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【完結済】守ってあげたい蠱惑姫と思いきや、1人で何でも出来る孤独姫でした〜捕まえておけないので自由にさせておきます〜  作者: 朔島 涼
二章.ヘレンツェの王太子

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30.船の正体

荷物が増えた分と、花火の打ち上げ回数が増えたため、2時間くらいかかって無人島に到着した。


「リヒト様!」


エレノアが戻ると、リヒトは砂浜で大勢の人々と一緒に集まって座っていた。ドシッと救援物資と共に砂浜の少し離れた位置に降りる。


「エレノア!無事でよかった。」


リヒトはすぐに駆け寄って来てくれた。


「リヒト様も。救護の船はコチラに向かっています。」

「ありがとう。その大きな荷物は?」

「水と食料を先に少しだけ持って来ました。配りましょう。何人くらいいらってるのでしょうか?」

「80人くらいかな?」

「80人?意外と少ないんですね。」

「実は、この船はヘレンツェの国王陛下夫妻が乗っていた船なんだ。だから他に乗客はなく、大きさの割にそれほど人数は載っていなかった。でも、有事用に食料をたくさん積んでいたから、怪我人は多数いたけど、全員生存が確認できている。」

「それはよかったです!」


木箱を開けながら会話していると、後ろから声をかけられた。


「その食料も底をつきかけていたから、助けに来ていただき助かりました。」

「私たちも手伝います。」


ヘレンツェの国王夫妻である。


「ヘレンツェ国王陛下、王妃陛下。ありがとうございます。アランデル王国のエレノアと申します。」


異常事態のため、略式で挨拶をする。箱入りのエレノアにとってはもちろん初対面であったが、遭難による疲れがあっても、国王夫妻のオーラは失われていない。


「エレノア様。本当にありがとう。」


王妃の目に涙が浮かぶ。


「まだ泣いてはいけないよ。無事に皆を家に届けられたら、城で共に涙しよう。」

「そうね。」


国王の言葉に王妃はニコリと笑顔を見せて、水と食料を配り始めた。





リヒトははエレノアと別れた後、無人島の森の中に入り、すぐに国王夫妻の一団に出会ったそうだ。彼らは悪天候で船が難破し、この無人島に流れ着いたという。漂着後は船から必要なものを運び出して、雨風を凌げる場所に運び込み、しばらく生活していたそうだ。王妃が言ったように、食料が底をつきかけていたため、食べられるものを探しに森の中を散策していた所、私たちが空から飛んできたため、砂浜の方に向かって歩いていたらしい。何とも不幸中の幸いである。





日が完全に落ちて冷えてきたため、砂浜で焚き火をしながら過ごしていると、夜中に国王夫妻の船よりは2回りほど小さい船が2隻到着した。大型船を1隻出航準備させるよりも早かったのであろう。


「ご無事で何よりです。さあ、こちらに。すぐに休めるよう準備しております。」

「食べるものも、消化のいい物をいつくかお作りしております。」

「ありがとう。」

「ありがとうございます。」


流石は国王夫妻の外交団だけあり、発見から船に乗り込むまで一度の混乱もなかった。絶対的リーダーが存在する事、教養のあるものばかりが揃っている事、また島に危険が少なく、食べられるものも自生していて、ある程度生き延びられるという環境的な要因もあったかもしれない。


「やはり国王陛下、王妃陛下がお乗りだった船でしたか。レオナルド殿下もそうではないかと…」


船には港で見かけた騎士も数人乗り込んでいるようだった。


「殿下直々にお迎えにいらっしゃりたいようでしたが、陛下がいらっしゃらない今、国を離れられないとお残りに。」

「そうか、レオナルドが…大きくなったものだ。」

「ええ、本当に。きっとこの3週間、大変な思いをしているわ。早く帰ってあげないと。」


レオナルドは3週間前に、夫妻の外交中の船の遭難の知らせを受け、留学先のアランデル王国からヘレンツェに戻り、夫妻の捜索、その後葬儀や戴冠の準備、慣れない公務、魔物退治と、それはもう死に物狂いでこなしていたに違いない。しかし、私たちを迎え入れた時の余裕のある対応、貫禄、それは次代の王に相応しいと言えるものであった。


「レオナルド様はすごい方ですね。私も見習わなければいけません。」


エレノアは現状、(成人していない事もあるが)侯爵令嬢としての仕事を何一つしていない。レオナルドの姿を目の当たりにして、何か思うところがあるようだ。


「そうだね。レオは私よりも1歳年上だが、今の僕ではきっと同じ事はできないと思う。」


リヒトも頷き同意した。

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