第四十七話 赤城玲VS飽女
「光が見える……はぁ、監獄展開したのね。あのお方。」
………楽しくないことはうんざりよ、もう。
「……この子、監獄の犠牲者になっちゃったのかしら。かわいそうに。」
ここは寒い。個々に分かれる監獄、空間の中はその者のイメージ通りになるわけではない。一定の広さを保った虚無の空間……
「ねぇ、起きてくれない?起きないと話進まないんだけど。」
この人間は駄目ね。あーあ、つまんない。
殺しちゃおうかしら。
「……ん〜……」
「あ、喋った、寝言かしら?」
「……はっ、!…ひっっっ!!!霊!!な、れ、霊!」
「……はぁ……」
「はぁ、?!ため息、?!はぁ!?!?」
「辰巳くんみたいな情緒やめてくんない、?うざいんだけど、」
「辰巳、?な、誰のこと言ってるの、?」
「あ〜…知らなくていいわよ。もう。」
ひんやりとした空間、なに、これなに、?!
「これからいくつか質問をするわ。」
「私が聞きたいことばっかなんだけど!?」
「問1、あなた、生きてる心地、する?」
「始めるのね、、、生きてる心地…?」
「そう。生きてる心地。私たち霊はね、生きてる心地がまるでしないの。もちろん死んでるから、生きてる心地がしないのも当たり前。………ねぇ、もともと人間だったのに、ふと気がつくと人間じゃない種族になってましたって言われたら、どうする?」
「人間じゃない種族……そうね、なんで?ってなる、かな…?わかんないけどぉ、」
私は苦笑いするしかなかった。
「はは、なんにも面白くないありふれた回答をどうもありがとう。そうね、それも答えではあるわ。」
「は…?」
「んじゃ問2。私たち霊が、人間たちに危害を加える理由、知ってる?」
…………知らない…!!!
確かに知らない…私、霊媒師やっててそんなことも知らないなんてある、?!
「……知らないって顔に書いてあるわね。」
はっ、バレた…
「別に隠すことじゃないし、教えてあげるわよ。あなたがこの情報を手に入れる、第一の人間かもしれないわね。」
「えっ、?!」
「私たち霊が人間を襲う理由……それは、人間だった頃も人間が嫌いだったからよ。」
「えっとそれはつまり…?」
「わかった、もっと簡単に言うわね。……
霊は「憂さ晴らし」してんの。人間を使って。」
「憂さ晴らし…?」
「申し訳ないわね、つまんない回答で。」
「つまんないと言うか何というか………」
「悪霊とか怨霊ってのはさ、存在してても何も面白くないわけ。普通の人間にとっても、見えないものだからホントつまんない。」
「ねぇ、あなたはさっきから何を言ってるの、?戦わないの??」
「……ちっ…」
舌打ち!?
「今ね、時間稼いでんの。それを今あなたはぶち壊した。つまんない。ほんとつまんないわね、人間ってのは!!」
「ちょ、ちょちょちょまって、!ごめんなさい、!」
「寸楽とか言う四天王のパクリって何度言われたことか……この能力………」
「落ち着いて、!お願い落ち着いてぇ!」
「「死ね」」
………技名死ね…?!
どす黒い衝撃波が空間を歪ませる。
私はこの波に流され、この空間の端まで追いやられる。
あー……痛い、体が痛い……
「…あんた、弱くない?」
は…?!え、は、??!
「な、なによ、」
「この攻撃でそこまでぶっ飛ぶ?しかも本気じゃなかったし。」
舐めプ…?!
「……階級は?」
「………階級…?」
「何級生なの??」
「初級生、だけど、」
「………通りで弱いのね。もういいわ、叩きのめしてあげる。」
「ちょ、ちょちょ!!」
「「殺すぞ」!!!」
霊力の光線が目の前を切り裂く。ギリギリ避けれた…。
暴言が技名…?
なるほど、知らない間に攻撃されてるかもしれないわね、これ、
………まって、寸楽のパクり…?
どこがパクりなの、?分からない、暴言が技名でもなかったし、、、
あぁぁ……分からない、分からないことばっかり、、、助けて、!助けてぇ………
「目の光消えてるわよ…所詮その程度ね。」
「うるさい…!!うるさい!!!」
「「ゴミ」」「「クズ」」「「カス」」
三連撃………避けられない、
二撃は避けたけど………霊力弾……なかなかに火力がある、
「あなたもさっさと能力使いなさいよ。つくづくつまらない子ね。」
また言った、!つまらない、!
おそらく「退屈」が鍵……何かを握っているに違いない…
なら…!
【開始】
[後ろよ。]
「はぁ…?何言ってるの?目の前にいるじゃない。」
あれ……あの子、口が開いてない…!
[それは残像。私の能力は、残像を生み出す能力よ!]
………こうやって嘘をつくしかない………
私の能力は戦闘向きじゃないから、どうにかして相手を翻弄できれば…!
そして………寸楽に楽観度があったように、この霊も、何かしらの感情を推し量る能力、なきがする、!
それが……「退屈…!!」
退屈であればあるほど力が強くなる、…ってことで合ってる…?かな?!多分そう!!
「……後ろにもいないじゃない、何よ、!腹話術で騙そうっての?!」
[違う!あなたは、私の手のひらのうえで踊らされてるの!]
……嘘はついていない、!よね…?
「あ〜もう鬱陶しい!要は範囲攻撃しろってことね!]
えっ、それは聞いてない
「「地面、死ね!!!」」
この空間全体で地震が起こる。
[無駄よ!!]
いや無駄じゃない…!結構ピンチ!!!
「どっから話しかけてっかわかんないけどねぇ、面白くないのよ!その能力!!」
[ふっ、でも楽しめるでしょ?]
「楽しめる……?」
[そう!私が多ければ多いほど、あなたは苦戦する!!!]
「……なら残像増やしなさいよ」
はっ………そこまで考えて無かった…!!!
「……バカね、嘘ついたのね。残像を出す能力じゃないんでしょ?あなた」
[……えぇそうよ。もう開き直る。]
「んで、この脳内に語りかけてんの腹立つからやめてくんない?」
[やめない……むしろ威力を高める、!!]
「は…?威力?」
飽女が理解するよりも早く、赤城玲が力を発揮する。
[[脳内腐食]!!!]
霊の体に直接音波を与える。これがテレパシー。
そして、その音波の威力を上げることによって遠隔で霊力を内側から破壊することができる。
赤城玲舞の、2度目の覚醒である。
「は、これ……まって、力が、消える、」
[じゃあね!このまま消えて!]
「………はぁ……もう、つまんないわよほんと。」
[え、?]
「そんなチート能力………もう………勝てっこない。」
[そうよ、!圧倒的力、!]
「そうね……はぁ……ほんと……つまんない……」
[な、なに…?]
飽女の力も増加していく、どうしようどうしよう、!
「つまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんない!!!!!」
やばい、まって、ぐっ………ほんとに駄目、それは駄目、、、!!!
ギャイイィイィンン………
テレパシーが、、、弾かれた…!?
「私の能力……割れてるかもだけど、「つまんなければつまんないほど強くなる」って能力なの。あんたね、それを理解して、強さで楽しませようとした??………大きな間違いね!!!敗北ってのは、誰しもが経験したくない、「負の状況」なのよ!!!」
くそ、ミスった、力を増加させてしまっただけだ………、
「………私はずっとつまんない人間だった。教室の隅っこで本読んで、誰かに話しかけられても無視を繰り返して………周りからすると、「陰キャ」って感じだったでしょうね……」
「陰キャ、、、」
私もだ、同じ悩みを抱えてる、
「つまんない、つまんないって。自分の人生もつまんなくなったの。彼氏もできない、頭も良くない、ご飯は普通、親は平凡、私も平凡。普通、つまんない。面白くない。」
「私も、!……私も、彼氏いないし、頭よくないよ、!」
「…あんたの話はいいの。てか、過去の話だし。私のは。」
「過去が何よ、!」
「だってもう取り返しのつかないことをしたから!!!……、」
「、…、取り返しのつかないこと、?」
「私、霊なのよ?……霊がこの世界に降りてくる条件、知ってるわよね?」
「ええと、能力を手にすること、?」
「……まぁ、間違ってはない…。簡単に言うわね。「人に危害を加える気を残したまま死ぬ」。これが条件よ。」
「人に……あなた、誰に危害加えたいの、?」
「………自分よ。」
「…自分…?」
「自分のことを傷つけたい。一生をかけて。」
「何言ってるの、!?そんなことして、何もいいことなんてないじゃない、!」
「迷惑がかかんなかったら何してもいいでしょ!!!………」
「人に危害加えてるんじゃ無いの、?!」
「加えて無いわよ!!………最初だって、あんまり戦いたく無かった…、…。」
「あんな技名してるのに、?」
「………口は悪かったのよ、もとから。それが技名になったの。」
「そう、なのね、時間稼ぎって、、、本当は戦いたくなかったのね、」
「……はぁ、もういいわ。つまんない。ほんと私ってつまんない。どうでもいい。」
「ねぇ、!待って!あなたはつまらない人じゃない!もっと話聞かせて、!」
「つまんないのよ………「くたばれ」」
重波とともに、この空間を埋め尽くすほどの霊力弾を放つ。
やばい………この攻撃はまともに食らってはいけない、!!!!なんとか、なんとか避ける方法は……!!!
、、、あぁ、だめだ、
焦りに焦り、頭がショートしかけた瞬間、辺りが闇に包まれた。




