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【完結済】守ってあげたい蠱惑姫と思いきや、1人で何でも出来る孤独姫でした〜捕まえておけないので自由にさせておきます〜  作者: 朔島 涼
二章.ヘレンツェの王太子

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38.レオナルドの勘

「どうしたの?さっきからソワソワして。」

「レオ様がこういう悪ふざけを始めた時には必ずリヒト様が急に現れる傾向がありまして……。」

エレノアは目を細めてキョロキョロとしている。


「ははっ、集計とってるの?さすが勉強家だね。」

「笑い事じゃありませんよ。店が燃えてしまわないかヒヤヒヤするんですから。」

「リヒトはエレノアの大事なものを絶対に傷つけたりしないよ。」

「確かに……それはそうかも。」

エレノアは顎に手をあてて頷いた。


「それよりも、俺の心配はしてくれないの?」

レオナルドはそんなエレノアを上目遣いで見つめる。


「レオ様は自業自得です。リヒト様を煽ったりするから」

「あはは、手厳しいな。そういえば、リヒトはそんなに頻繁にエレノアの元に?」

「ええ、誕生日パーティーの後は2、3日に1回は顔を出してくださいます。移動ゲートを使っていらっしゃるでしょうから、時間はかからないとはいえ、ご公務に支障が出ていないか心配です。」

「そんなに?すごいな。俺も負けていられない。」

「レオ様は張り合わなくていいですよ!」

「あはは。でもね、俺は結構勘がいいんだ。歓迎されていないと分かっていても、エレノアのお店を全て回る必要がある。何となくそんな気がするんだよね。」

今までヘラヘラしていたレオナルドの顔が急に真剣なものに変わる。


「歓迎されていないことは気がついていらっしゃったんですね。でも、最近では面白くなってきちゃってますし、お話を聞いてくださるのも楽しいです。でも、勘ってなんですか?なんで全店制覇する必要があったんです?」

エレノアは首を傾げる。


「勘だからね、理由なんて分からないし、何が起こるのかも分からない。でもこうのは当たるんだ、昔から。」

「何だか、不思議な話ですね。」

「そうだな……例えばこの前の事件で言うと、クラゲは討伐してはいけないと感じたし、リヒトを呼ばなければと思った。本当に呼ばなければならなかったのは、エレノアも合わせてふたりだったけどね。」

「な、なるほど?」

さらに不思議な話に、エレノアは相槌を打ちながらも再び首を傾げる。


「まあ、俺のはほんとに勘程度なんだけどね。こうした方がいい、こうしなければならない、と言うのが分かる時があるんだ。でも、ヘレンツェの初代国王ははっきり先見の能力とも呼べるほど、未来のことを予言できたらしい。それからもたまに、王族の中に先見の能力を持って生まれるものがいるが、現在の王族には幸運なことにその様な者は存在しない。」

「それは幸運なのですか?」

またまた不思議な話が続き、エレノアはさらに首を傾ける。


「ああ。その能力が発現した王族のいる時代には、必ずヘレンツェの存続の危機が訪れていたからね。先見はすごい能力ではあるものの、発現しない事が平和の証なんだ。」

「興味深いお話ですね。ですが、全く知りませんでした。国内では有名なお話なのですが?」

「いいや、全く。」

しばらく真面目に話していたレオナルドが、またへらりと笑う。


「え?」

嫌な予感がしてエレノアは固まる。


「ヘレンツェの王族に代々語り継がれているけど、国民に不安を与えかねないから、外部の者は誰も知らないんだ。だからエレノアは俺のところに嫁に来るといいよ。」

レオナルドの無邪気な笑顔を前に、エレノアがフルフルと震えている。


「……いい加減にして下さい!!」

レオナルドは物凄く怒られて、しょんぼりと帰っていった。

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