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【完結済】守ってあげたい蠱惑姫と思いきや、1人で何でも出来る孤独姫でした〜捕まえておけないので自由にさせておきます〜  作者: 朔島 涼
二章.ヘレンツェの王太子

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35.レオナルドはキューピット

「エレノア、ごめんね。」

「俺も悪ふざけが過ぎた。途中でリヒトが窓の外から様子を窺っているのに気がついて、つい揶揄ってしまった。」


ははっとレオナルドは愉快に笑っているが、リヒトの目は全く笑っていない。


「まったく…。成人王族が、国外で油を売っていていいの?」

「ああ、ふたりのおかげで父上と母上が戻ってきてくれたからな。俺はもうしばらく自由の身だ。まあ、帰ったら公務もきちんとしてるよ。今は休暇をもらっているだけ。」

「そうですか。大変でしたものね。」


エレノアは眉を下げる。ヘレンツェで会った時のレオナルドの姿を思い出し、今とは全く違う姿に、よほど無理をしていたのだろうと思う。そして、今はその反動がきているのかもしれない。レオナルドはエレノアの表情をみてへらりと笑う。


「エレノアは優しいね。そういうところが好きだな。リヒトにはもったいない。」

「おい…」

「そんな事ありません!リヒト様は素敵な方で、私には勿体無いくらいの方です。私は大好きです!」


エレノアは咄嗟に反論したが、リヒトの顔が赤くなるのが見えてハッとする。公衆の面前で告白してしまった。


「あ、ありがとう。」

「ふふっ、良かったねリヒト。大好きなエレノアちゃんから告白してもらえて。」


レオナルドが眉を下げて笑う。


「うるさい。揶揄うな。」


レオナルドには終始塩対応のリヒトである。


「じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。お邪魔そうだしね。」


レオナルドは肩を竦めながら立ち上がる。そしてくしゃりと笑顔を作るとエレノアに話しかける。


「ヘレンツェにはまた遊びに来てね。みんな待ってるのは本当だから。」

「ありがとうございます、ぜひ。」


エレノアもニコリと笑顔で応える。


「良かった。それから、なんか困ったことがあれば出来ることは何でもするから頼って。ふたりには莫大な恩があるからね。」


レオナルドは両手を大きく広げて少しおどけたように言う。


「おーけい。なら金輪際、エレノアにふたりっきりで合わないこと。」


リヒトも表情こそ険しいが、口調は軽口をたたいているように聞こえる。


「まだ怒ってるの?もう勝手に会いにこないよ。多分ね。」


ははは、と笑いながらレオナルドは会計をして店を後にする。


「とっても美味しかった。また、来るね。」


会計をした土人形ちゃんにそう話しかける声が聞こえて、懲りないな…とエレノアは思った。





レオナルドを見送った後、バックヤードでリヒトをお茶をしていた。店番の土人形ちゃんたちの手を煩わせては行けないので、自分でふたり分の紅茶とケーキを用意した。エレノアはどさくさに紛れて本日2個目のケーキだ。


「昨日はとても嬉しかったよ。一緒に過ごしてくれてありがとう。」

「いえ、私もパートナーとして参加できて嬉しかったです。昨日はタイミングが分からずお渡しできなかったのですが、お誕生日プレゼントです。良かったら受け取ってください。」


ブルーのリボンでラッピングされた包みをリヒトに渡す。


「ありがとう、エレノア。僕にとっては、エレノアが隣にいてくれるだけで幸せなのに、プレゼントまで…すごく嬉しい。開けていい?」


リヒトはとても大事そうにプレゼントを受け取り、エレノアが頷くのを見てリボンを解く。


「これはピアス?」

「はい。リヒト様はきっと何でも持っていらっしゃるから、何がいいか迷ってしまって。前に頂いたブローチのように、私の魔力を込めたアクセサリーを作れないかと思って勉強しました。」


エレノアは少し緊張して説明する。


「エレノアが勉強して作ってくれたの?本当にすごいね、何でも出来るな。物への魔法の付与は外国の技術だし、難しいから専門職の人たちしかできないと聞くよ。」

「転移魔法のように複雑なものは付与できなかったのですが、光魔法の加護系統のものをいつか付与してあります。お守り程度にはなるかと。」

「エレノアが付与してくれているのだから、きっとすごい効果があると思う。それに、シルバーの土台にアメシスト。エレノアの分身のようだね。すごく嬉しい。大切にする。」


リヒトがとても嬉しそうに笑う。


「離れている時も、私の代わりにリヒト様を守ってくれますようにと願いを込めました。喜んでいただけて良かったです。」


エレノアはホッと息を吐き、ニコリと笑う。実はリヒトに喜んでもらえるか少し心配していたのだ。


「エレノアがつけてくれる?」


リヒトはエレノアの顔を覗き込んでお願いする。


「わ、分かりました!」


エレノアは顔を赤く染めながらサッと立ち上がり、姿見を持ってくる。すぐに身につけてもらえるのが嬉しくて快諾したが、これが大失敗であった。

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