第4話
打ち進みながら二人はある項目で首を傾げる。
「これってなんだろうな?」
真が指さすディスプレイモニターの画面には、ある質問事項が……
『子供の育成状況の24時間確認用モニターとして、家庭内のモニターカメラアドレスを登録してください。』
「これって……」
「24時間プライバシーがなくなるってことかな?」
「さすがに、これは意味が分からないなぁ。ちょっと相談窓口に聞いてみるか。」
真は封筒に入っていたいくつかの紙から『各種オンライン相談窓口』が記載された用紙を見つけ
「えぇっと、この場合は……」
と用紙の上から順番に目を走らせる。
「これかな?」
『初期設定にお困りの方へ』との記載を見つけ、さっそくアクセスする。
アドレスを打ち込むとチャット画面が開き〈質問をどうぞ〉とモニターに表示があった。
〈子供用の確認モニターについて聞きたい〉と打ち込んで返信を待つ。
しばらく間があって返信が届いた。
〈お子様のIDを入力してください。〉
「えーと、ID……IDっと」
パラパラと紙をめくってIDを見つけると、7桁のIDを打ち込む。
(0・0・3・1・9・8・6‥‥‥と)
〈確認できました。それでは再度質問をどうぞ。〉
〈子供モニターの設置場所について、制限事項はありますか?また設置の目的は何ですか?〉
真が軽やかなタイピングで返すと、先方も息をつく間もない速さで返信が来た。
〈設置場所の制限についてはただ一つです。子供が長く居る部屋か、常時音声が聞き取れる場所への設置です。その理由としましては親からの虐待等の監視及び体調等についてのモニターです。〉
(……そんなものか?でもちょっとプライバシーは気になる。)
〈モニターを設置することによるプライバシーの保持はどうなりますか?〉
〈それについては問題ありません。常時モニターはAIにより行われ、異常を察知した場合に人間へと切り替えます。従いまして異常が予測されない状態であれば全く問題はございません。〉
それでも、誠と有希の不安は払しょくされないが、納得せざるを得ない。
子供が健全に育つのが条件で国家の支援を受けているのだから……
真は有希と一瞬顔を見合わせたのち、『受け入れるしかないよなぁ』と半ばあきらめモードで返信文を打つ。
〈わかりました。うちは子供の寝室に設置しようと思いますがそれでよろしいでしょうか?〉
〈現状では問題は認められません。しかしながら、建材や建物構造による不具合はまれに発生します。その際には速やかに設置場所の変更をしていただければ、問題とはなりません。〉
相手からの返信はそこで終わった。
真は〈わかりました。ありがとう。〉とだけ打つと最後に付け加えた。
〈あなたもAI?〉
〈はい。もちろんです。〉




