表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
199/255

第161話:剣の記憶、星の街で


北海道編スタートします。

色々な市や町を周る凛奈の活躍を…


■Scene1:前夜・釜山、一本の電話


夜の事務所、凛奈が手帳を閉じようとした時――

スマホが震えた。表示は「北海道警察」。


「……もしもし、朴です」


「突然のご連絡、失礼します。

現在、函館市にて開催中の全国高校生剣道大会で、

ある異変が発生しまして……“五稜郭”と“箱館戦争”に関連した内容です」


「ぜひ、貴女にだけ見ていただきたい“証拠”があるのです」


凛奈の目が鋭くなった。


「了解しました。明朝、函館に向かいます」



■Scene2:函館空港、冷たい風とあたたかな歓迎


翌朝。

飛行機で函館空港に降り立つと、空は澄みわたっていた。


出迎えたのは北海道警の女性刑事・宮崎遥(36)。


「朴さん。テレビで観てます。まさか本当に来てくれるなんて」


凛奈:「事件が、私を呼んだだけです。どうぞ案内を」


車内で遥は説明する。


「実は昨日の大会で、“ある生徒”が突然“演武中に過呼吸で倒れた”んです。

その時、彼は“土方歳三が剣道場に立っていた”と叫びました」



■Scene3:高校剣道会場での違和感


大会会場――函館市体育館。


倒れた生徒・**北見陽斗(17)**は、既に退院していた。

だが、凛奈にこう語った。


「……夢じゃなかったんです。

あの時、後ろから誰かが僕の肩に手を添えて、こう言ったんです――

“戦う意味を、見失うな”って」


凛奈は彼の竹刀と防具に鼻を近づけた。


(この香り……微かに、梅干しキムチの残り香……?)


彼の昼食が入った袋を調べると、空になったキムチパックが。


遥:「それ、名産品ですよ。“函館・南茅部の梅干しとイカを合わせた変わりキムチ”。

でも眠気や幻覚の報告なんて一切……」


凛奈:「その“変化”が、今回の鍵かもしれません」



■Scene4:五稜郭・剣と記憶の交差点


午後、凛奈たちは五稜郭へ。

剣道大会の副賞で訪れたという生徒たちが、静かに土方歳三像を見つめていた。


その中に、陽斗の姿も。


凛奈:「ねえ。あの言葉、“戦う意味を見失うな”。

それはきっと、“勝つため”じゃなく、“守るため”じゃなかった?」


陽斗は目を見開いた。


「……たしかに。僕、“勝ち負け”ばかり考えてた。

でも土方さんの背中を見た時、“誰かの背中を守りたい”って思った」


凛奈はキムチの壺をそっと開いた。


「この香りは、人の“記憶”に触れる。

歴史も、想いも、混ざっていたのよ」



■Scene5:事件の終わり、星形の空へ


事件は、キムチの組成を解析した結果、天然の発酵酵母による記憶感覚の刺激と判明。

副作用の範囲内と判断され、無事収束した。


凛奈は日没前の五稜郭公園を歩き、星形の堀を眺めながら、胸の中で小さく呟く。


「土方歳三が残した“剣の誇り”は、

いまも誰かの心に剣として灯る。

キムチがそれを引き出したのなら……私は誇れる」


ポケットに、今日食べた函館塩ラーメン味キムチの空き袋をしまう。


風が、剣道の「面!」の声と重なって聴こえた――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ