第193話:伊勢の祈りと、松阪の口福
■Scene1:京都から伊勢へ、列車の旅
朝、京都駅から近鉄特急に乗って、三重県・伊勢市へ。
凛奈は車窓から見える山と川の穏やかな風景に、ふっと肩の力が抜けていく。
凛奈(心の声):
「こうやって移動するのも久しぶり。
“探偵じゃない私”でいられる時間、少し不安で……でも、やっぱり好きかも」
■Scene2:皇大神宮(伊勢神宮 内宮)へ
昼前に伊勢市駅に到着し、タクシーで向かったのは
皇大神宮――通称「伊勢神宮 内宮」。
五十鈴川の清らかな流れに手を浸し、境内を歩く凛奈。
参拝を済ませたあと、しばらく境内のベンチに座る。
凛奈(心の声):
「静かに“お願い”をする場所……
探偵って、いつも誰かのために動くけど。
私自身の願いって、何だろう」
■Scene3:名物と出会い、そして夜へ
参道では伊勢の名物――赤福、てこね寿司、伊勢うどんに少しずつ舌鼓を打ちつつ、夜に備えて腹八分目で抑える。
日が暮れる頃、向かったのは老舗の名店――牛銀 本店。
霜降りの松阪牛が目の前で焼かれ、じゅうと音を立てる。
店員:「おすすめは“特選すき焼き”でございます」
柔らかく、甘みのある肉が口の中でとろけていく。
凛奈:「……これは、事件の真相どころじゃない。
これはもう、完全に“解決後のご褒美”レベル……!」
■Scene4:宿での夜、ひとりの余韻
その夜は、伊勢市内の落ち着いた旅館に宿泊。
畳の上でくつろぎながら、凛奈は持参した旅ノートにペンを走らせる。
『今日も、事件は起きなかった。
でも、伊勢神宮と松阪牛は、心と体を“満たす”事件だったと思う』
そして、湯上がりの麦茶を飲みながら、ぼそりとひとこと。
「……明日も、こんな日ならいいけど――ね」
だが、その“希望”は、思わぬ形で打ち砕かれることになる。
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