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この異世界バグってる  作者: Yeppie
第一章
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キラキラマッチョ王冠サンタ

キラキラマッチョ王冠サンタは玉座に座り、何度もコートの襟を…あ、あれマントか。サンタっぽいマント?何だそれ?自分でも分かんなくなって来た。まあとにかく、王はその襟を何度も伸ばしてた。威厳もへったくれもない。落ち着けよ。王に促され、ヘラリー母さんが俺を抱いて玉座への階段を登った。


「こちらが息子のエローシュ、生後七ヶ月でございます。もうすぐ八ヶ月を迎えます。」玉座のある手前の段で立ち止まったヘラリー母さんはそう言って俺を見て微笑んだ。母さんと目が会う。「だいおおうう。」大丈夫。俺は手をグッと前へ突き出した。

するとあの髭親父が「こちらへ。」と両腕を俺へ差し出し、母さんは俺をその腕に預けた。いーやー。「いいいああ。」そしてそのまま俺は成す術も無くキラキラマッチョ王冠サンタの腕の中へ。やめてー。「あえてー。」うん、やっぱ王って結構なマッチョだ。目を開けてよく見ると、コイツも結構なハンサム枠だ。でも何かヤダ。えい。俺はキラキラマッチョ王冠サンタの髭を思い切り引っ張った。


「おお、元気の良い赤子だな。」キラキラマッチョ王冠サンタは髭を引っ張られてニコニコしてた。痛くないのか?よっしゃもう一丁。えい。「ほー、ほー、ほー。朕の髭が気に入ったか?もっと引っ張っても良いぞ。」ぎゃ、逆効果…。「では、この赤子は真に予言された賢者で間違いないのだな?この濃い髪色、確かに予言とも一致しておる。」キラキラマッチョ王冠サンタはバロス父さんを見据えて言った。あれ?いつの間にかヘラリー母さんも階段降りちゃってる。


「間違いないかと思われます。始祖のドラゴン様の言葉を疑うなど、不可能でございます。」バロス父さんの顔は厳しいものだった。「始祖のドラゴン様は、その…お聞き及びとは思いますが、ご自身をリューちゃんとおっしゃっております。」

「ほう。リューちゃん。それは、今この王宮の上で旋回している竜の事で相違ないのか?」相違ない、多分。あ、ヤバ。また髪逆立ってる感じする。

「陛下!ドラゴンの目が光っております!」バロス父さんが目を見開いて叫んだ。えー?またかよ。あれまたやんの?見たくねー。クソ変態野郎め。


「おお、これは!」玉座の横に立ってた髭親父が壁にかかった巨大な竜の絵画が光ってるのを見て身を仰け反らせた。キラキラマッチョ王冠サンタは俺をしっかり抱いて立ち上がり玉座の後ろを振り返った。眩しいんだよー。くっそー、髪の毛引っ張るな!ハゲたらお前のせいだからな!


そして全裸のアイツが光る巨大な絵画の前に現れた。相変わらず立派にブラブラさせてる。キラキラマッチョ王冠サンタは、俺を玉座に丁寧に寝かせ、全裸のアイツの前に跪いた。見えないけど、これ、絵面ヤヴァくない?絶対ヤヴァいよ。




フォリーは突然の王宮の振動に身を硬くした。(ダメ、冷静に、冷静に。もうすぐ目的の部屋に着くんだから。)首尾良くあの応接間の扉を開錠し、王宮の廊下の真ん中を透明人間状態でフォリーは歩いていた。(これって認識阻害の応用ってダレム師は言ってたっけ。)認識阻害の魔法フォグアは姿を見えなくする魔法では無く、飽くまで気配を消す程度のものだ。その存在を一旦強く認識されてしまえばその効果は薄まってしまう。そこへ光をねじ曲げる魔法ベンデを組み合わせ、あたかもそこに何もないように見せかける。ベンデだけだと、どうしてもその空間に、良く見えないけど何かあるという存在感と違和感とを拭えない。フォグアとベンデを組み合わせてフォリーは自分を透明化したのだ。まずはミロアで自分の幻影を自分の上に投影し、フォグアとベンデの重ねがけで透明になったら、幻影だけその場に残して扉の鍵をハッキング、部屋の外へ出る。(超難易度高くない?でも出来ちゃった!スゴイ!)フォリーは自画自賛した。(鍵、チョロ過ぎだったなあ。扉、誰も見てなかったし。何だかなあ。)


(あ、あそこ。あの部屋だわ。魔法で扉が隠してある。この部屋の鍵は…あー。コレ、無理かも。どうしよ。でも。こんだけ厳重って事は、当たりってことね!場所がわかっただけでも…いや、それじゃあ意味なーい。ええと…あ、これ、魔法コピー出来るかな?でもそれくらいはプロテクト済み…じゃないってどういう事?え?まさか、罠?いやいや、コピーしたの解析して後で戻って来られる保証無いって。時間ないんだからどうにかしないと。部屋に入ったら入ったで目的の物を探さなきゃいけないし、部屋から首尾良く出られるとも限らないし。ああー。)フォリーは一見すると何もないただの壁の前で悶絶していた。




それは一年前の事。あの予言以来、最近王家の動きがおかしい。そう直感したダレムは王宮へ出向いた際、建物に何か違和感を覚えた。そして王宮の見取り図に巧妙に改竄された跡を、そこに僅かに残る魔力を見つけたのだ。ダレム自身が調査のために動いても良かったが、ダレムは有名人だった。目立ち過ぎる。そこでフォリーとミュウビーに白羽の矢が当たった。彼女達をエローシュの世話係に推薦したのはダレムだった。裏の仕事に長けたゲスイーゾ家の娘達。驚いた事に魔法に関してはフォリーは想像を超える才があった。本人にそんな事を一切言った事はないが、ダレムはフォリーを天才だと評価していた。これは教師という立場でも僥倖だった。エローシュは一歳になれば王と謁見する事になる。エローシュの世話係も一緒に王宮へ向かう筈。少し時期が早まったが、何とかなるだろう。ダレムが一番警戒しているのは、自分の嘗ての弟子のディーターだった。あの青い球体状の魔道具を見た時、ダレムはその精巧さと強度に驚いた。(これは、危険だ。)しかし、王はエローシュの部屋にこれを設置するのを望んでいた。拒否は出来なかった。せめてもの対抗策として、ダレムはナロスキーノ家の屋敷内にこっそり魔力障壁の強化を施した。

コロナ自粛でヒマだった2020年頃に書いてたものです。

こういう小説を書くのは初めてです。

イキオイだけで書きました。

飽くまでギャグです。ツッコミはご遠慮ください。

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