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【完結済】守ってあげたい蠱惑姫と思いきや、1人で何でも出来る孤独姫でした〜捕まえておけないので自由にさせておきます〜  作者: 朔島 涼
二章.ヘレンツェの王太子

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31.王の帰還

船に乗り込んだ後、救助された人々は身体を拭き、清潔な衣服に着替え、ゆっくり眠るもの、軽く食事を摂るもの、再会を喜ぶものそれぞれ思い思いに過ごしていた。空が明るくなって来た頃、ヘレンツェの陸地が遠くの方に見えて来た。


「陛下、そろそろお召し替えを。」

「そうだな。」

「では、わたくしも。」


国王夫妻も船の中ではラフな服を身につけていたが、明るい時間に港に降り立つため、レオナルドが用意していたのであろう正装に着替えて来た。ボロボロの服を着ていても、かなりのオーラがある2人であったが、正装を身につければ、満身創痍のはずなのに、眩しいほど光り輝いている。


「流石ですね。」

「ああ、国民に不安を与えない配慮だろう。そしてその存在感。圧倒的オーラ。僕たちもあんな風になれるといいね。」


夜通し船の警備と手伝いを行なっていたエレノアとリヒトは、疲れきってクマのできた顔を見合わせて笑う。


「僕たちは一介の騎士として紛れ込もう。アランデルの王太子と王太子妃とはバレないようにね。」

「ええ、それがいいですわ。」






そんな秘密の作戦を立てていたのだが、港に降り立った途端、国王夫妻の間に立たされて大々的に紹介されてしまった。


「我が命の恩人、アランデル王国の王太子リヒト様と、未来の王太子妃エレノア様に感謝を。ヘレンツェはアランデル王国に対し、未来永劫の友好関係、港の無期限の無償の使用許可を約束しよう。」


国王夫妻を出迎えるため多くの民衆が集まっていたため、ふたりは大歓声を受けた。リヒトとエレノアはなけなしの気力を振り絞り、笑顔で手を振って応える。


港の無償の使用許可まで貰ってしまったので、そんな事約束して大丈夫なのかと心配したが、港の使用料を取らないくらいでヘレンツェは衰退しないらしい。もともと、アランデルから入る港の使用料は微々たるものであり、それよりも輸入した物に入国出国で関税がかかるため、港の使用頻度が増えればそこで稼げるとの事だった。ちゃっかりしている。


「つ、疲れた。」

「さすがに眠いです。」


ヘレンツェ王城で休ませてもらうため港から30分ほど馬車に乗ったが、その馬車の中でもふたりとも爆睡していた。さらに、城についてからも客寝室を借りて泥のように眠った。化け物のような魔力の持ち主たちであるが、日中は空中をし続けた上、船2隻分の警戒態勢で完徹はなかなかのダメージである。日が暮れ始めた頃にようやく2人は目覚め、晩餐の用意をしてくれているとの事で晩餐室に案内された。





「本当にありがとう、リヒト。それからエレノア様。まさか父と母を連れて帰って来てくれるなんて。まるで奇跡のようで、まだ現実なのか信じられない。でもすごく嬉しい。感謝しても仕切れないよ。」


レオナルドは初めて会った時とは別人のような、子どものような笑顔にエレノアは少しホッとする。すごく張り詰めていたのだろうな。目は少し腫れているので、再会で涙したのかもしれない。


「リヒト様、エレノア様私たちを助けてくれてありがとうございました。最後まで希望を捨てずに頑張ろうと言ってはいましたが、これ以上日が経てば、気持ちを維持するのが難しかったかもしれません。」

「そうだな。本当にいいタイミングで見つけてもらえてよかった。」

「まさかこのような奇跡に立ち会えるとは僕たちも思いませんでした。お力になれて良かったです。」


リヒトがニコリと微笑む。


「でも、何か忘れているような…」


エレノアは首を傾げる。 


「ん?エレノアどうかした?」

「私たち、何をしに来た…あっ!クラゲちゃん!そうだ、クラゲちゃんが道案内をしてくれたんです。ヘレンツェの港に居座って、船を捕まえようとしていたんですけど、話せないから無人島まで船を連れて行こうとしていたんだと思います!」

「そういえば、父上と母上の遭難の知らせを受けて暫くしてからあのクラゲの目撃が相次いだ。誤って討伐などせず、本当によかった。」

「そのクラゲの優しさ、討伐指示ではなく追い返すようにお願いしたレオナルドの采配、実際にクラゲの魔物を追い払って私たちを助けてけれたリヒト様とエレノア様の才能。全てが揃っていなければ私たちは助かっていなかった。本当に奇跡だな。」


国王は感慨深そうに何度も頷いた。

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