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この異世界バグってる  作者: Yeppie
第一章
2/9

俺の名前

俺の名前はナロスキーノ・エローシュ。ナロスキーノ家の六男だ。正式名称不明な自称神のヒャッハー親父のせいで、DQNとかいうゲームに似た剣と魔法と竜の世界に享年52歳で日本から転生した赤ん坊だ。この世界に生まれて早くもひと月だ。


前世の名前は田中貴宏。息子の貴文と二人暮らしをしていた。貴文は25歳だし、俺よりもしっかりしてたから心配することはないと思いたい。妻とは十数年前に病気で死別したけれど、その後も妻の父母に良くしてもらっていたから、今もそうだと思いたい。俺の父母は子供の頃に事故で亡くなってしまったので、俺は祖父母の元で22歳で結婚するまで暮らしていた。その祖父母ももういない。


それにしても信じられない。まだ長い夢の続きかも。一日に一回は聞く羽目になる「ヒャッハー」という祈りの言葉にまだ慣れない。「ヒャッハー」と言いながら両手を広げ天を仰ぐ。それがこの世界の神への祈りのポーズらしい。俺が生まれた時、俺を抱き上げた父バロスがその部屋にいた家族(と多分使用人)に俺を見せた時、全員が一斉にそのポーズで「ヒャッハー」と叫ぶの見てドン引き、更に激しく泣いてしまった。領地の視察に出ていたという長男のパンターだけは視察先から帰ってくるのが俺の誕生日に間に合わず、その数日後に妻のセロンと共に俺の元へやって来て、しっかりヒャッハーしてくれた。もう泣かないゾ。

母ヘラリーは乳は自分でやる主義ということで、俺はしっかり母の乳房にむしゃぶりつく日々。一応乳母もいるぞ。これは赤ん坊特権、疚しい事は何も無い。俺、新しい人生満喫してるかも。


俺が新しく生まれた家は、あの自称神のヒャッハー親父が予告した通り世界第二位かどうかはまだ不明だが、かなり大きな権力を持った家らしい。少なくとも大金持ちだ。だって、俺が寝かされてるベッドのある大昔のヨーロッパ風のこの部屋、むちゃくちゃ広い。部屋の調度だって、相当な価値がありそうな物ばかり。部屋に常にメイド(でいいのかな?)が最低でも一人は常駐してるし、部屋の外にも見張りがいるっぽい。頻繁に顔を見せる家族の服もとても金がかかってそうだ。その服装がやっぱり大昔のヨーロッパ貴族風で、洗濯がものすごくしづらそうなものだ。まさか一回着たらもう着ないってヤツかな。俺のオムツは洗濯して再利用してるよね、多分。


父も母も整った顔立ちをしている。美形と言って良い程だ。なので、長男から五男までやっぱり整った顔だ。髪の色が父は茶色、母は金髪。なので、兄達の髪色はそのどちらかに寄る感じはあるものの、栗色っぽい色になっている。対して俺。顔は成長するにつれ変わるからまだ何とも言えないが、髪色は既に黒っぽい。偶然鏡に映った自分を見たら、他の兄弟より明らかに髪色が濃かった。その髪色は魔力が他の兄弟よりも高い証ではないかと思われてるらしい。魔力ねえ。髪色ってそういうのに関係あんの?自称神のヒャッハー親父によれば俺はチート能力を授かったらしいけど、チート能力って何なんだ?どんな事が出来るんだ?そもそもチートという単語の意味が解らん。

剣と魔法と竜の世界か。面白そうだけど興味あんまりない。こういう世界を舞台にした小説やゲームの事は知ってる。けど内容はサッパリだ。魔法は…ちょっと使ってみたいかな。

それにしても、悪さをするバグ退治という一種の世直しを依頼しといて赤ん坊からスタートとは、ヒャッハー親父、気長過ぎない?でもって選ばれたのが最も不適格と思われる俺。これもバグのせいなんだっけ?大丈夫か、この世界。前途が不安過ぎない?バグがどーたらってのも、そのうち忘れそうだよな。


そんな事を思っていたら、四男のベクター(推定6歳)と五男のポルダー(推定3歳)が俺を見にやって来た。三男から五男の誰かを見ない日はないが、この二人は特に俺の様子をよく見に来る。


「エローシュ、今日はね、魔法を見せてあげようと思って来たんだよー。」とベクター。

「僕だって習えば使える様になるもん!まだダメだって言うからダメなんだもん!」とポルダー。


俺は「キャッキャッ」という声をあげることしかまだ出来ない。他には「ばぶう」くらいか?でも聞こえる言葉はちゃんと理解できてるっぽいんだよなあ。これがチート能力の為せる技?て、え?魔法?


「ベクター様、大丈夫ですか?この前の様に無理なさって倒れる様な事はないようにお願いしますよ。」と兄達の後ろに控えているメイド(でいいんだよね?)が言う。て、え?倒れたって?ちょ、怖くない?


「もう大丈夫だよ、アシュリー。平気ー!ほら、見てエローシュ!」


ベクターは持って来たおもちゃを高々と持ち上げた。これ、なんて言ったっけ?メリー…オルゴールメリーだっけか。色とりどりの飾りが円形の笠に等間隔で付けられた紐の先に有り、笠が回ると音が鳴るやつ。あれ?この飾り、竜っぽいな。メイド(?)のアシュリーがそれを天井に飾り付けた。すると、それより少し離れた場所に天井に張り付いている大きめの青い玉が見えた。天井の装飾から浮いている気がする。なんか気になるな。


「念のため、始める前に少し結界を強化しておきましょう。」とアシュリーが何かを小声で唱えた。て、え?このベッド結界付きなの?えーっ、てことは俺、生まれてからずっと魔法に触れてたのか!スゲー!いや、見えんし判らん。あ、結界強化って事故起きる前提ってこと?待て、魔法は止めろ!

俺は慌ててジタバタ手足を動かして目を見開いて訴えるが、「あ、エローシュすごい楽しみにしてるー。」と解釈されてしまう。違う、違うからっ!


「さ、これでいいでしょう。ベクター様、どうぞ。」とアシュリー。いや、良くないっ!

「よし、エローシュ、見ててね!ロンデ!」


ベクターがそう叫んで両手を挙げると、重力に従ってぶら下がっていただけの竜の飾りが、重力に逆らって上にゆっくりと登って行く。そしてやがてゆっくりと笠が回り始め、かわいいメロディーが流れ始める。回る速度は徐々に速くなり、竜達が高速旋回している。メロディーはテンポが早過ぎて最早何が何だか判らない。初めて見る魔法に目を丸くした俺だが、もう目が回りそうだ。ヤヴァい気がして髪の毛がざわめく感じがする。


「そこまでです、ベクター様。」とアシュリーがパチンと指を鳴らす。途端に竜達は勢いを無くし、重力に従う。ふとベクターを見れば、少しふらついている。

「しっかりなさいませ。魔力をまだ無駄遣いしてるようですよ。魔法を使うのは魔力の使い方にもう少し慣れてからの方がよろしいですね。」とアシュリー。

「ね、面白かった?これプレゼントするって言って、ベクター兄さん、いっぱい練習したんだよ。」とポルダーが俺を覗き込む。俺は「キャッキャ」と声を上げるだけだ。髪の毛のざわめきは止んでいた。

コロナ自粛でヒマだった2020年頃に書いてたものです。

こういう小説を書くのは初めてです。

イキオイだけで書きました。

飽くまでギャグです。ツッコミはご遠慮ください。

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