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Bingata Legacy 〜沖縄戦×米軍基地配置×禁忌の紅型〜  作者: ちま
第四部 尚造編 ― 時と海を越える遺志 ―
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第三十九話 副司令と経済王と遊園地

戦争。

国家案件。

歴史問題。

展示会問題。


色々と重たい話が続きました。


その結果――

継のHPがゼロになりました。


そんな彼を救うため(?)、

ジョンと林明浩リン・ミンハオが参戦します。


しかし。


なぜか遊園地へ行くことになり、

二人のオタクが大暴走します。


たまには肩の力を抜いて、

2045年組のわちゃわちゃをお楽しみください!

2045年7月中旬。

 

那覇市。

国際通り近くのカフェ。


継は、

コーヒーカップを見つめていた。


ため息。

また一つ。


向かい側では、

林明浩(リン・ミンハオ)がチーズケーキを食べている。


「重症だな」


「何が」


「お前」


即答だった。


継は苦笑する。


「紅型布団の件だろ」


「噂広まるの早くないか?」


「SNS社会だぞ」


「否定できねぇ」


林は肩をすくめた。


継は窓の外を見る。


観光客。

平和な街並み。


だが頭の中は、

ずっとあの布だった。


「正直さ」


「誰かに決めてほしい」


「無理だな」


「即答かよ」


「お前が尚造の孫だから」


継は黙った。


「他人が決めたら」


「お前、一生後悔するだろ」


沈黙。


図星だった。


林はフォークを置く。


「簡単だ」


「何が」


「関係者全員」


「布団の上に立たせろ」


挿絵(By みてみん)


「は?」


「沖縄」


「広島」


「長崎」


「アメリカ」


「全員の顔見て決めろ」


「お前一人で背負うな」


継は少しだけ笑った。


その時。


隣の席から声がする。


ジョン

「その意見に賛成だ」


「いつからいた」


ジョン

「十分前」


「盗み聞きか」


ジョン

「聞こえた」


悪びれない。


ジョンはコーヒーを飲む。


ジョン

「少なくとも」


「俺は展示に反対しない」


「……」


ジョン

「真実を隠した結果が1945年だった」


静かに続ける。


ジョン

「なら2045年は逆をやるべきだ」


継は視線を落とした。


少しだけ、

肩の力が抜ける。


その空気を見て。


林が立ち上がった。


「よし」


「何が」


「お前、脳みそ煮えてる」


「否定できない」


「遊園地行くぞ」


「は?」


ジョン

「賛成だ」


「なんでだよ」


ジョン

「航空力学の研究になる」


「帰れ」



数時間後。


沖縄県内某所。

大型遊園地。

絶叫系コースター。


澪と文造も連行されていた。


文造

「なんで僕まで」


「面白そうだから」


文造

「最低だ」



絶叫系コースターの車両が、

ゆっくりと頂上へ引き上げられていく。


ガコン。

ガコン。


継はすでに顔色が悪かった。


「……副司令」


「これ本当に安全だよな」


ジョンはシートベルトを確認する。


ジョン

「最大荷重テストは基準の1.8倍」


「安全係数は十分だ」


「そういう話じゃねぇ」


隣の林が口を開く。


「この施設」


「設備投資額いくらだろうな」


「お前もやめろ、経済王」


ジョン

「この傾斜角は美しい」


「客単価も気になる」


「普通に乗れ!!」



そして。


落ちた。


「うわああああああああああ!!」


急降下。


急旋回。


ループ。


ジョン

「約3G」


「回収期間十年くらいか?」


「そっち!?」


ジョン

「F/A-18の急旋回に近い」


「利益率は――」


挿絵(By みてみん)


「黙れぇぇぇぇぇ!!」



停止。


ホームへ戻る。


継は完全に死んでいた。


「……地上が優しい……」


ジョンは平然としている。


ジョン

「もう一回いける」


「俺も」


「いかねぇよ」


その瞬間。


近くにいた若い米兵が、

反射的に敬礼した。


米兵

「Sir!」


「だから副司令やめろ!!」



少し離れた場所。


澪と文造が、

その光景を見ていた。


文造

「父さん苦労してるな」


「うん」


文造

「でもさ」


「?」


文造

「あの二人がいるなら」


「大丈夫そう」


澪は少し笑った。


「そうだね」


挿絵(By みてみん)


視線の先。


ジョン

「次はあれだ」


「行こう」


「嫌だァァァァ!!」


叫び声が、

青空へ吸い込まれていった。



(つづく)

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