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【完結済】守ってあげたい蠱惑姫と思いきや、1人で何でも出来る孤独姫でした〜捕まえておけないので自由にさせておきます〜  作者: 朔島 涼
三章.サルヴァ山の元凶

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51.完成間近の魔王城

「ふぁーー。流石に疲れたわね。」


エレノアはロスタルのシンデレラカフェの居住スペースで5日目の朝を迎えた。毎晩ここに帰り、ご飯を食べてシャワー浴びて泥のように寝る。起きてご飯を食べたら、文字通りサルヴァ山に飛んでいく、というルーティーンとなっている。


「こんなに時間がかかると思っていなかったから、レオ様に店番をお願いしてよかった。他の店は上手くやっているかしら…」

「レオ様のお話では、特に問題ないと聞いています。」


朝食の用意をしてくれたアナが答えた。アナはシンデレラカフェで働く土人形である。土人形たちはエレノアの魔力で動いているため、本来ならエレノアが巡回して魔力の補充を行なっていたのだが、今回は魔石にエレノアの魔力を貯めて、そこから補填してもらっている。


「今後、公務などで店を開けることが多くなるかと準備しておいたけど、このような形で早々に活躍するとは思わなかったわ。」


エレノアが一度空っぽになった魔石を手のひらに乗せ、再度魔力を込めながら呟く。


「マスター、お弁当の用意ができました。」


ガスが厨房から現れ、小包を手渡してくれた。ガスももちろん土人形だ。


「ありがとう!ちょうど魔石も満タンになったところよ。お店のことはよろしくね。」


そういうと、魔力の満タンになった魔石を2つずつアナとガスに手渡した。これを1店舗にひとつずつ転移陣で送ってもらっている。


「承知しました。」

「どうぞお気をつけて。」


アナとガスに見送られ、今日もサルヴァ山に向けて元気よく飛び出した。





大掛かりな工事や作業は終わったため、1万体いた土人形を合体して徐々に減らして今は1000体ほどになっている。最初は小さい方が小回りがきいてよかったが、4日目から買い出しなどの任務が増えてきたため、合体してもらい大人サイズの土人形も数十体か誕生している。最終的には100体ほどに減らして、アダムの城に常駐させ、使用人兼警備兼アダムの見張りを任せる予定だ。


今日は買ってきた寝具やリネン類を片付けたり、絨毯を敷いたり、カーテンをかけたり、書庫に本を詰めたり、ギャラリーに絵を飾ったり、城作りも終盤に差し掛かっている。


「魔石はここに置いておけば補充しやすいわね。」


ロレーヌ邸と繋がる転移陣の部屋に、魔石用の棚を設置した。特殊な棚ではなく、普通の棚に魔石を並べただけだ。


「万が一の時用に土人形ちゃんたち100体は残したいけど、その稼働に必要な魔石を補填し続けるのはむずかしいわね。魔石は緊急時用に備蓄しておいて、基本は毎日私が来るしかないか…となると、後々王城からの転移陣を作る許可も頂かないとね。」


ふぅーっとエレノアはため息をついた。


「城は無事に出来上がったけど、まだまだ課題は山積みね。」


そう、城自体はもう出来ているのだ。そしてアダムの寝室も。しかし、エレノアはその先まで考えていた。


「私がいなくなった後、私の血族の魔力で土人形達が動くのかも試しておかないとね。それから、もし動かなかったときは、本物の使用人と警備隊を置かなければならないから、普通に人が住めるようにして置かなければいけないし。そして、その人たちが嫌にならないようにある程度の娯楽も用意して…」


うーん、うーんと唸りながら土人形たちに指示を出し、内装も着実に出来上がっていった。1000体の土人形に指示を出す知能と、それを稼働させる魔力も併せ持つエレノア。魔王城を作るその姿は、もはや魔王であった。

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