『ナテルンダとよばれて』
本文は読みにくいと思われるので、あとがきが簡易のものです。
時間が無いのでどちらにせよ読みにくいかと思いますが……すいません。
ぜんぶもえちゃった。
だいすきなおかあさんも。
だいすきなおとうさんも。
だいすきなおにいちゃんも。
だいすきないもうとになるはずだったあかちゃんも。
おとうさんのだいじなしょうばいどうぐのばしゃも。
わたしのおようふくも。
あかちゃんのごはんも。
まえのおうちからあたらしいおうちにもっていくはずだったおもいでのしなじなも。
たぶん、おかあさんがわたしのいもうとになるあかちゃんをうんだのがさいしょなんだとおもう。
あかちゃんをうんだおかあさんは、からだをわるくしてしまったんだっておとうさんがいってた。ちかくにまじゅうがすんでいるとちだったから、あかちゃんをうんでつかれちゃったからだがかいふくしないんだって。だからまじゅうがすんでないとちにひっこすんだって。
まじゅうっていうのがなんだかはよくわからないけど、まえのおうちはすきだったからかなしかった。でも、おかあさんがのほうがすきだし、おかあさんがげんきになってくれたほうがうれしいし、まえのおうちのものはぜんぶもっていっていいっていってたから、だいじょうぶかなって。
おとうさんのしょうばいどうぐのばしゃで、おにいちゃんがよこながししてもらったぶきをつんで、それをぜんぶうってあたらしいおうちをかうんだっていってた。
おにいちゃんのおうまさんがひくばしゃにのって、いっしゅうかんのかぞくりょこう。
かぞくみんなでのりょこうははじめてだねって、おかあさんわらってた。
とちゅうのむらでおかあさんのおくすりと、あかちゃんのごはんをかって、それからふだんたべたことないものをたべたりもした。
おにいちゃんはよくおとうさんといっしょにしいれっていうのにいって、わたしがたべたことないものをたくさんたべてるってじまんしてたから、うらやましくて、だからすごくうれしかった。
ちゃんとみんなでいっしょに、わたし、なのに、しあわせだったのに。
ばしゃのまえにとびだしてきたひとがいたんだって。
じゅんちょうだったはずのばしゃがとまって、しらないひとがのってきた。わたしよりとしうえで、おにいちゃんよりもちいさいおんなのひと。
そのひとがわたしたちのばしゃにくまをつれてきた。
おにんぎょうじゃない、ほんもののくまを。
たらいたちをおそわせて、くまが。
わたしもくまにかじられて。
ばしゃが。
もえた。におい。
くさい。
きもちわるい。
におい。
おかあさんが。あかちゃんが。おとうさんが。
ちが。
あのおんながひをつけたから。ぜんぶもえた。
それでわたしは。
わたしは。
わたしの。
こえがする。おきろっていってる。
きれいな、いし。おとうさんがうってるのよりきれいなけん。
きれいないしをひろって。
わたしはあのおんなにさらわれたのか。だいすきなひとたちから、ひきはなされたのか。
でも、どうすればいいのかはわかる。いしがわたしにちからをくれるんだ。ちょうどよく、きてる。
だからそうする。そうすれば、あとはそれがしてくれる。
だから、わたしをすこしだけかしてあげる。
ね、くまさん。
全部燃えちゃった。
大好きなお母さんも、お父さんも、お兄ちゃんも、妹に呼ぶはずだった子も。
お父さんの商売道具の馬車も、私の洋服も、赤ちゃんのごはんも、前のお家から新しいお家に持っていくはずだった思い出の品々も。
多分、お母さんが私の妹を産んだのが全ての始まりだったんだと思う。
赤ちゃんを産んだお母さんは体を悪くしてしまったんだとお父さんが言っていた。魔獣が近くに住んでいるから土地では、人は住みにくい。赤ちゃんを産んで衰えた体力を回復させられない。だからもっと安全な土地に引っ越すんだと。
魔獣というのがなんだかはよくわからないけど、前の家は好きだったから悲しかった。だけどお母さんの方が好きだし、お母さんが元気になるためならしょうがないと思った。何も置いていかなくていいと言ってたし。
お父さんの商売道具の馬車で、お兄ちゃんが横流しで仕入れた武器をたくさん積んで、それと引き換えに清む場所をもらうんだそうだ。
馬車に乗っての引越しのたびは、まるで家族旅行みたいで、お母さんも笑っていた。
普段から仕事で遠出するお兄ちゃんの自慢話を聞かされてたから、旅をするのはすごく楽しかった。
家族みんなでいればどこでだって幸せになれるんだと思っていた。
だけど事件が起きた。
馬車の前に誰かが飛び出してきて、その人が熊は連れてきていた。
私たちの馬車は熊に襲われた上、その人が火をつけてそれで……私は……
そう、誰かが起きろって。気のせいじゃなければ、綺麗な宝石がそう言ってる。
私には力があるって。
私を家族から引き離したあの女に仕返しする力があるって言ってる。
私の力を熊に貸せば、全部してくれるって。
だから。だから私は。




