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【完結済】守ってあげたい蠱惑姫と思いきや、1人で何でも出来る孤独姫でした〜捕まえておけないので自由にさせておきます〜  作者: 朔島 涼
二章.ヘレンツェの王太子

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36.お互いの気持ち

「リ、リヒト様!そんなにマジマジと見られていると、ハマるものもハマりません!」


元々つけていたシンプルなゴールドのピアスを外して、新しいピアスをつける。ただそれだけの事なのに、鏡越しとはいえ間近で見られていると言うだけで、手が震えて上手くつけられない。


「真剣な表情のエレノア可愛い…こうして見ると、年相応の女の子に見えるね。」


リヒトは目を細めて笑う。


「もう、揶揄わないでください。自分で付けてもらいますよ。」

「わぁ、ごめんごめん。嬉し過ぎて、つい浮かれてしまった。じゃあ一緒につけよう。」


そう言うと、リヒトはエレノアの手に自分の手を重ねて器用にピアスをつけた。


「ほら出来た!」


リヒトは満足そうに鏡を見ているが、エレノアはぐったりと椅子に腰掛ける。


「初めからご自身でお付けになれぱ良かったのでは?」

「だって、せっかくだからエレノアにつけて欲しくて。それに、両想いだと分かったのだから少しくらい距離を縮めてもいいかなと。」


リヒトがコテンと首を傾げ、エレノアもつられて傾げる。


「両想い?あっ…」


ボッと音が聞こえるくらいエレノアの顔が赤くなる。


「嬉しかったなー。ずっと片想いだと思っていたから。一度、逃げられちゃったしね。助けたお礼で再婚約してくれてると思ってた。」


リヒトはそれはもう、本当に嬉しそうに笑った。そんなリヒトを見て、エレノアも微笑む。


「ふふ、もう2度と逃げたりしません。」

「それは本当にお願いします。エレノアがいなくなったら生きていけないかもしれない。」


リヒトは笑顔のまま目を伏せる。


「リヒト様は大袈裟ですね。でももう、リヒト様の前からいなくなったりしません。」


エレノアは無意識にリヒトの頭を撫でる。リヒトは俯いたまま話し始めた。


「ねえ、エレノア。僕はエレノアに初めて会ったその瞬間、君に一目惚れしたんだ。その後、君が一生懸命勉強や訓練を頑張っている事を知って、苦しい思いもしていたろうし不謹慎かもしれないが、本当に嬉しかった。僕はひとりじゃないって思えたから。それから、エレノアと会える日はすごく楽しみにしていたし、唯一の癒しだったんだよ。でもね、僕はまだまだ子どもで素直に気持ちを伝えられなかったばかりか、君を閉じ込めるなんて馬鹿な事をした。」

「ふふ、そんな事もありましたね。懐かしいです。」


目を細めて笑うエレノア。ゆっくりと顔を上げたリヒトの瞳は濡れているように見える。


「本当にごめん。」

「いいえ、そのおかげで外に飛び出して色々な経験も出来ましたし、結果オーライです。」


エレノアは右手を胸の前で握りしめてニコリと微笑む。


「エレノアは優しいね。」

「そうですか?思ったままを口にしただけです。でも、こんなにもリヒト様に想っていただけているとは思いませんでした。ご迷惑ばかりおかけしていたので。私がいなくなった方が色々上手くいくのではくらいに思っていましたから。」


エレノアは苦笑いを浮かべる。


「そんな事を思わせるくらいには、僕の言葉が足りず、好意も上手く表せていなかったのだと思う。だから、再会してからは2度と後悔しないように、エレノアには自分の気持ちを素直に伝えようと心に決めたんだ。」


リヒトは苦しげに眉を顰める。


「確かに、昔のリヒト様もお優しかったですが、好意は全く伝わっておりませんでした。」


エレノアはクスクスと笑う。


「僕の元に戻ってくれてありがとう、エレノア。ずっと前から大好きだった。そして今もこれからもずっと大好きだ。僕と共に生きて欲しい。」


王族として…そう言外に聞こえる。少しだけ不安そうなリヒトに対して、エレノアは優しく微笑みかける。


「はい、よろしくお願いします。」


婚約者の立ち位置に戻った時点でそういう事なのだが、改めて言われるととても嬉しい。リヒトとエレノアの婚約は親同士の取り決めで行われたため、お互いの気持ちは特に確認したこともなかった。


「私もリヒト様の事、大好きです。」


エレノアの返事を聞いたリヒトは破顔した。

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