たわった魚を見て、思わず声が漏れる。


 全長は七十センチを軽く超えている。

 流線形の体に輝く銀鱗。見た目はまるで巨大な銀鮭だ。


「……今日は大成果、夕飯は豪華にして」


 こりゃ、手を抜くわけには行かなそうだな。


 さあ、屋敷へ戻って夕食の準備をしよう。



「お、大きい魚なのです」

「ほう……こいつは見事な獲物じゃのう」


 トラは明日に回すことにして、今日はこの“アラハバキ”を使った料理を作ることにした。


 釣ってきたトラの鱗を落とし、頭と内臓を処理する。

 だが――。


「しかし、でけぇなこれ……」


 改めて調理台に乗せると、その異様な大きさがよく分かる。

 1匹で4人前……いや、下手をするとそれ以上あるぞ。

 俺は包丁を握り、アラハバキへ刃を入れる。


「よっと……3枚に下ろすだけでも重労働だな」


 骨も太く、身も分厚い。

 普通の魚とは比べ物にならない手応えだ。


 どうにか半身まで下ろし終え、俺は息を吐く。


「半分は今日使って、残りは明日の昼だな」


 切り分けた身を見れば、鮮やかな橙色が目に飛び込んできた。


「おお……」


 鮭に近い色合いだが、脂の乗りはそれ以上に見える。


 これは間違いなく美味い。

 期待に頬が緩む。


「よし……これは、ちゃんちゃん焼きが良さそうだな」

「ちゃんちゃん焼きなのですか?」


 俺は3枚におろしたアラハバキの腹骨を丁寧に削ぎ落としていく。


 本来なら中央に残る小骨も抜きたいところだ。

 だが、生憎この屋敷には骨抜きがない。


「流石にこれは無理か……」


 そう思いつつ、駄目元でヨウコに聞いてみると――。


「ええと……小さなやっとこならあるのですが」


 そう言ってヨウコが持ってきたのは、まるで工具用のペンチのような道具だった。


「……これ、使えるのか?」


 半信半疑で骨を挟んでみる。


 スポッ。


「おおっ!?」


 驚くほど簡単に抜けた。


 現実世界では専用の骨抜きを使っていたが、川魚の骨というのはしつこく、中々抜けないものだ。

 だが、このやっとこは掴む力が強く、面白いように骨が抜けていく。


「すげぇ……」


 おかげで骨抜き作業はあっという間に終わった。


 続いて、アラハバキの半身を切り身にして、下味の塩をふる。


 キャベツはざく切り。

 玉ねぎは薄切り。

 にんじんは5mm程の短冊切りにする。

 

 大きな平鍋に油を垂らし下味を付けた切り身を身の方から焼いていく。


 ジュゥゥゥ……。

 脂が弾ける香ばしい音が台所に広がった。

 焼き色が付いたところで裏返し、今度は皮目を焼く。

 俺の好みは皮面をパリッと焼ける位だ。


 皮面が焼けたら切った野菜を豪快に投入。

 さらに味噌、醤油、酒、砂糖を入れ平鍋に蓋をして蒸し焼きにする。


「野菜がいっぱいで蓋が閉まらないのです」

「ははは、大丈夫だよ、野菜から水が出て収まるようになるから」


 実際、蒸され始めればすぐに嵩は減る。

 今日はカナメが大活躍だったからな。

 みそ汁は好物のナスにしてやろう。


 きゅうりは塩昆布と和えて……あと一品どうするか。


 そう考えていると、ヨウコが控えめに手を上げた。


「あと一品は私に作らせてほしいのです」


 よし、ここはヨウコに任せてみよう。

 ヨウコは冷蔵庫からあるものを取り出した。


 あれは、油揚げだ!!


 油揚げを半分にしてお稲荷さんと同じ袋状にする。


 そこへ……。


「お、卵を入れるのか」


 袋の中へ生卵を落とし、口を竹串で留めた。

 さらに鍋に、めんつゆを水で割った出汁を作り、乱切りにした大根とにんじんを投入する。

 煮立ったところで、卵入りの油揚げをそっと鍋へ。

 ひと煮立ちした後は弱火に落とし、じっくり煮込んでいく。


「日々、油揚げを使ったお料理を考えていたのです」


 油揚げ大好きパワー恐るべし。

 すごいな、まさか卵巾着を自分で思いつくとは。


 とにかく、これで今日の夕食が揃ったようだ。


「お待たせ、今日はなかなかに豪勢だぞ」


 本日の夕食

 ご飯、ナスのみそ汁、アラハバキのちゃんちゃん焼き、卵巾着、きゅうりの塩昆布漬け


「このちゃんちゃん焼きは取り皿にとって食べてくれ」

「おお、これがさっき釣ってきた魚じゃな」

「……そう、カナメが釣ったアラハバキ」


 オウカとカナメは取り皿にちゃんちゃん焼きを山のように盛る。

 アラハバキの身、キャベツ、玉ねぎ、それぞれが味噌と絡んで匂いだけでも飯が食えそうだ。


「どれどれ……俺も味見するか」


 箸で身をほぐし、一口。


「むっ……美味いな、これ。飯が止まらんぞ」


 脂の乗った身に、味噌のコクと甘みが絡む。

 そこへ野菜の旨味が加わって、想像以上の完成度になっていた。


「……アラハバキ、美味い」

「野菜にも味が染みていて美味しいのです!」


 よかった。

 どうやら味付けは成功だったらしい。


 野菜は火を入れると水分が出るから、下手をすると味がぼやける。

 だから最初から少し濃い目に調整しておいたのだ。


 うん、我ながらいい出来だ。


 これは本当にご飯が進む。


「まだアラハバキが半分残っているのです」

「……あと、トラも4匹残っている」

「そうだな、あしたの朝と昼に分けて食べるとしよう」


 アラハバキはかなり脂が乗っている。

 揚げるより、焼き物の方が相性が良さそうだ。


 朝は塩焼き。

 昼はトラを南蛮漬けにするか。


 そんな献立を考えていると、オウカが別の皿へ箸を伸ばした。


「うむ、この油揚げ、中に卵が入っているのか」

「ああ、それはヨウコが考えた料理だ」


 現実世界では”卵巾着”という料理だが、この世界ではなかった料理だ。


「そうだヨウコ、この料理に名前を付けてみてはどうだ?」

「え、えっと、そうなのですね……」


 ヨウコはしばらく考えた後……


「銭を入れる巾着袋に似ているので巾着卵なのです」


 ……うん。

 異世界でも結局名前は変わらなかったよ。


 久々に魚が食べたいと思ったら、思いもしない大物が釣れたしな。


 そういえばこの世界って生魚とか食べられるのかな? 

 いや、冷凍庫がないし、寄生虫とかいたら怖いしな、食べるのはやめた方がいいな。


「……やっぱ焼くのが一番安全だな」


 俺はそう呟きながら、再びちゃんちゃん焼きへ箸を伸ばした。


鮭のちゃんちゃん焼き

材料

生鮭(切り身 or 半身、なければマスでもOK)…300〜400g

キャベツ 1/4玉(ざく切り)

玉ねぎ 1/2個(薄切り)

にんじん 1/3本(5mm短冊切り)

油 適量


味付け

味噌 大さじ2〜3

醤油 大さじ1

酒 大さじ2

砂糖 小さじ1〜2

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