第024話 名前を付けました
領都に紛れ込んだ、フォレストキャットの子猫を手懐けてしまったエド。
早速、お家に連れて帰っちゃいます。
かーちゃんとのんびりお散歩なハズが、いきなり現れたフォレストキャットの子猫を手懐けてしまったエド。かーちゃんとクロエは心の奥底では「・・・怖い」と思っているが、エドが子猫?とキャッキャしているのを見ていると、自然に頬の筋肉が緩んでくる。
お家に着いたはいいが、流石に家の中に入れるにはいかずに、裏庭の方に回り込む。
子猫?は初めて見るものばかりな様で、首が上下左右にちぎれんばかりに動き回る。とりあえずは厩で暫くは過ごしてもらうことにする。
「ねえねえ、君ってご飯はどうしてるの?」
エドは子猫?の頭を撫でながら、尋ねる。
子猫?はちょこっと首をかしげながら、
「そうだねぇ、最近はかーちゃんと一緒に森の中で狩りしてたよ」
「狩り?」
「うん、レッドバイソンとか、シルバーグリズリーとか」
・・・・・・・レッドバイソン?シルバーグリズリー?
『おい、ガイア。レッドバイソンとかシルバーグリズリーって』
『あ、前の世界で言いますと、バイソンとグリズリーですよ。ちょっと前の世界よりは大きいと思いますが』
『まあ、この子が牛サイズになるんじゃろ?大体想像が付くが・・・』
『ええ、どちらもAランク冒険者がパーティ組んで、ようやく倒せるかですね。騎士団でも中堅クラスのの20人ほどでやっつけれるくらいに設定しましたが』
出たよ、製造者。
そんなでっかいのを狩る猫を「つい」飼おうと言ったちょっと前のワシに、スライディング土下座しろと言いたい。
「あ、でもねぇ、狩りも10日に1回くらいだったよ。それで十分なの」
ワシの曇った表情に気が付いたか、子猫?が喋りかけてくる。
「え?そんなに小食?」
こんなに図体がでかいのに、そんな頻度で大丈夫なのか?
「でも、かーちゃんと僕と妹でレッドバイソン1匹あれば、ひと月くらいは大丈夫だよ」
「・・・・そ、そうなんだ」
ワシの予想じゃと、ヘタすりゃt単位の体重じゃろ?森って恐ろしいところじゃな。
「それに、ここって僕の獲物居なさそうだし、お腹空いたら森に行って自分で狩りしてくるよ」
「え!」
ちょマテ、勝手に森に行って狩りしてくる?そんな事出来るのか?
「見てたけど、この街の壁って僕なら簡単に飛び越えれる」
ああ、そうじゃな。猫って自分の体長の4・5倍は飛べるって聞いてたが、あ、この子、体長がすでにm超えじゃったわ。なら街壁も難なく飛べるってか。
「そうなのか・・・・。正直、何をどれだけ食べるか知らなかったから、助かった」
ワシが子猫?にそう言うと、子猫?はゴロゴロとのどを鳴らしつつ、ワシにすり寄ってくる。
「なんかねー、君って僕の触り方がかーちゃんの舌によく似てるんだ」
「は、撫で方」
「うん、撫でられてるとね、すごく落ち着くんだ。だから、なんか寂しくないなぁって」
「そ、そうかい・・・・」
うーん、前世もウチの猫を撫でてると、あいつはゴロゴロ言ってヘソ天状態じゃったな。あんまりにも気持ちよさそうじゃったから、撫でまくってたらそれだけで1時間くらい過ぎた事もあったな。
「ねえねえ」
「ん、何だい?」
子猫?の呼びかけに意識を取り戻す。
「僕に名前つけてよ、僕も君の名前知りたい」
「おー、そうだった。って言っても、あんまりいい名前付けられると期待しないでよ」
「何でもいいニャ」
と言ってもなぁ・・・・。
前世ならチーター並みの大きさ。そして真っ黒な毛並み・・・・。やはりアレしかない。
「よし、決めた。今日から君は「クロ」だ。僕の事はエドって呼べばいいよ」
クロと呼ばれた子猫?は一声にゃーんと大きく鳴いた後、
「クロ、良いね。エド、ありがとう」
そう言うと、顔に顔をこすりつけて甘えてくる。
暫く厩でクロと遊んだ後、クロを家の中に入れてみることに。
「母上、この子に名前付けました。クロって呼んでやってください」
目の前に現れたでっかい黒猫に、かーちゃんはまたもやビビり倒してたが、クロが、ちょこんと座って首をかしげる猫の「あざとい」ポーズしたら、一気にデレた。ノドをゴロゴロ鳴らしながらすり寄っていくと、
「あらあら、こんな大きい猫さんでも、可愛いじゃない」
ハイ、かーちゃんオチました。
クロエもおどおどしていたものの、目の前で「ヘソ天」見せつけられたら、ダイブして猫吸いする。
とまあ、あっけなくかーちゃんとクロエもオチたし、昼間は家の中をウロウロして、夜はワシのベッドで寝なさい。とお墨付きを頂く。いや、かーちゃん。今なら一緒にベッドに寝れるが、こいつは大きくなると「牛」じゃぞ。どうしたもんだか・・・・。
あ、引っ越し先の新居のベッドを牛でも寝られるくらいに、頑丈にすればいいか。
一応の処遇も決まったことで、ワシらとクロで遊ぶ。でっかい図体だが、基本は子猫?なので、なんにでも興味を示して、遊びのネタには事欠かなかった。
そんなこんなで、いつの間にか時刻は夕方に。
昼間の騒動で疲れ果てた親父殿が家に帰ってきた。
「にゃーん」
「うわーーーーーっ!」
まさか自分の家にフォレストキャットが居るとは思わなかった親父殿。思いっきり腰を抜かして居る。
「父上、今日からウチの猫になりました。クロです」
ワシは黒の頭を撫でながら、クロに親父殿に挨拶するよう促す。
「にゃん」
親父殿は、泣きそうな顔で、
「エド、ちゃんと面倒見れるか?」
「はい(ご飯はクロが自分で調達するけど・・・)」
「ならいい。そうだな、ウチの猫っていう印になる首輪でも、ルドルフに作って貰え」
そう言うと、かーちゃんには飯は要らない、寝るわ。と言って部屋と歩いて行った。
「父上、大丈夫かな?」
「大丈夫よ、スタンピードを乗り越えた人よ。多分、大丈夫・・・・?」
「母上、お腹空いた」
「にゃーん」
親父殿以外の面子は、心配をひとまず置いておいて夕食にすることにした。
今でも十分大きいフォレストキャット。これで、エドが行動する際に「お馬さん」代わりになってくれそうです。(ただ、当分の間は住民たちがびっくりしそうですが)
親父殿は、すでに諦めてるのかな?




