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霊媒の血紅  作者: しばふn
無我リンピック編
48/50

第四十八話 雨正VS幽絲




……世も末だ。私をこの監獄に出そうなど…。

よっぽどなことがない限り、私が出る確率は著しく低い。

無我よ、何を考えているのだ。

戦力は私じゃなきゃだめだったのか?


……こいつが相手。


「悪いが死んでもらう。じゃあな。」


「「プルメリアっ、!!」」


「……攻撃を弾く…か。」


……よかった、八重桜先生のをコピーしといて…。

八重桜先生の技を使えるのはあと数分、でもプルメリアしか花を知らない、プルメリアでなんとか乗り切って、あいつの能力をコピーできれば……


「能力がつかめんな。お主、どのような能力だ?」


早速聞かれた…

能力はあまりバレたくない、近づけなくなっちまう…


「ノーコメント。言わねぇよ。」


「そうか……なら、詰めるぞ?」


もう戦うのかよ、状況がまだ掴めてねぇってのに、!


「「鉄絲網てっしもう」!」

前方から格子状の細い光る糸がとんでくる。


「「プルメリア」っ…!」


駄目だ、防御しか知らないから……祓えない………


「ほう…「プルメリア」と発すと能力を弾かれてしまうのか………。」


「……、あぁそうだな、!」


「なら縫っちまえばいい。」


「……は…?」



「「部分裁縫」」



いでっ……ん……なんだこれ…


「んんん、んんんん…んん、!!」


口が開かない、!もしかして、口を縫われたのか…!?


「ほれ、なんか唱えてみろ、ほれ!」


「んー……んんんん!!!」


「ははは、こりゃいい。滑稽だなぁずいぶんと。」


クソ、何か打つ手は、!!


「「鉄絲網・おり」!!!」


全方位から糸が…!


「んんん、んんんっ…!」


「刻まれ尽きるがよい。」


何ができる………考えろ、考えろ、何かはできるはずだ………

コピーするか、それしかない、こいつの能力をコピーする………

どうやって、?あいつには近づけない、近づいて霊力に触れることができれば…、


……まて、俺の口についてるじゃねぇか、あいつの霊力が!


よし、、、

(「「鉄絲網・織」!!!」)


キィィィィ~…

と音を立てる。まるで金属音だ、糸のくせに…!

内側から押す力を強めなければ、!


「うぉぉぉぁぁあああ!!!」


「お前、…私の能力………」


「あぁ、能力を開示する……俺の能力はコピー。お前は糸を操るんだな!全てわかった、!!」


「はっ、そういう魂胆か。であれば、もうあの「プルメリア」ってのは使えないんだな?」


はっ、


「ストックができないということも割れた。有意義な時間に感謝を。」


こいつ、頭の回転が早い!

まずいまずい、こいつの技を把握するまでに死ぬのだけは…、…!


「「幽絲鉄線ゆうしてっせん」」


……なんだ、俺の周りに線が張り巡らせている、


「お主はここから出ると死ぬ。」


「死ぬ、!?」


「私と同じ能力をコピーしたのならば、攻略法も分かるはずだ。」


攻略法、なるほど、手探りでなんとか……こいつの能力を…!


「「収縮」」


ギュンッッ


突然、幽絲鉄線の範囲が狭くなる。


「はっ、?!」


俺は間一髪で中心に移動できた、けど突破方法がわからねぇ………!


考えながら収縮なんかされたら……

次は避けられるかはわからん、一つずつ処理していこう、


「俺も対抗する。」


「あ?」


「「幽絲鉄線」!!!」


「はっ、」


……上手く行ったか、?

「コピー」とか言う能力名のくせに、相手の能力の全てがわかるわけじゃない……


イメージで言うと、相手を一つの大きな「ファイル」だとする。そのファイルを一つ一つ解析し、解凍する。

その作業にはもちろん「インストール」が必要だ。相手が何か技を使えば、その技がインストールされる。


そのインストールされたものを「ペースト」することが、俺のこの能力の真髄……


相手の技を自在に操るのではなく、相手の使える技の範囲をコピーする……


今ペーストできるのは、

「鉄絲網」、「鉄絲網・織」、「幽絲鉄線」の3つ…


こいつはおそらくこれ以上にでかい技がいくつかある、、、

まだ…解凍できていない………



「お前に俺と同じものを付与した。抜け出せる方法があるのならやればいいじゃないか?」


「……真似できるかどうか…だがな。」


そう言い、霊は幽絲鉄線に手をかざした。


………一瞬で消えた。


「は…?」


「だから言っただろうが。これをお主に真似はできん。」


………ははっ。

「コピーって便利なんすよ!」


そう。技を解除したり、技の補填的な力もコピーによって使用することができる。つまり!


「インストール完了。俺も解除できるってわけだ。」


自分についている幽絲鉄線も消した。


「……容易く突破する…か。やるなぁ人間よ。自在に私の能力は真似できるというのだな。」


「あぁそうだ!」


「……「応用」…となるとどうだ?」


「はっ、」


やはりこの霊、頭の回転が速い……

俺がコピーできるのは相手の能力に元々備わっている能力のみ…

仮に即興で技が作られたとしたらそれはコピーできない…


それどころか…!応用なんか使われると俺の能力の中でエラーが起こりかねない…!

エラー…すなわちそれは……トぶということ…


「「鉄絲網」!!!」

今はとにかく間合いを詰め、敵に攻撃を与える…これが最善…!



「「幽絲弾」」

糸が弾の軌道となり、無数に糸が張り巡らされ、弾丸がとんでくる。



くっ…新技…!とっさに避けれたが…

これは応用なのか…くそ、そこがわからないとインストールもできない………

まじで頭いいなこいつ…!


「霊ってやつは……」


「なんだ?何かおかしなことでもあるというのか?」


「敵ってやつは…バカなのが丁度いいんだよ…」


「……なんの話だ。」


「お前らはさ、人間から魂だけが抜けた、人間の端くれなんだろ?」


「それがどうした?」


「お前らも人間だったんだろ…?霊ってのは、霊ってのは…!元人間だったはずだ……今思ったんだけど、なんか…なんか………こう、霊ってやっぱ、こんな攻撃的なことで祓うんじゃなくて…もっと楽に成仏させる方法は無かったのかって…」


「あんなに攻撃をしていたお主が言うか。」


「お前は何も思わないのか、?その頭脳があったら分かるだろ、霊ってのはみんな頭いいんだ、」


「それは偏見か?頭悪い霊だっているだろう。」


「いいや、確実に霊はいついかなる時も頭が切れる。なんでなんだ、」


「こう私が冷静にお主と会話しているのが答えかもしれん。」


「、、、は、?」


「お主は、霊を敵だと勘違いしている。」


「は、?」


「霊…何かを傷つける「悪意」を持ったまま死んでしまったものの魂が抜け、それが成仏しきれずにこの世に舞い降りてしまったもの。その傷つけるものはなんだって良いのだ。」


「何だっていい、?」


「それが物体出会っても、植物であっても、無機物であっても。何かを傷つけたければ悪霊と成る。」


「んじゃあお前は、何を傷つけたくて、?」


「蜘蛛だ。」


「蜘蛛!?」


「それも毒蜘蛛だ。幼い頃、飼っていた愛犬を毒蜘蛛に殺された。そこから毒蜘蛛、いや、蜘蛛という種族全体に嫌気、殺意を覚えた。」


「なる、、ほど、?」


「1つ例外を言おう。「霊」に恨みを持った人間は悪霊にはならない。特に霊媒師なんかは、な。」


「それはなぜ、?」


「悪霊というのは、「自分が傷つけたいと思ったもの」や、「自分を傷つけたもの」が能力や姿になる。つまり、「霊」という物には普通の人間を傷つける術はない故に悪霊にならず死ぬ。」


「、、、まて、話がそれるんだかひとついいか。お前はさっき俺を攻撃した、戦闘意思は少なくともあるんじゃないのか?人を傷つけることに、何が娯楽でも感じてるんじゃないのか?」


「忘れるな。私は無我の監獄により生み出された超霊。命令に決まっているだろう。」


「命令、、、」


「本当に地獄のようだ。文字通り、無我の「監獄」に囚われている。」


「監獄、、、」


「なぁ、人間よ」


「な、なんだ、?」



「お前は、これでも霊を傷つけるか?」



その瞬間、当たりが真っ暗になった。




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