第170話:スタジオの光と影
■Scene1:韓国、女優としての現場に戻る朝
北海道から帰国して数日後。
凛奈は久々の女優業の本格復帰日を迎えていた。
秘書(兼スタッフ)・ジウン:「本日、午前はドラマ撮影スタジオ、午後は映画のワンシーン撮影です。どちらも室内ロケですので、天候は心配いりません」
凛奈:「ありがとう。……また、女優としても頑張らないとね」
ジウン:「SNSでは“探偵復帰も女優もおめでとう”ってコメントが山ほど来てますよ」
スマホを開くと――
「凛奈さん、おかえりなさい!」
「キムチ探偵の凛奈と、銀幕の凛奈、どっちも好きです!」
「次のドラマ、楽しみにしてます。北海道編も最高だった〜!」
凛奈は思わず笑みを浮かべた。
■Scene2:女優仲間たちからの声
撮影所に到着すると、先に入っていた女優仲間たちが迎えてくれた。
朴恩斌:「凛奈〜! 本当に戻ってきたのね!」
韓韶禧:「ドラマの撮影、また一緒になれたらいいね。ずっと待ってたの」
金泰希:「あのキムチ事件の数々……まるで映画の脚本よ。今度、私も凛奈と共演してみたいな」
凛奈:「みんな……ありがとう。なんか、安心する」
スタジオの控室では差し入れに釜山名物・ミルミョンやチヂミが並んでいた。
■Scene3:午前の撮影、そして事件の気配
午前のドラマ撮影は順調に進行。
だが、セット裏の照明調整中――突然、悲鳴が上がる。
スタッフ:「キャットウォークから、誰かが落ちた!!」
駆けつけると、撮影監督のアシスタントが倒れていた。
幸い彼(テク35歳に)意識はあり、命に別状はない。
凛奈:「どうして……こんな高さから?」
スタッフ:「安全装置、切れてたんです……でも、そんなはずは……」
■Scene4:香りが導いた“目に見えない妬み”
凛奈は事故現場付近の照明スタンドに、小さな布袋が結びつけられているのを見つけた。
中には、干し柿キムチと黒にんにくの混合香が残っていた。
凛奈:「この香り……脳をぼんやりさせる効果が強い。
もしこれを近くで嗅いでいたら、高所でバランスを失ってもおかしくない」
スタジオスタッフの一人――別のアシスタントが静かに涙をこぼした。
「……私、嫉妬してました。
先輩ばかり注目されて、チャンスももらえて……」
凛奈は優しく言った。
「でも、“危うさ”は憧れのすぐそばにあるの。
それを超えて初めて、“プロ”になれるんだと思う」
■Scene5:夜の終わり、探偵と女優の間で
全てが収束し、夜。
凛奈は事務所に戻って、ソファに倒れ込む。
キムチの壺を見つめながら、心の中でつぶやいた。
『どんな現場にも、“光と影”がある。
女優の現場にも、探偵の視点が必要な時があるのかもしれない』
そして、そっと目を閉じた。
そして、新たな章へ…
数日後。
日本・東京から、一本の国際電話が鳴る。
「朴凛奈さんでしょうか? 実は、都内某所で不審な出来事が……… それと、あなたの“キムチ”にまつわる話を聞いて、ぜひご相談をお聞き願いたい。」
凛奈は受話器を置き、再びスーツケースを手に取った。
「次は……東京、ね」
北海道編 完結。
次章:東京編 ―『光と記憶の迷宮』、始動予定。
第171話と172話のみの予定。それ以降はまだ未定です。
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