第18話「勇者の新たなゴミスキル」
遺跡の最深部での戦いが終わり、俺たちは息を整えていた。リリエルの神託の力、エコーの音楽魔法、そして俺のゴミスキルを駆使して、影喰らいを討伐した。
「はぁ……なんとか倒したな」
剣を地面に突き刺し、肩で息をする。リリエルの光の加護がなければ、かなり厳しい戦いだった。
「いやぁ、まさか本当にやれるとはな……。お前ら、すげぇよ」
エコーが感嘆したように口笛を吹く。
「エコーも活躍してたじゃないか。お前のデバフ魔法がなかったら、俺の攻撃も通らなかったぞ」
「ま、まぁな……」
珍しく照れたように目をそらすエコー。
と、その瞬間——
【エコーの好感度が上昇しました!】
【現在の好感度:−880%】
(……ん?)
【新たなスキルを獲得しました!】
【スキル名:不協和の福音】
【効果:音楽が極端に不快なものに変化し、聞いた者の集中力を削ぐ。戦闘では敵味方問わず影響を受ける】
「……また来たな、ゴミスキル」
「ん? どうした?」
俺が思わず頭を抱えると、エコーが首をかしげる。
「いや……お前の好感度が上がったおかげで、新しいスキルを獲得したらしい」
「マジか!? どんなスキルだ?」
「……不協和の福音。俺が出す音が全部不快になるらしい」
「は!? 待て待て、それってつまり——」
「エコーの演奏もダメになるってことだ」
「ふざけんなぁぁぁぁ!!」
エコーの絶叫が響く。
「お前、それ戦闘で使いもんにならねぇだろ!? 味方まで巻き込むとか、ゴミスキルにもほどがある!!」
「知るかよ!! 俺だって望んでない!!」
俺の叫びが遺跡に虚しく響いた——。
◆ ◆ ◆
遺跡の奥に進むと、そこには祭壇があった。
中央には水晶のような石が浮かび、ほのかに光を放っている。
「これが……この遺跡の核か」
「たぶんね。この光、さっきの影喰らいがいた時よりも強くなってる。つまり……」
「討伐成功ってことか」
リリエルが頷き、手をかざす。すると水晶がさらに輝き、優しい光が遺跡全体を包み込んだ。
「これで、この場所も元の神聖な遺跡に戻ると思う」
「ふぅ……」
俺は思わず息をつく。長かった遺跡攻略も、ようやく終わりだ。
「よし、じゃあさっさと帰ろうぜ。もうこんな薄気味悪い場所にいたくねぇ」
「……まぁ、同感だな」
こうして俺たちは、遺跡の試練を乗り越えた。
そして俺は新たなゴミスキルを手に入れ、再び頭を抱えることになったのだった。
——次回、第19話「勇者、新たな依頼を受ける」
・国に戻った俺たちを待つ、新たな問題とは!?
・シン「また面倒ごとか……」
・次なる試練は、思わぬ方向へ——!




