第十九話 女子会は居酒屋が本番
夜。
駅前の居酒屋。
四人席。瓶ビール。
A
「かんぱーい!
既婚者ひより!」
全員
「乾杯!」
⸻
結婚初夜
B
「で?」
C
「まず初夜からでしょ」
ひより
「……順番ある?」
A
「ない」
ひより
「結論から言うと」
一拍。
ひより
「迷子でした」
B、爆笑。
C
「社長が?」
ひより
「経験はある人なんだけど」
ひより
「私相手だと全部止まる」
A
「優等生か」
ひより
「どうすればいいか
分からない顔してて」
C
「で?」
ひより
「私が手を引きました」
一斉に。
全員
「強!!!!」
⸻
新婚旅行
B
「次、旅行」
ひより
「行き先は静かなところ」
C
「リゾート?」
ひより
「違います」
ひより
「何もしない場所」
A
「……あの人、耐えられた?」
ひより
「三日目で」
ひより
「散歩が日課になりました」
B
「成長してる(笑)」
⸻
奥様ランチ会
C
「で、一番気になるやつ」
ひより
「想像通りでした」
A
「マウント?」
ひより
「いいえ」
ひより
「全員必死でした」
B
「で?」
ひより
「評価しなかったら」
ひより
「静かになりました」
一同、納得。
A
「やっぱ捕獲者だ」
⸻
締め
C
「総評」
ひより
「彼は」
ひより
「外では世界を回す人」
ひより
「家では私の隣で迷う人」
A
「最高じゃん」
B
「可愛い?」
ひより、少し考えて。
ひより
「……可愛いです」
全員
「出たー!!」
ビール追加。
⸻
オチ
ひより
「でも」
全員
「?」
ひより
「居酒屋でこの話してるの知られたら」
A
「殺される?」
ひより
「いえ」
ひより
「静かに胃薬を飲む人が一人増えます」
全員爆笑。
⸻
継、くしゃみ。
⸻
(つづく)
※次回――最終話
小さな紅型工房に、
“場違いな二人”が現れます。
一人は経済で世界を見る男。
一人は空から戦場を見る男。
そして――
一枚の紅型が、その価値を暴きます。




