第009話 騎士団の中を探検します
久方ぶりの更新ですね。すっかり忘れてた・・・・・って訳でも有馬線。
リアルな方で旅行に行ったりで、準備→旅行→余韻なんてことしてますと、時間が溶けるのが早い早い。
あとはですね、作者の住む「名古屋」って街はマジで「死ねる」暑さなんです。よくもまあ人生50年もこの街で暮らしているもんだな。と感心してます。
この街生まれですから、お盆の帰省なんてのは関係ないですし、無駄に休みがあるので、「じゃあ、更新でもするか?」それくらいのスタンスです。
親父殿に連れられて初のお出掛けは、親父殿の仕事場である騎士団。親父殿の後ろに付いて行って、早速一階にある食堂へと連れられる。
「おはよー、タチアナは居るか〜?」
親父殿の大きな声が食堂に響くと、奥の厨房から「ドスコイ級」のおばさんが現れた。
「カークかい、そんな大きな声で無くても聞こえるから。あ、この坊やがあんたが目に入れても痛くないって言う息子さんかい」
タチアナと呼ばれたドスコイ級のおばさんは、まるで自分の孫を見るかのように、にんまりとした笑顔をワシに向ける。いや、タチアナ・・・。悪いが、ワシゃ「デブ専」の気はないでの。
ポーン
タチアナ
40+x歳
騎士団食堂料理長
夫と四人の男の子の母親
影の騎士団長
おお四人の男の子のおっかさんかい。体格も逞しいのぉ(一応褒めておく)。しかし年齢んとこの「プラスx」ってのは何じゃい?
『ああ、アレですか。ご本人は「永遠の40歳」と言う触れ込みですので』
おいガイア。そんなトコ、忖度せんでも良かろうて。
『まあ、あなたの感覚ではそうなんでしょうがねぇ。それよりも「影の騎士団長」ってトコが気になりません?』
ああ?そう言えばそんな二つ名が付いておるが、意外と戦闘能力が有るとかかや?
『いやいや、騎士団員の胃袋をがっしり掴んでますからね。いざとなれば領主の命令よりも彼女の命令の方が通りやすいと言う事ですね』
おー怖、おばさんなんて言おうモンなら・・・。
『ええ、社会的に抹殺されますね』
・・・、うんひとつ覚えたぞい。妙齢の女性には「おばさん」は禁句じゃ。そう言えば昔も失敗しとった奴が居たなぁ。あんときゃもう、周りも火の粉を被りたく無くて、四面楚歌じゃったな。ああはなりたくないわい。
「済まんが今日は息子のエドが、仕事場を見たいって言ってな、連れては来たんだが、何かあったら助けて欲しいな。と思ってね」
カークはエドの頭をなでながら、タチアナに挨拶させる。ワシも処世術ぐらいはわきまえておる。ちょこん。と頭を下げて挨拶する。
「40過ぎてようやく出来た長男坊だもんね。デレデレになるのは仕方ないわよ。何かあったら言いな。出来る事はやってあげるわ」
年齢的にも下の親父殿、随分と下手に出ておるの。騎士団に入った頃からの悪行三昧を知られとるんか?そりゃ影の騎士団長とも称されようて。
「エド、何かあったら食堂に行ってタチアナを呼びなさい。大抵の事ならやって貰えるからね」
「あい、父上、わかりましゅた。タチアナしゃん、よろちくおねがいしましゅ」
しっかりとした返事をすると、タチアナは大笑いしながら、
「悪ガキ坊主がいつの間にか騎士団長様にまで上り詰めて、そしてこんな可愛い男の子を授かるんだもんね。あたしも歳取る筈だわ。エドって言ったね。今日だけじゃ無くって、いつでもおいで。しっかりと面倒見てあげるから」
やはり母親と言うのは偉大な存在である。多少の事では動じる事もなさそうだ。
エレナから貰ったバスケットをタチアナに預かってもらい、食堂を後にして、次に向かったのは訓練場であった。近付くにつれて稽古の声が聞こえてくる。
昔で言えば学校の体育館ぐらいの広い場所で、騎士達はそれぞれの訓練に勤しんでおる。奥の方では魔法で何か飛ばしておる騎士もいる。
「ここが我が騎士団の練習場だ。剣に槍、弓に魔法と殆どの練習はここで行ってる。今の時間は入団して2、3年のヒヨッコ共ばかりだな。午前中はここで武術を稽古し、昼からは戦法とかの座学をこなしている。いつかはエドもここで訓練するのか・・・」
ちょっと待って、最後の台詞だけは聞き捨てならんぞ。確かに親と同じ騎士の道を目指すのも親孝行じゃろうが、ワシゃガイアとの約束があるでの。親父殿には申し訳ないが、最後の台詞は夢に終わろうて。
「どうしたカーク。いつもの様に殺気を出してないから気が付かなかったぞ」
年齢的には親父殿と同世代か。左頬の刀傷のせいで笑顔が少々引き攣って見える。何も先入観なしだとちょっと近寄り難いの。
「おいおい、息子を連れて殺気立ってたら、嫌われてしまうだろうが。おいエド、こいつはチャールズ。弓の名手なんだが、血の気が多くて剣も立つ。我が騎士団の斬り込み隊長だ。ほら、挨拶しなさい」
親父殿に紹介されたので、ご挨拶する。
「はじめまして、僕はエドワード。リッチモンド家の嫡男です。ちゃーるす様、以後、お見知り置きを」
「おいおい、ホントにこの子1歳になったばかりなのか?ウチのバカ息子でもこんな丁寧な挨拶は出来んぞ。ああ、エドワードだね。私はチャールズ・ハミルトンと言う、親父さんとは騎士団の数少ない同期でな、昔は色んな遊びをしたもんだよ」
「こらこら、挨拶ついでに人の昔の悪行を漏らそうとするな」
カークはチャールズに向かってマジな顔して怒鳴る。ふふん、いつかはチャールズから昔の「おいた」話を聞きだしてやろうかの。
「ははは、安心しろ。「かっこいい騎士団長の親父」と言うイメージをぶち壊すほど、悪じゃねー」
ポーン
チャールズ・ハミルトン
46歳
男爵・騎士団副団長
ハミルトン男爵家当主
遠見のスキル持ち
このチャールズさんは副団長かい、んでもって生粋の貴族様たぁすげ〜な。そんな方なのに親父殿と分け隔てなく接していると言う事は、本当に仲が良さそう。やっぱり騎士団って凄い人ばかり集まるんじゃのぉ。
『大方の騎士は人間性に問題はありません。多少の問題があったとしても騎士として成長するにつれ、人間性も成長しますからね』
そう言うもんじゃろうな、人間性はその人間の周りの環境が作っていくもんじゃし。
『私としては貴方の周囲の環境を良くしたいところですがね』
こら、聞き捨てならん台詞じゃな。ワシの周りの環境が悪いとでも言うのか?
『いえいえ、貴方の悪影響を周りが受けないか。それが心配なだけです』
何じゃと?ガイアめ、ワシにだけはエラく突っかかってくるのぉ。
『生まれてすぐからおっぱい星人なのは、何処の何方でしたかな?』
分かった分かった、今回はワシの負けじゃわい。
親父殿はワシを抱き抱えると、チャールズに向かって、
「余り訓練の邪魔になるのもアレだ、さっさと他のところを見せてやらんとな。邪魔したぞ」
と言ってさっさと立ち去る。
チャールズはそんな親父殿の後ろ姿を見て、
「ぶちかましのカークも、親になって丸くなったって事かな?」
そう呟いて、練習場の新米騎士をシゴキに戻って行った。
さて、親父殿の職場訪問が始まりました。
家から職場までの道すがらも、エドにとっては刺激がありますね。
さて、次は誰に会うのかな?




