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この異世界バグってる  作者: Yeppie
第一章
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遡る事二年前

遡る事二年前、王は雇ったばかりの特級魔術師ディーターを伴って、地下の広い倉庫に眠る王家に代々伝わる遺物の鑑定を行うことにした。王都に新しい博物館を作ると言うシャラルラ王妃のアイデアに、王はこの遺物も展示物に出来るのではないかと考えた。博物館は主にシャラルラ王妃のコレクションを開示するのが目的だったが、王はそれを王室の権力を誇示する良い機会だと捉えたのだ。


子供の頃、先代の王に言われたことを王は思い出した。まだ名前があった頃だ。王を継いだ後、その名を呼ぶ者は一人もいない。「良いか、パオローゾ、ここの遺物は王家にだけ伝わる貴重な物、不可侵が鉄則。表に出してはならぬものばかり。厳重に保管するのだぞ。」という言いつけ通り、プリザという保存魔法と強力な結界と鍵魔法とによって遺物は守られていた。しかし、遺物に関する資料や記録は長い間に散逸し、王家にもほぼ残っていなかった。王は何故そこまでして遺物を地下に保管しているのか疑問視するようになった。この規模でのプリザは魔力をかなり消費するので、古代からあるとされる四方数メートルはある巨大な立方体の魔石に、常に魔力を補充する必要があった。そして年四回行われる魔力補充は大仕事だった。

(これは、無駄なのではないか?)王は首を捻った。(この魔石にしたって、もう限界なのではないのか?)王は定期点検でみつかった魔石の微小なキズを気にした。(こんな巨大な魔石、そもそも現代には無い代物だ。保存を続けるなら、代案の仕組みが必要だ。もう、いいのではないか?こんな大規模な保存などしなくても。)


そんな時、特級魔術師ディーターが王立魔術協会の推薦で王宮にやって来た。数々の魔道具の発明で名を馳せた人物、そしてあのダレム師の一番弟子だ。王はディーターになら地下に眠る遺物の数々を詳細に鑑定できるに違いないと、こっそり倉庫へ連れて行った。そしてあの危険極まる「杖」を見つけたのだった。




「そんな倉庫が、あるのですか?陛下、持ち出したのはその杖だけなのですか?」バロスは初めて聞く遺物の倉庫の存在に胸に痛みが走った。遺物の存在は知っていた。それは失われた過去の物の筈だった。しかし、それがちゃんと王家の手によって今も保管されている事はナロスキーノ家には知らされていない事だった。

「つ、杖だけだ。しかし、あの杖は…触れてはならぬものだった。朕は無邪気に悪物を退治する魔法の杖だと、思ってしまったのだ。ダンジョンであの杖を振るった時…おお、あれは悪夢だった。ダンジョンの魔力をあの杖は立ち所に吸引したのだ。あの、黒い禍々しい、闇の様な魔力を。」


「陛下!」そこへ衛兵の一人が息を切らせて謁見の間へ入って来た。

「良い、報告せよ。」王は立ち上がるとマントを直した。

「はっ。恐れながら報告いたします。始祖のドラゴン様とエローシュ様とを発見いたしました。ディーター様と、エローシュ様御付きのメイド、フォリーも一緒におります。」衛兵は片膝をつき、答えた。

口をパクパクさせている教皇ウェズラを横目に、王は静かに言った。「案内せよ。」


バロスがふと妻のヘラリーを見ると、ヘラリーの目に涙が浮かんでいた。




あっ、ヘラリー母さんだ。バロス父さんも。「おっい、おっい。」こっちこっち。俺はフォリーに抱かれたまま思い切り手を振った。「きゃっきゃっ。」後ろにあのキラキラマッチョ王冠サンタもいた。ん?あの四角い帽子被った親父、誰?何であんなに口パクパクさせてんの?

「ああ、エローシュ。無事で良かった…。」ヘラリー母さんが俺に手を伸ばす。あれ、母さん泣いてるの?母さんの腕の中で俺は思い切り笑顔を作った。「あたあいえーあーあん。」泣かないで母さん。

「心配せんでよい、ウェズラ。その魔法の効果は長く続かぬ。だが、お前の発言はまだ許さぬ。」変態全裸野郎はそう言って、四角い帽子の親父を睨んだ。何?何したの?その顔怖い。悪口でも言われたの?返事なしかいっ。まあいいや、俺もう疲れたよ。眠くなって来た。




ちょうどその頃。ローヨップ北、スカジーの森の中。取り残された小さな小さな一つの魔力が形になり始めていた。そしてとうとう、それは青みがかった透明な何かになった。まるで命を得た様にピョンと一度飛び跳ね、動かなくなった。まるで何かを探る様に。

コロナ自粛でヒマだった2020年頃に書いてたのはここまでです。

イキオイだけで書いたので、続きを書き始めるがこの五年後になりました。

ここまで読んだ方ならおわかりだと思いますが、登場人物の名前も地名も超テキトー。

考えるの面倒臭かったんです。でも時間が経ってちょっと愛着出てきたのでそのまんま。

世界観も設定もテキトーそのものです。まあギャグですから。

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