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第24話「王国の評価、僅かに上昇」

勇者たちは戦いを終え、ついに王国へ帰還した。


王城の広間に通されると、国王が厳かに玉座に座っていた。以前ならば、勇者シンの姿を見るだけで顔をしかめていた国王だったが、今回はそこまで露骨な表情を見せない。とはいえ、目を合わせようとはせず、時折視線を逸らしながら咳払いをする。


「……勇者よ。今回の働き、認めよう」


一同が息を呑む。国王がシンを正面から評価するなど、今までにないことだった。


「まさか陛下からそんな言葉を聞けるとはな」


シンは冗談めかして笑ったが、周囲の空気は真剣そのものだ。リリエルやエコーも静かに見守っている。


「ふん……誤解するな。貴様を称えるつもりはない。ただ、今回の戦果が国にとって有益だったのは事実。ならば、相応の待遇を考えねばならん」


国王はしばし沈黙した後、意を決したように言葉を続けた。


「よって、これまで貴様に禁じていた魔法の使用を認めることとする」


場がざわめいた。シンも思わず目を見開く。


「へえ……それは意外だな」


「意外でもなんでもない。我が国の安全のための措置だ。だが、もはやその必要もあるまい。貴様が扱う氷の力——いや、正確にはスキルによるものだったか。十分に制御できることは分かった。ならば、本物の魔法を封じておく理由もない」


シンは軽く肩をすくめる。


「まあ、俺としてはスキルだけでも十分だったんだけどな」


すると、エコーが待ってましたとばかりに口を挟んだ。


「でもでも! これでシンもついに正統派の魔法使いデビューってことだよね? いやあ、魔法をバリバリ使う勇者ってのも、なかなかカッコいいんじゃない?」


「カッコよくなるかどうかは別として、使えるものが増えるのは悪くないな」


リリエルは微笑みながら頷いた。


「陛下が許可してくださったのなら、試してみるべきだと思うわ」


国王は咳払いをしながら、なおも視線をそらし続ける。


「……無論、勝手に暴走されては困る。宮廷魔導士に指導を仰ぎながら、慎重に扱うように」


「はいはい、分かってるって」


シンは軽く手を挙げる。その様子に、国王は小さくため息をついた。


「……しかし、同じ空間にいるのがこれほど苦にならなくなるとはな」


「お? それってもしかして、俺への好感度が上がったってこと?」


「勘違いするな。あくまで、以前ほどの嫌悪感がなくなっただけだ。……とはいえ、やはり直視はなるべくしたくないがな」


エコーが吹き出した。


「ぷっ……くくっ、陛下、正直すぎるよ!」


「黙れ!」


国王がエコーを睨むが、エコーは悪びれることなく楽しそうに笑い続ける。


「まあまあ、でもちょっとはマシになったんだね、シン!」


「いや、どこが『マシ』になったのかは微妙だけどな……」


シンは肩をすくめるが、どこか満更でもなさそうだった。


こうして、勇者は新たな力を手に入れ、王国との関係にもわずかながらの進展が見られたのだった——。


——次回、第25話「迫る新たな影」


・魔王軍の次なる動きが明らかに!?

・国王からの新たな指令、勇者の次の試練とは?

・エコー「なあ、俺の出番は?」

・シン「静かにしてくれ」


次回、新たな脅威とともに、勇者たちは次なる戦いへ!

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