第16話「巫女の覚醒、交わる運命」
遺跡の奥で影喰らいを倒した俺たちは、静まり返った空間に佇んでいた。
リリエルの放った神聖術の光がまだ名残を残している。
「リリエル、大丈夫か?」
俺は彼女に近づくと、リリエルは少し息を整えながら笑みを浮かべた。
「うん、大丈夫。でも……この力、まだ完全には制御できてないみたい」
彼女の瞳には、先ほどとは違う神秘的な輝きが残っていた。
「……巫女としての力が覚醒した、ってことか?」
エコーが興味深そうに覗き込む。
「そうみたい。でも、これは単なる神託の力じゃない……。試練を受け入れたことで、新たな加護が宿ったのかもしれないわ」
「試練……?」
俺が尋ねると、リリエルは扉の奥を指さした。
「影喰らいを倒したことで、扉の封印が解けたみたい。奥に、何かがあるはずよ」
扉に近づくと、まるで導かれるようにゆっくりと開いていく。
その先には——
「……神殿?」
広々とした空間が広がり、中央には神聖な祭壇が置かれていた。
壁には古びたレリーフが刻まれ、巫女と思われる人物が神々しい光を浴びている姿が描かれている。
「ここは……巫女の神殿だったのか」
リリエルがゆっくりと前に進み、祭壇の前で立ち止まった。
「私、この場所を知ってる……。記憶の奥深くで、何かが囁いてる……」
彼女がそっと手を伸ばすと、祭壇が淡く光を放ち始めた。
『試練を越えし者よ——』
突如、神殿に響き渡る声。
俺たちは思わず身構えた。
『新たなる巫女の誕生を祝福しよう。リリエル・エルフィン——汝に“神託の加護”を授ける』
その瞬間、祭壇から眩い光が溢れ、リリエルの体を包み込んだ。
「——ッ!」
彼女の身体が宙に浮き、まるで神の祝福を受けるように光を浴びる。
「リリエル!」
俺が思わず駆け寄ろうとすると——
『試練はまだ終わっていない』
再び声が響き、祭壇の奥にあった壁がゆっくりと開いていく。
「……試練?」
「これ以上、まだ何かあるのかよ……」
エコーが呆れたように言うが、俺たちは否応なくその先へ進まざるを得なかった。
扉の奥には、まるで異空間のような白い光に包まれた部屋が広がっていた。
「これは……?」
中に入ると、光の中からゆっくりと人影が現れた。
それは——
「リリエル……?」
俺たちの前に現れたのは、リリエルそっくりの姿をした光の存在だった。
『巫女の力を持つ者よ——己の覚悟を示せ』
その声が響くと同時に、光のリリエルが剣を構えた。
「私自身と戦えってこと……?」
「……どうやらそうみたいだな」
リリエルは深く息を吸い込み——
「——分かった。私、やるよ」
そう言って、自らの杖を構えた。
「シン、エコー……見守ってて」
俺たちは頷き、リリエルの戦いを見届けることにした。
——果たして、この試練の先に何が待っているのか。
次回予告:第17話「巫女の試練、対峙する己」
・リリエルVS自身の幻影! その戦いの行方は——?
・新たな神託の力が覚醒する!?
・次回、巫女としての真価が試される!




